「誓約することは果たせ」

「誓約することは果たせ」

「あなた​は​エホバ​に​対する​自分​の​誓約​を​果たさ​ね​ば​なら​ない」。―マタ 5:33

歌: 63,59

1. (イ)エフタ​と​ハンナ​に​は,どんな​共通​点​が​あり​ます​か。(冒頭​の​挿絵​を​参照。)(ロ)この​記事​で​は​どんな​点​を​考え​ます​か。

その​男性​は​勇敢​な​指導​者​で​あり,雄々しい​戦士​でし​た。その​女性​は​従順​な​妻​で​あり,謙遜​な​主婦​でし​た。男性​は​裁き人​エフタ,女性​は​エルカナ​の​妻​ハンナ​です。2​人​と​も​エホバ​の​崇拝​者​でし​た。ほか​に​も​共通​点​が​あり​ます。神​に​誓約​を​し,その​誓約​を​忠実​に​果たし​た​の​です。エホバ​に​誓い​を​する​人​たち​に​とっ​て​優れ​た​手本​です。では,誓約​と​は​何​です​か。神​へ​の​誓約​は​どれ​ほど​重大​な​事柄​です​か。エフタ​と​ハンナ​から​何​を​学べ​ます​か。

2,3. (イ)誓約​と​は​何​です​か。(ロ)聖書​は​神​へ​の​誓約​に​つい​て​何​と​述べ​て​い​ます​か。

2 聖書​に​出​て​くる「誓約」と​は,神​に​対する​厳粛​な​約束​の​こと​です。例えば,何​か​を​行なう,何​か​の​捧げ物​を​する,何​か​の​奉仕​を​始める,何​か​を​控える,と​いっ​た​約束​です。誓約​は,自由​意志​に​基づい​て​自発​的​に​行なう​もの​です​が,神​の​目​に​神聖​で​拘束​力​が​あり​ます。(創 14:22,23。ヘブ 6:16,17)神​へ​の​誓約​は​どれ​ほど​重大​な​事柄​でしょ​う​か。

3 モーセ​の​律法​に​は​こう​あり​ます。「人​が​エホバ​に​誓約​を​し,あるいは​誓い​を​立て​て……誓約​を​自分​の​魂​に​課し​た​場合,その​者​は​自分​の​言葉​を​破っ​て​は​なら​ない。すべて​自分​の​口​から​出​た​とおり​に​行なう​べき​で​ある」。(民 30:2)後​の​時代,ソロモン​は​こう​書き​まし​た。「神​に​誓約​を​立てる​とき​に​は​いつ​で​も​それ​を​ためらわ​ず​に​果たせ。愚鈍​な​者​たち​は​喜ば​れ​ない​から​で​ある。誓約​する​こと​は​果たせ」。(伝 5:4)イエス​も​誓約​の​重大​性​に​つい​て​こう​述べ​まし​た。「古代​の​人々​に​対し,『誓い​を​し​て​履行​し​ない​よう​な​こと​が​あっ​て​は​なら​ず,あなた​は​エホバ​に​対する​自分​の​誓約​を​果たさ​ね​ば​なら​ない』と​言わ​れ​た​こと​を​あなた方​は​聞き​まし​た」。―マタ 5:33

4. (イ)神​へ​の​誓約​は​どれ​ほど​重大​な​事柄​です​か。(ロ)エフタ​と​ハンナ​に​関し​て,これ​から​どんな​こと​を​学び​ます​か。

4 ですから,神​へ​の​約束​は​非常​に​重大​な​事柄​です。自分​の​誓約​に​関し​て​どう​行動​する​か​は,エホバ​と​の​関係​に​影響​を​及ぼし​ます。ダビデ​は​こう​書き​まし​た。「だれ​が​エホバ​の​山​に​上っ​て​ゆき,だれ​が​その​聖​なる​所​に​立ち上がれる​だろ​う​か。それ​は,……欺き​の​誓い​を​立て​た​こと​の​ない​者​で​ある」。(詩 24:3,4)では,エフタ​と​ハンナ​は​どんな​誓約​を​し​まし​た​か。2​人​に​とっ​て​その​誓約​を​果たす​の​は​簡単​な​こと​だっ​た​でしょ​う​か。

エフタ​と​ハンナ​は​神​へ​の​誓約​を​忠実​に​果たし​た

5. エフタ​は​どんな​誓約​を​し​まし​た​か。どんな​結果​に​なり​まし​た​か。

5 エフタ​は​エホバ​へ​の​約束​を​忠実​に​守り​まし​た。当時,神​の​民​は​アンモン​人​に​圧迫​さ​れ​て​い​まし​た。(裁 10:7‐9)エフタ​は​アンモン​人​と​の​戦い​に​行く​前,勝利​を​強く​願っ​て​こう​誓約​し​まし​た。「もし​アンモン​の​子​ら​を​間違い​なく​わたし​の​手​に​与え​て​くださる​なら​ば,わたし​が​アンモン​の​子​ら​の​もと​から​無事​に​戻っ​て​来​た​時​に​わたし​の​家​の​戸口​から​迎え​に​出​て​来る​者,その​出​て​来る​者​は​エホバ​の​もの​と​される​こと​に​なり​ます」。イスラエル​人​は​戦い​に​勝利​を​収め​まし​た。エフタ​が​家​に​帰っ​た​時,真っ先​に​迎え​に​出​て​来​た​の​は​愛する​娘​でし​た。娘​が「エホバ​の​もの​と​される」の​です。(裁 11:30‐34)それ​は​娘​に​とっ​て​何​を​意味​し​た​でしょ​う​か。

6. (イ)エフタ​と​娘​に​とっ​て,神​へ​の​誓約​を​果たす​こと​は​簡単​な​こと​でし​た​か。(ロ)申命記 23​章​21,23​節​と​詩編 15​編​4​節​から,神​へ​の​誓約​に​関し​て​何​を​学べ​ます​か。

6 それ​は​幕屋​で​エホバ​に​全​時間​仕える​こと​を​意味​し​まし​た。エフタ​は​よく​考え​ず​に​誓約​し​た​わけ​で​は​あり​ませ​ん。娘​が​最初​に​迎え​に​出​て​来る​可能​性​は​十分​予測​でき​た​はず​です。と​は​いえ,エフタ​に​とっ​て​も​娘​に​とっ​て​も​大きな​犠牲​の​求め​られる,非常​に​つらい​状況​でし​た。エフタ​は​娘​を​目​に​し​た​時,失意​の​あまり「衣​を​引き裂き」まし​た。娘​は「自分​が​処女​で​ある​こと​に​つい​て……泣き悲し」み​まし​た。エフタ​に​は​息子​が​おら​ず,一人娘​も​結婚​し​て​子ども​を​持つ​こと​が​でき​なく​なり​まし​た。家名​や​財産​を​受け継ぐ​者​が​い​なく​なっ​て​しまう​の​です。しかし,エフタ​と​娘​に​とっ​て,もっと​大切​な​こと​が​あり​まし​た。エフタ​は​こう​述べ​まし​た。「わたし​は,エホバ​に​対し​て​自分​の​口​を​開い​て​しまっ​た。引き下がる​こと​は​でき​ない」。それ​に​対し​て​娘​は,「お父さま,……口​から​出​た​その​とおり​に​わたし​に​なさっ​て​ください」と​言い​まし​た。(裁 11:35‐39)何​と​忠節​な​態度​でしょ​う。至高​の​神​へ​の​誓約​を​破る​こと​など​少し​も​考え​ませ​ん​でし​た。どんな​犠牲​が​求め​られる​と​し​て​も,誓約​を​果たす​つもり​だっ​た​の​です。―申命記 23:21,23; 詩編 15:4を​読む。

7. (イ)ハンナ​は​どんな​誓約​を​し​まし​た​か。なぜ​です​か。どんな​結果​に​なり​まし​た​か。(ロ)ハンナ​の​誓約​は,サムエル​に​とっ​て​どんな​こと​を​意味​し​まし​た​か。(脚注​を​参照。)

7 ハンナ​も​エホバ​へ​の​誓約​を​忠実​に​守り​まし​た。ハンナ​に​は​子ども​が​でき​ず,その​こと​で​絶え​ず​あざけら​れ​て​い​まし​た。ハンナ​は​深く​悲しみ​ます。(サム​一 1:4‐7,10,16)神​に​心​を​注ぎ出し,こう​誓約​し​まし​た。「万軍​の​エホバ​よ,もし​あなた​が​この​奴隷​女​の​苦悩​を​必ず​ご覧​に​なり,実際​に​私​を​覚え​て​くださり,この​奴隷​女​を​お忘れ​に​なら​ず,実際​に​この​奴隷​女​に​男​の​子​を​お授け​ください​ます​なら,私​は​その​子​を​その​一生​の​間​エホバ​に​おささげ​致し​ます。決して​かみそり​を​その​頭​に​当てる​こと​は​あり​ませ​ん」。 *サム​一 1:11)ハンナ​の​願い​は​聞き入れ​られ​まし​た。男​の​子​が​生ま​れ​た​の​です。ハンナ​は​どんな​に​か​うれしかっ​た​こと​でしょ​う。と​は​いえ,神​へ​の​誓約​を​忘れ​て​い​ませ​ん​でし​た。「わたし​は​エホバ​に​この​子​を​願い求め​て​おり​まし​た」と​述べ​て​いる​から​です。―サム​一 1:20

8. (イ)ハンナ​に​とっ​て​誓約​を​守る​こと​は​簡単​でし​た​か。(ロ)詩編 61​編​に​ある​ダビデ​の​言葉​は,ハンナ​の​どんな​りっぱ​な​行動​を​思い出さ​せ​ます​か。

8 ハンナ​は,サムエル​が​3​歳​ごろ​に​乳離れ​する​と​すぐ,神​へ​の​誓約​どおり​に​行動​し​まし​た。誓約​を​破る​こと​など​考え​も​し​ませ​ん​でし​た。サムエル​を​シロ​の​幕屋​へ​連れ​て​行き,大​祭司​エリ​に​こう​言い​まし​た。「私​は​この​子​の​こと​で,私​の​願い求め​た​請願​を​エホバ​に​かなえ​て​頂き​たい​と​祈り​まし​た。それ​で​私​も​また,この​子​を​エホバ​に​お貸し​致し​まし​た。この​子​は​まさしく​その​一生​の​間,エホバ​に​求め​られ​た​者​な​の​です」。(サム​一 1:24‐28)幕屋​に​おい​て,「少年​サムエル​は​エホバ​の​みもと​で​成長​し​て」いき​まし​た。(サム​一 2:21)ハンナ​に​とっ​て​誓約​を​守る​こと​は​簡単​だっ​た​でしょ​う​か。深く​愛する​息子​と​毎日​過ごす​こと​は​もう​でき​ませ​ん。抱きしめ​たり,遊ん​だり,面倒​を​見​たり​する​こと​も​でき​ませ​ん。ハンナ​は​かわいい​我​が​子​が​日々​成長​し​て​いく​様子​を​見​たかっ​た​こと​でしょ​う。それでも​神​へ​の​誓約​を​進ん​で​果たし​まし​た。ハンナ​の​心​は​エホバ​に​よっ​て​歓喜​し​た​の​です。―サム​一 2:1,2。詩編 61:1,5,8を​読む。

エホバ​へ​の​誓い​を​果たし​て​い​ます​か

9. これ​から​どんな​点​を​考え​ます​か。

9 神​へ​の​誓約​が​どれ​ほど​重大​な​事柄​か​を​考え​まし​た。では,クリスチャン​は​どんな​誓い​を​し​ます​か。その​誓い​を​どれ​ほど​真剣​に​果たす​べき​です​か。

献身​の​誓い

献身​の​誓い(10​節​を​参照)

10. クリスチャン​が​行なう​最も​重要​な​誓い​と​は​何​です​か。その​誓い​を​する​人​に​は​何​が​求め​られ​ます​か。

10 クリスチャン​が​行なう​最も​重要​な​誓い​は,エホバ​に​命​を​ささげる​と​いう​約束​です。神​へ​の​祈り​の​中​で,これ​から​どんな​こと​が​あっ​て​も,あなた​に​永遠​に​仕える​ため​に​自分​の​命​を​用い​ます,と​いう​厳粛​な​約束​を​する​の​です。イエス​が​述べ​た​とおり,これ​は「自分​を​捨て」る​こと,つまり​自分​の​権利​を​全く​放棄​する​こと​です。生活​の​中​で​神​の​ご意志​を​第​一​に​する​こと​を​誓う​の​です。(マタ 16:24)その​日​から,その​人​は「エホバ​の​もの」です。(ロマ 14:8)献身​の​誓い​を​する​人​は,誓い​を​真剣​に​受け止め​なけれ​ば​なり​ませ​ん。詩編​作者​も​神​へ​の​誓約​に​つい​て​こう​述べ​まし​た。「わたし​に​施し​て​くださる​その​すべて​の​恩恵​に​対し​て,わたし​は​何​を​エホバ​に​お返し​し​たら​よい​の​でしょ​う。わたし​は​わたし​の​誓約​を​エホバ​に​果たし​ます。そう​です,その​民​すべて​の​前​で」。―詩 116:12,14

11. あなた​の​バプテスマ​の​日,どんな​こと​が​行なわ​れ​まし​た​か。

11 あなた​は​自分​の​命​を​エホバ​に​ささげ,献身​の​象徴​と​し​て​水​の​バプテスマ​を​受け​まし​た​か。そう​で​あれ​ば,本当​に​素晴らしい​こと​です。あなた​は​バプテスマ​の​日,見守る​証人​たち​の​前​で,自分​が​エホバ​に​献身​し​た​か​どう​か​を​尋ね​られ​まし​た。また,「あなた​は,献身​し​て​バプテスマ​を​受ける​こと​に​より,自分​が,神​の​霊​に​導か​れ​て​いる​組織​と​交わる​エホバ​の​証人​の​一​人​に​なる​こと​を​理解​し​て​い​ます​か」と​尋ね​られ​まし​た。あなた​は​2​つ​の​質問​に「はい」と​答える​こと​に​より,エホバ​に​無​条件​で​献身​し​た​こと​を​公​に​宣言​し,エホバ​の​叙任​さ​れ​た​奉仕​者​と​し​て​バプテスマ​を​受ける​資格​が​ある​こと​を​示し​まし​た。エホバ​は​どんな​に​か​喜ば​れ​た​こと​でしょ​う。

12. (イ)どんな​こと​を​自問​でき​ます​か。(ロ)ペテロ​は​どんな​特質​を​培う​よう​勧め​まし​た​か。

12 と​は​いえ,バプテスマ​は​始まり​に​過ぎ​ませ​ん。その​後​も​ずっ​と​神​に​忠実​に​仕え,献身​に​ふさわしく​生きる​必要​が​ある​の​です。こう​自問​でき​ます。「バプテスマ​以降,エホバ​と​の​関係​は​強まっ​て​いる​だろ​う​か。心​を​こめ​て​神​に​仕え​続け​て​いる​だろ​う​か。(コロ 3:23)祈り​を​ささげ,聖書​を​読み,集会​に​出席​し,できる​限り​宣教​を​行なっ​て​いる​だろ​う​か。それとも,こう​し​た​点​で​幾らか​低調​に​なっ​て​いる​だろ​う​か」。使徒​ペテロ​は,信仰​に​知識​や​忍耐​や​敬虔​な​専心​を​加える​なら,神​へ​の​奉仕​に​おい​て​無​活動​に​なる​こと​を​避け​られる,と​述べ​て​い​ます。―ペテロ​第​二 1:5‐8を​読む。

13. 献身​し​て​バプテスマ​を​受け​た​クリスチャン​は,どんな​こと​を​理解​し​て​いる​必要​が​あり​ます​か。

13 献身​の​誓い​と​いう​神​へ​の​約束​を​取り消す​こと​は​でき​ませ​ん。エホバ​へ​の​奉仕​や​クリスチャン​の​生き方​が​嫌​に​なっ​た​から​と​いっ​て,「自分​は​本当​は​献身​など​し​て​い​なかっ​た。バプテスマ​は​無効​だ」と​主張​する​こと​は​でき​ない​の​です。 * その​人​は​他​の​人​たち​の​見守る​中,神​に​全く​献身​し​た​者​と​し​て​バプテスマ​を​受け​まし​た。ですから,重大​な​罪​を​犯す​なら,エホバ​と​会衆​の​前​で​言い開き​を​し​なけれ​ば​なり​ませ​ん。(ロマ 14:12)わたしたち​は​イエス​から,「最初​に​抱い​て​い​た​愛​を​離れ​た」と​言わ​れ​たく​は​あり​ませ​ん。むしろ,こう​言わ​れ​たい​もの​です。「わたし​は,あなた​の​行ない,また,あなた​の​愛​と​信仰​と​奉仕​と​忍耐​を,そして,あなた​の​最近​の​行ない​が​以前​の​もの​より​多い​こと​を​知っ​て​いる」。(啓 2:4,19)エホバ​に​喜ん​で​いただく​ため,献身​の​誓い​に​ふさわしく​生きる​努力​を​続け​ましょ​う。

結婚​の​誓い

結婚​の​誓い(14​節​を​参照)

14. 2​番​目​に​重要​な​誓い​と​は​何​です​か。なぜ​です​か。

14 2​番​目​に​重要​な​誓い​は,結婚​の​誓い​です。結婚​は​神聖​な​もの​だ​から​です。新郎​新婦​は,神​と​証人​たち​の​前​で​結婚​の​誓い​を​し​ます。誓い​の​言葉​の​中​で,「結婚​に​関する​神​の​取り決め​に​従っ​て​2​人​が​地上​で​共​に​生きる​限り」,互い​を​愛し,慈しみ,敬意​を​払う​こと​を​約束​し​ます。これ​と​は​幾らか​異なる​表現​を​用い​た​人​も,神​の​前​で​誓っ​た​こと​に​変わり​は​あり​ませ​ん。誓い​の​後,2​人​は​夫婦​で​ある​と​宣言​さ​れ,生涯​に​及ぶ​絆​で​結ば​れ​ます。(創 2:24。コリ​一 7:39)イエス​も​こう​言い​まし​た。「神​が​くびき​で​結ば​れ​た​もの​を,人​が​離し​て​は​なり​ませ​ん」。夫​も​妻​も​ほか​の​だれ​も,それ​を​離し​て​は​なら​ない​の​です。ですから,結婚​する​2​人​は,うまく​いか​なけれ​ば​離婚​すれ​ば​いい,など​と​考え​て​は​なり​ませ​ん。―マル 10:9

15. 世​の​多く​の​人​たち​と​は​異​なり,クリスチャン​は​結婚​に​対し​て​どんな​見方​を​し​ます​か。

15 結婚​が​不​完全​な​人間​の​結びつき​で​ある​以上,完全​な​結婚​と​いう​もの​は​あり​ませ​ん。聖書​も,結婚​し​た​人​たち​が​自分​に「患難​を​招く」こと​が​ある​と​述べ​て​い​ます。(コリ​一 7:28)残念​な​こと​に,世​の​多く​の​人​たち​は​結婚​を​軽んじ​て​い​ます。夫婦​の​間​が​うまく​いか​なく​なる​と,すぐ​に​あきらめ​て​離婚​し​て​しまう​の​です。しかし,クリスチャン​は​その​よう​な​見方​を​し​ませ​ん。結婚​の​誓い​を​破る​なら,神​に​うそ​を​つく​こと​に​なり​ます。神​は​うそ​を​つく​人​を​憎ま​れ​ます。(レビ 19:12。箴 6:16‐19)使徒​パウロ​は​こう​書き​まし​た。「あなた​は​妻​に​つなが​れ​て​い​ます​か。放た​れる​こと​を​求め​て​は​なり​ませ​ん」。(コリ​一 7:27)パウロ​は​エホバ​が​不実​な​離婚​を​憎ま​れる​こと​を​知っ​て​い​た​の​です。―マラ 2:13‐16

16. 聖書​は​離婚​や​別居​に​つい​て​どんな​こと​を​述べ​て​い​ます​か。

16 イエス​は​結婚​の​誓い​を​取り消す​こと​が​できる​唯一​の​聖書​的​な​根拠​を​教え​まし​た。夫婦​の​一方​が​姦淫​を​犯し,潔白​な​ほう​の​配偶​者​が​罪​を​犯し​た​配偶​者​を​許さ​ない​こと​に​し​た​場合​です。(マタ 19:9。ヘブ 13:4)聖書​は​別居​に​つい​て​も​明確​な​指示​を​与え​て​い​ます。コリント​第​一 7:10,11を​読む。)聖書​は​別居​の​根拠​に​つい​て​述べ​て​い​ませ​ん​が,特定​の​状況​の​もと​で​別居​せ​ざる​を​得​ない​と​判断​し​た​人​も​い​ます。配偶​者​から​虐待​さ​れる​場合​や,配偶​者​が​背教​的​な​見方​を​持っ​て​いる​場合​など,自分​の​命​や​エホバ​と​の​関係​が​極度​の​危険​に​さらさ​れる​場合​です。 *

17. クリスチャン​の​夫婦​は,どう​すれ​ば​結婚​関係​を​強める​こと​が​でき​ます​か。

17 長老​は​結婚​生活​に​つい​て​相談​を​受ける​時,何​が​でき​ます​か。最近,「本当​の​愛​と​は?」の​ビデオ​を​見​たり,「あなた​の​家族​も​幸せ​に​なれ​ます」の​冊子​を​読ん​だり​し​た​か​を​尋ねる​と​よい​でしょ​う。結婚​関係​を​強める​の​に​役立つ​聖書​の​原則​を​学べる​から​です。ある​夫婦​は「この​冊子​を​学ん​で​本当​に​幸福​に​なり​まし​た」と​述べ​て​い​ます。結婚​し​て​22​年​に​なる​別​の​姉妹​は,結婚​が​破綻​し​そう​に​なっ​て​い​まし​た。こう​述べ​て​い​ます。「夫​も​私​も​バプテスマ​を​受け​て​い​まし​た​が,気持ち​は​ばらばら​でし​た。そんな​時​この​ビデオ​を​受け取り​まし​た。今​で​は​ずいぶん​分かり合える​よう​に​なり​まし​た」。あなた​は​結婚​し​て​い​ます​か。では​聖書​の​原則​を​当てはめ​て​ください。そうすれば,結婚​の​誓い​に​ふさわしく​生きる​こと​が​できる​でしょ​う。しかも​幸福​で​いら​れる​の​です。

特別​全​時間​奉仕​者​の​誓い

18,19. (イ)多く​の​親​は​子ども​に​どんな​こと​を​励まし​て​い​ます​か。(ロ)特別​全​時間​奉仕​者​と​は​どんな​人​たち​です​か。

18 エフタ​と​ハンナ​に​は​ほか​に​も​共通​点​が​あり​ます。誓約​の​結果,エフタ​の​娘​も​ハンナ​の​息子​も​幕屋​で​の​特別​な​奉仕​を​行なっ​た​と​いう​点​です。2​人​は​本当​に​充実​し​た​生き方​を​し​まし​た。今日,多く​の​親​は,子ども​が​全​時間​奉仕​を​行ない,神​へ​の​奉仕​を​中心​と​し​た​生き方​を​する​よう​励まし​て​い​ます。わたしたち​は,そう​し​た​生き方​を​し​て​いる​兄弟​姉妹​に​心​から​の​感謝​を​伝え​たい​と​思い​ます。―裁 11:40。詩 110:3

特別​全​時間​奉仕​者​の​誓い(19​節​を​参照)

19 現在,世界​的​な​エホバ​の​証人​の​特別​全​時間​奉仕​者​団​の​成員​と​し​て,6万7000​人​ほど​が​奉仕​し​て​い​ます。ベテル​奉仕,建設​奉仕,巡回​奉仕​を​行なう​人​たち​も​いれ​ば,野外​の​教訓​者,特別​開拓​者,宣教​者,大会​ホール​・​サーバント,聖書​学校​施設​サーバント​と​し​て​奉仕​する​人​たち​も​い​ます。特別​全​時間​奉仕​者​は「従順​と​清貧​の​誓い」を​し​ます。王国​の​関心事​の​進展​の​ため​に​割り当て​られる​どんな​仕事​も​行なう​こと,簡素​な​生活​を​送る​こと,許可​なく​世俗​の​仕事​に​就か​ない​こと​を​誓う​の​です。特別​な​の​は​その​奉仕​を​行なう​人​で​は​なく,割り当て​られ​た​仕事​です。特別​全​時間​奉仕​者​は,その​立場​で​奉仕​する​あいだ​自分​たち​の​厳粛​な​誓い​に​ふさわしく​生き​なけれ​ば​なら​ない,と​いう​こと​を​理解​し​て​い​ます。

20. 「日​ごと​に」どんな​努力​を​す​べき​です​か。なぜ​です​か。

20 この​記事​で​取り上げ​られ​た​3​つ​の​誓い​の​うち,あなた​は​幾つ​の​誓い​を​し​まし​た​か。神​へ​の​誓い​を​決して​軽く​見る​べき​で​は​あり​ませ​ん。(箴 20:25)エホバ​へ​の​誓約​を​守ら​ない​なら,重大​な​結果​を​招き​ます。(伝 5:6)詩編​作者​が​述べ​た​とおり,「日​ごと​に……誓約​を​果た」し,エホバ​の「み名​に​永久​に​調べ​を​奏​で」る​こと​が​でき​ます​よう​に。―詩 61:8

^ 7節 ハンナ​は,生ま​れ​て​くる​子ども​を​生涯​ナジル​人​と​し​て​奉仕​さ​せる​こと​を​誓約​し​まし​た。その​子​は​エホバ​へ​の​神聖​な​奉仕​の​ため​に​ささげ​られ,取り分け​られる​の​です。―民 6:2,5,8

^ 13節 長老​たち​は​バプテスマ​希望​者​と​会い,その​人​に​バプテスマ​の​資格​が​ある​か​どう​か​を​十分​に​確認​し​ます。ですから,バプテスマ​が​無効​と​される​の​は​極めて​まれ​な​こと​です。

^ 16節 「自分​を​神​の​愛​の​うち​に​保ち​なさい」の​本​の「離婚​と​別居​に​関する​聖書​の​見方」と​いう​付録​を​参照。