研究記事41

「大患難」の間もエホバに忠実でいましょう

「大患難」の間もエホバに忠実でいましょう

「エホバを愛せ,神に尽くす全ての人たち。エホバは忠実な人を保護する」。詩編 31:23

51番の歌 エホバに固く付く

を学ぶか *

1‐2. (ア)世界の国々は間もなくどんな宣言を出しますか。(イ)どんな点を考える必要がありますか。

「平和だ,安全だ!」 世界の国々はついにこの宣言を出します。待望の世界平和が達成されたと主張します。これで世界のいろいろな問題を解決する見通しが立ったと印象付けようとします。しかし,その宣言に続いて起きる事柄を止める力はありません。聖書の預言にある通り,「人々は……突然滅ぼされることになります。……彼らは決して逃れられません」。(テサ一 5:3

2 次の点を考える必要があります。「大患難」の間にどんなことが起きますか。エホバは私たちがどう行動することを望んでいますか。大患難の間も忠実でいるため,今からどんなことができますか。(マタ 24:21

「大患難」の間にどんなことが起きるか

3. 啓示 17:5,15‐18によると,神はどのようにして「大いなるバビロン」を滅ぼしますか。

3 17:5,15‐18を読む。「大いなるバビロン」は滅ぼされます。すでに述べた通り,世界の国々はこの時に起きる事柄を止めることはできません。「神が,ご自の考を彼らの心に入れて実行させ[る]からです」。どんな考えですか。間違った宗教全てを,キリスト教会を含めて壊滅させるという考えです。その考えを「緋色の野獣」の「10本の角」に入れます。「10本の角」は,「野獣」つまり国際連合を支持する政府全てを表しています。(啓 17:3,11‐13; 18:8)これらの政治勢力が間違った宗教を攻撃する時,大患難が始まります。世界を震撼させる出来事です。

4. (ア)国々はどんな理由付けをして間違った宗教に対する攻撃を正当化するかもしれませんか。(イ)所属する宗教が壊滅するのを見た人々は,どう行動することが考えられますか。

4 国々がどんな理由付けをして「大いなるバビロン」に対する攻撃を正当化するかは分かりません。世界の宗教が平和の達成を妨げているとか,政治にいつも干渉するなどと言うかもしれません。宗教組織はお金や財産をため込み過ぎだと言うことも考えられます。(啓 18:3,7)国々による攻撃で,間違った宗教に所属する全てが滅びるわけではない,と考えるのが妥当でしょう。国々が壊滅させるのは宗教であると思われます。所属する宗教組織が壊滅するのを見た人々は,宗教の指導者たちが無力であることを知り,宗教と距離を置こうとするでしょう。

5. エホバは大患難についてどんなことを約束していますか。なぜですか。

5 聖書は,「大いなるバビロン」が滅びるまでにどれほどの時間がかかるのかを明示してはいません。でも,比較的短期間で滅びることは分かっています。(啓 18:10,21)エホバは患難の「期間を短くし」,「選んだ者たち」と正しい宗教が存続することを約束しています。(マル 13:19,20)では,大患難が始まってから,ハルマゲドンの戦いが始まるまでの間に,私たちがどう行動することをエホバは望んでいますか。

エホバを崇拝し続ける

6. 間違った宗教との関係を断つことに加え,何をする必要がありますか。

6 前の記事で学んだ通り,エホバはご自分を崇拝する人たちが「大いなるバビロン」から離れていることを望んでいます。でも間違った宗教との関係を断つだけでは不十分です。正しい宗教を実践し,エホバを崇拝し続けることを決意しなければなりません。関係する2つの面を考えましょう。

困難な時も兄弟姉妹と集まることを怠らないようにしましょう。(7節を参照。) *

7. (ア)どうすればエホバの道徳基準を固く守れますか。(イ)ヘブライ 10章24,25節にある通り,今,兄弟姉妹と集まることはなぜ大切ですか。

7 第一に,エホバの道を固く守ります。世間の価値観や基準に流されてはなりません。私たちは,性的に不道徳なことは一切行いません。同性婚など,同性愛の関係も不道徳なことと見ています。(マタ 19:4,5。ロマ 1:26,27)第二に,と共にエホバを崇し続けます。王国会館や,必要なら個人の家で,さらには人目に付かない場所で行う必要があっても,エホバを崇拝します。どんな状況になっても,崇拝のために集まる習慣を守りましょう。「定められた日が近づいているのですから,ますますこうしたことを行っていきましょう」。ヘブライ 10:24,25を読む。)

8. 私たちが伝えるメッセージは,今後どのように変わるものと思われますか。

8 大患難の時に,私たちが伝えるメッセージは変わるものと思われます。今は,神の王国についての良い知らせを伝え,人々を弟子とするよう努めています。しかし大患難の時には,ひょうのような厳しい糾弾のメッセージを伝えることになります。(啓 16:21)サタンの世が間もなく滅びる,ということを伝えることになるでしょう。メッセージの具体的な内容と伝える方法は,いずれ知らされます。私たちが100年以上にわたって行ってきた伝道活動と同じ方法で伝えるのか,別の方法で伝えるのかは,まだ分かりません。いずれにしても,エホバが人々を処罰するというメッセージを大胆に伝えることになるでしょう。(エゼ 2:3‐5

9. 私たちが伝えるメッセージを聞いて,国々はどう行動するかもしれませんか。それでも,どんなことを確信できますか。

9 私たちが伝えるメッセージを聞いて,国々は伝道を何としてもやめさせようとするでしょう。今エホバに頼って伝道するのと同じように,その時にもエホバに頼る必要があります。エホバが力を与え,エホバの望むことを十分に行えるようにしてくださることを確信できます。(ミカ 3:8

神の民に対する攻撃に備える

10. ルカ 21章25‐28節にある通り,大患難の間に起きることを見て人々はどう反応しますか。

10 ルカ 21:25‐28を読む。大患難の間,人々は全く安定していると思っていたものがことごとく崩壊するのを見て衝撃を受けます。人類史上最も悲惨なこの時に,命の危険を感じて「苦悩」します。(ゼパ 1:14,15)エホバに仕える人にとっても,生活は一層厳しくなるでしょう。世の人々のようにならないため,苦難を強いられ,必需品にも事欠くかもしれません。

11. (ア)大患難の時にエホバの証人が標的になるのはなぜですか。(イ)大患難を恐れる必要がないのはなぜですか。

11 自分の宗教が滅ぼされるのを見た人々は,ある時点で,エホバの証人が宗教活動を続けているのに気付いて腹を立てます。人々は不快感をあらわにし,ネット上でもエホバの民をたたくでしょう。国々も,国々の支配者サタンも,私たちの宗教だけが存続しているのを見て,私たちを憎みます。地球上から宗教を根絶するという目的がまだ遂げられていないことに気付き,私たちを標的とします。この時点で,国々はマゴグのゴグ *として行動します。一致結束してエホバの民への総攻撃に着手します。(エゼ 38:2,14‐16)この時私たちがどうなるか,詳細が分からないだけに不安を覚えるのも無理はありません。でもはっきり言えるのは,私たちが大患難を恐れる必要はない,という点です。生き残るための指示をエホバが与えてくださいます。(詩 34:19)「真っすぐに立ち,頭を上げ[る]」ことができます。私たちの「救出が近づいているからです」。 *

12. 「忠実で思慮深い奴隷」は,どんな点で私たちを助けてきましたか。

12 「忠実で思慮深い奴隷」は,私たちが大患難の間もエホバに忠実でいることができるよう助けてきました。(マタ 24:45)さまざまな方法で助けてきましたが,2016年から2018年の地区大会はとりわけタイムリーなものでした。エホバの日が近い今,何を強めておく必要があるかを教えられたからです。私たちが身に付けるべきものについて振り返ってみましょう。

忠節,忍耐,勇気を強める

今から「大患難」を生き残るための備えをしましょう。(13‐16節を参照。) *

13. どうすればエホバとの関係を強めることができますか。今その点で努力する必要があるのはなぜですか。

13 : 2016年の地区大会のテーマは「エホバへの忠節を保ちましょう!」でした。エホバとの緊密な関係を持っているならエホバに忠節であり続けることができる,ということを学びました。心から祈り,聖書を勤勉に学ぶならエホバと親しくなれる,ということも教えられました。そのようにして力を得るなら,非常に厳しい試練を乗り越えることができます。サタンの体制の終わりが近い今,神に揺るぎない愛を示し,神の王国を揺るぎなく支持することは難しくなっていきます。人々にあざけられることもあります。(ペテ二 3:3,4)世の事柄に中立である時は特にそうでしょう。今エホバへの揺るぎない愛を強めることはどうしても必要です。そうすれば大患難の間もエホバから離れずに済みます。

14. (ア)大患難の間に,エホバの民全体を教え導いてきた兄弟たちに関してどんな変化がありますか。(イ)大患難の時にエホバに揺るぎない愛を示す必要があるのはなぜですか。

14 大患難の間に,エホバの民全体を教え導いてきた兄弟たちの交代があります。天に行くよう選ばれ,まだ地上に残っている人たちが,ある時点で天に集められるからです。ハルマゲドンの戦いに加わるためです。(マタ 24:31。啓 2:26,27)ですから,統治体は地上に存在しなくなります。それでも大群衆は引き続き組織されます。ほかの羊の資格ある兄弟たちが教え導くことになるからです。その時,それらの兄弟たちの指示に従うことにより,エホバへの揺るぎない愛を示せます。大患難を生き残るかどうかは,指示に従うかどうかにかかっています。

15. 忍耐する力は何によって強められますか。今,強めておくことが大切なのはなぜですか。

15 : 2017年の地区大会のテーマは「あきらめてはいけない!」でした。試練を忍耐する力が強められました。忍耐できるかどうかは状況に依存していないということを学びました。忍耐する力はエホバに頼ることによって強められます。(ロマ 12:12)「わりまで耐え忍んだ人が救われます」というイエスの約束を覚えておきましょう。(マタ 24:13)どんな困難にぶつかっても忠実でいなければならないのです。今,試練を一つ一つ忍耐するなら,大患難が始まる時には今より強くなっています。

16. どうすれば勇気を持てますか。

16 : 2018年の地区大会のテーマは「勇気を出しなさい!」でした。勇気を出せるかどうかは個人の能力に依存していないということを学びました。忍耐と同様,本当の勇気もエホバに頼ることによって持てます。どうすればエホバにもっと頼ることができますか。聖書を毎日読み,エホバがご自分の民をどのように救出したかを思い巡らすことによってです。(詩 68:20。ペテ二 2:9)大患難の間に国々から攻撃される時,それまで以上に勇気を示し,エホバを信頼する必要があります。(詩 112:7,8。ヘブ 13:6)今エホバに頼るなら,ゴグに攻撃される時にも勇気を持てます。 *

救出を待ち望む

イエスは間もなく天の軍勢を率いてハルマゲドンの戦いに打って出,神の敵たちを滅ぼす。(17節を参照。)

17. ハルマゲドンを恐れる必要がないのはなぜですか。(表紙の絵を参照。)

17 前の記事で触れられていた通り,私たちのほとんどは生まれた時から「終わりの時代」に生きています。そして,大患難を生きて通過したいと思っています。ハルマゲドンの戦いで,体制の終結の期間は幕を閉じます。でも,ハルマゲドンを恐れる必要はありません。神の戦いだからです。(格 1:33。エゼ 38:18‐20。ゼカ 14:3)エホバが合図を出すと,イエス・キリストが天の軍勢を率いて戦いに打って出ます。神に選ばれて天に復活した人たちと無数の天使を率い,サタン,邪悪な天使たち,人間の軍隊と戦います。(ダニ 12:1。啓 6:2; 17:14

18. (ア)エホバはどんなことを保証していますか。(イ)啓示 7章9,13‐17節を読むと,私たちが救われるという確信が強まります。なぜそう言えますか。

18 エホバは,「あなたを攻撃するために作られるどんな武器も役に立た[ない]」と保証しています。(イザ 54:17)エホバを崇拝する「大群衆」は「大患難から出て」きます。生きて出てきて,神への神聖な奉仕を続けます。 7:9,13‐17を読む。)聖書を読むと,将来私たちが救われるという確信が強まります。「エホバは忠実な人を保護」します。(詩 31:23)エホバを愛し賛美する人は,エホバがご自分の聖なる名を立証するのを見て非常に喜びます。(エゼ 38:23

19. 私たちはどんな素晴らしい機会を待ち望んでいますか。

19 サタンの影響がなくなる新しい世界の人々をテモテ第二 3章2‐5節に倣って描写するとしたら,どんな表現になるでしょうか。(「 その時の人々」という囲みを参照。)統治体のメンバーとして奉仕したジョージ・ギャンギャス兄弟 *は,こう語ったことがあります。「全ての人が兄弟姉妹になる世界を思い描くことができますか。私たちは間もなく,新しい体制で生活します。エホバのようにずっと生き続けます。永遠に生きるのです」。本当に素晴らしいことです。

32番の歌 堅く立って,動かされるな!

^ 5節 間もなく人類に「大患難」が臨みます。その時,どんなことが起きますか。エホバは私たちがどう行動することを望んでいますか。大患難の間も忠実でいるため,今から何を強めておく必要がありますか。

^ 11節 の説: マゴグのゴグ(またはゴグ)は,エホバを崇拝する人たちを大患難の間に攻撃する諸国家の連合体を指しています。

^ 11節 ハルマゲドンの戦いに先立つ動きについては,「神の王国は支配している!」の本の21章を参照。マゴグのゴグによる攻撃や,ハルマゲドンの時にエホバがご自分の民をどのように守るかについては,「ものみの塔」2015年7月15日号14‐19ページを参照。

^ 16節 2019年の地区大会のテーマは「愛は決して絶えない!」です。エホバが愛情深く守ってくださるのでどんな状況でも安心できる,ということを学びます。(コリ一 13:8

^ 19節 「ものみの塔」1994年12月1日号の「その行ないは彼について行く」という記事を参照。

^ 64節 や挿: 大患難の間に,少人数のエホバの証人が勇気を示し,森の中で集会を開いている。

^ 66節 や挿: エホバを崇拝する大群衆が生きて大患難から出てきて,喜びに浸っている。