研究記事46

「信仰の大盾」を手入れしていますか

「信仰の大盾」を手入れしていますか

「信仰の大盾を持ってください」。エフェソス 6:16

54番の歌 信仰を持ちなさい

を学ぶか *

1‐2. (ア)エフェソス 6章16節によれば,「信仰の大盾はなぜ必要ですか。(イ)どんな質問を考えますか。

あなたは「信仰の大盾」を持っていますか。エフェソス 6:16を読む。)持っているに違いありません。大盾はほぼ全身を守ってくれます。信仰も,今の腐敗した体制の不道徳や暴力など,神の基準に反する事柄に負けないよう私たちを守ってくれます。

2 それでも,「終わりの時代」に生きている私たちは,絶えず信仰の試みを受けます。(テモ二 3:1)信仰という盾を点検し,信仰を強く保つために何ができますか。どうすれば信仰の大盾をしっかり持つことができますか。こうした質問を考えてみましょう。

盾を注意深く点検する

戦いの後に兵士たちは盾を修理した。(3節を参照。)

3. 聖書時代の兵士は,盾をどのように手入れしましたか。

3 聖書時代の兵士が使っていた盾には大抵,革が張られていました。兵士は盾に油を塗ることで,革を守り,金属部分がさびないようにしました。盾に不具合が見つかったなら,きちんと修理し,いつでも戦いで使えるようにしました。このことは,私たちの信仰にどう当てはまりますか。

4. 信仰という盾を点検する必要があるのはなぜですか。どのように点検できますか。

4 古代の兵士のように,私たちも信仰という盾を定期的に点検し,手入れしなければなりません。いつでも使えるようにするためです。クリスチャンは戦っており,邪悪な天使も敵に回しています。(エフェ 6:10‐12)信仰という盾を手入れできるのは,自分だけです。試みに遭う時に強い信仰を示せるよう,普段から何ができますか。まず,エホバの助けを求めて祈ってから,聖書を使い,エホバがご覧になるように自分を見つめる必要があります。(ヘブ 4:12)聖書は,「心を尽くしてエホバに頼れ。自分の考えに頼ってはならない」と述べています。(格 3:5,6)では,最近自分が下した決定を振り返ってみてください。お金にとても困るという経験をしましたか。その時,ヘブライ 13章5節のエホバの約束が思い浮かびましたか。「私は決してあなたを離れず,決してあなたを見捨てない」という約束です。この約束を根拠に,エホバが必ず助けてくださると信じることができましたか。そうであれば,信仰という盾は良い状態に保たれています。

5. 自分の信仰を調べると,どんなことが分かる場合もありますか。

5 信仰の状態を注意深く調べると,思いがけない点に気付くこともあります。自分でも意識していなかった弱点が明らかになるかもしれません。過度の思い煩い,うそ,落胆などによって信仰が弱っていることが分かる場合もあるでしょう。もしそうなら,信仰がさらに弱まらないよう,どんなことができますか。

過度の思い煩い,うそ,落胆から身を守る

6. 私たちが気に掛けるべきどんな事柄がありますか。

6 私たちが気に掛けるべき事柄があります。例えば,エホバとイエスに喜ばれるようにと気を使うのは正しいことです。(コリ一 7:32)重大な罪を犯したなら,何としてもエホバとの友情を修復しようと心を砕きます。(詩 38:18)夫や妻が喜ぶことをし,家族や兄弟姉妹のためになることをしようとも気を配ります。(コリ一 7:33。コリ二 11:28

7. 格言 29章25節によると,人を恐れるべきでないのはなぜですか。

7 他方,の思い煩を抱くと,信仰が弱ってしまいます。何を食べ何を着るのかといつも心配しているなら,過度の思い煩いにとらわれていることになります。(マタ 6:31,32)不安を和らげようとして,物を手に入れることを優先するかもしれません。お金を愛してしまうこともあります。そうなると,信仰もエホバとの絆も弱まってしまいます。(マル 4:19。テモ一 6:10)警戒すべき別のタイプの思い煩いもあります。人に気に入られようと気を使い過ぎることです。人にあざけられたり迫害されたりすることを恐れるあまり,エホバを悲しませることを気にしなくなる場合があります。そうならないよう,信仰と勇気を与えてくださいと,エホバに祈らなければなりません。 29:25を読む。ルカ 17:5

(8節を参照。) *

8. うそを聞かされそうになったら,どうすべきですか。

8 「うその根源」であるサタンは,配下の者たちを使って,エホバと兄弟姉妹についてのうそを広めます。(ヨハ 8:44)背教者は,エホバの組織についてのうそや偽情報をネットやテレビなどのメディアを通して広めます。この種のうそは,サタンの「火矢」の1つです。(エフェ 6:16)そのようなうそを話してくる人がいたらどうしますか。話を聞いてはいけません。私たちはエホバに信仰を抱き,兄弟たちを信頼しているからです。どんな形であれ,背教者とのやりとりはしません。どんな理由があっても,興味を引くようなことを言われても,背教者を相手にしません。

9. 落胆すると,信仰はどうなりますか。

9 も信仰を弱めます。何かの問題で気落ちすることは当然あります。自分は問題を抱えないと考えるのは現実的ではありません。とはいえ,問題で頭がいっぱいになってしまわないよう気を付ける必要があります。問題に圧倒されると,エホバが与えてくださる素晴らしい希望がかすんでしまいます。(啓 21:3,4)落胆のあまり力が奪われ,エホバに仕えるのをやめてしまうかもしれません。(格 24:10)そのような事態は防ぐことができます。

10. ある姉妹の手紙から,どんなことを学べますか。

10 米国のある姉妹は,重い病気の夫を介護しながら信仰を持ち続けています。本部の兄弟たちに次のような手紙を送っています。「主人も私もストレスを抱え,気落ちすることもありますが,希望は揺らいでいません。信仰を強め,元気づける情報を本当にありがとうございます。まさに私たちが必要としていたアドバイスや励ましでした。おかげで奉仕を続けることができています。サタンが状況に付け込んで私たちを弱らせようとしても,忍耐できます」。この姉妹の言葉から分かるように,落胆を克服することは可能です。試練の元凶はサタンである,ということを認識しましょう。エホバが与えてくださる教えを大切にしましょう。

「信仰の大盾」を手入れしていますか。(11節を参照。) *

11. 強い信仰を持っているかどうかを確かめるため,どんな自問ができますか。

11 自分の信仰の盾に,手入れの必要な部分がありますか。ここ数カ月,過度の思い煩いを持たないようにしましたか。背教者がうそを広めようとする時,取り合わず,話を聞かないようにしましたか。落胆してもエホバに仕え続けましたか。そうであれば,強い信仰を持っていることになります。それでも警戒を緩めてはなりません。サタンは他の武器を使って私たちを弱らせようとするからです。武器の1つについて考えてみましょう。

物質主義から身を守る

12. 物質主義になると,信仰はどうなりますか。

12 になると,大切なことが後回しになり,信仰の盾がもろくなります。使徒パウロはこう言っています。「兵役に就いている人は,商売に手を出したりはしません。兵士を募った人から良いと認められるためです」。(テモ二 2:4)ローマ兵は副業に就くことを禁じられていました。この制限に従わない兵士はどうなりますか。

13. 兵士が商売に関わらないのはなぜですか。

13 次の場面をイメージしてみてください。ある日の午前,兵士たちは剣を使って戦う訓練に参加しています。でも,1人の兵士の姿が見当たりません。市場で露店を出し,食べ物を売っているのです。晩になり,兵士たちは武具を点検し,剣を研いでいます。しかし,店を出していた兵士は翌日売る食べ物の仕込みをしています。翌朝,敵が奇襲攻撃を仕掛けてきます。しっかり応戦し,司令官に認められるのはどちらの兵士でしょうか。あなたは,どちらの兵士のそばで戦いたいと思いますか。戦う備えができている兵士ですか,商売のことを考えている兵士ですか。

14. キリストの兵士である私たちは,何を大切にしていますか。

14 私たちは優秀な兵士のように,一番大切なことに思いを向けます。司令官であるエホバとイエスに認められることです。そのことには,サタンの支配する世界が提供するどんなものを手に入れるよりも価値があります。時間とエネルギーを,エホバに仕えることに確実に振り分けます。また,信仰の盾やエホバからの他の武具を良い状態に保ちます。

15. パウロはどんな警告を与えましたか。そう警告したのはなぜですか。

15 警戒を緩めてはなりません。パウロは,「裕福になろうとする人たち」は「信仰を失[う]」,または「クリスチャンの信条から迷い出[る]」と警告しています。(テモ一 6:9,10,脚注)「迷い出[る]」と述べられている通り,どうしても必要というわけではない物を手に入れようとして,大切なことを見失う場合があります。そうなると,「多くの無分別で有害な欲望」を抱きかねません。物欲はサタンが私たちの信仰を弱めるために使う武器です。そのことを忘れないようにしましょう。

16. マルコ 10章17‐22節の出来事に照らして,どんなことを考える必要がありますか。

16 お金があり,いろいろな物を買えるとしましょう。どうしても必要なわけではない物を買う,というのは良くないことでしょうか。そうとは限りません。それでも,次のような点を考えてください。物を買うことができても,使って維持するための時間やエネルギーが本当にありますか。買った物に過度の愛着を持つことはありませんか。神にもっと仕えるようにというイエスの勧めに応じることができなかった若い男性のようになってしまわないでしょうか。マルコ 10:17‐22を読む。)シンプルな生活をし,神の望むことを行うために大切な時間や体力を使う方がはるかに優れています。

信仰の盾をしっかり持つ

17. どんなことを忘れてはなりませんか。

17 忘れてはなりません。私たちは戦いの渦中にいます。毎日,戦う準備ができていなければなりません。(啓 12:17)信仰の盾を兄弟姉妹に持ってもらうことはできません。自分でしっかり持ち続ける必要があります。

18. 古代の兵士が盾をなくさないようにしたのはなぜですか。

18 古代の兵士は,勇敢に戦うと栄誉をたたえられました。しかし,盾を持たずに戻ると恥をかきました。ローマの歴史家タキツスは,「盾を捨てるのは極めて不名誉なこととされた」と書いています。そのようなこともあり,兵士は盾をしっかり持ち,なくさないようにしました。

姉妹が信仰の大盾をしっかり持っている。聖なる力の助けを求めながら聖書を読み,集会に定期的に出席し,よく伝道することにより,強い信仰を保っている。(19節を参照。)

19. どうすれば信仰の盾をしっかり持つことができますか。

19 私たちも信仰の盾をしっかり持ちます。集会に定期的に出席し,またエホバの名と王国について人々に話すことによってです。(ヘブ 10:23‐25)聖なる力の助けを求めながら毎日聖書を読み,聖書のアドバイスや指示に従って生活します。(テモ二 3:16,17)そうすれば,サタンが使う武器によって永続的な害を被ることはありません。(イザ 54:17)「信仰の大盾」が私たちを守ってくれます。私たちはしっかり立ち,肩を並べて兄弟姉妹と働きます。毎日,強い信仰を保って戦いに勝ちます。そうすれば,イエスがサタンとサタンの支持者たちとの戦いに勝利する時,イエスの側にいられます。(啓 17:14; 20:10

81番の歌 「わたしたちにさらに信仰をお与えください」

^ 5節 兵士は盾によって自分の身を守りました。信仰は盾のようです。盾と同じく,信仰も手入れが必要です。この記事では,「信仰の大盾」を良い状態に保つために何をすべきかを考えます。

^ 58節 や挿: 背教者が広めるエホバの証人についてのうそが報道される時,家族はすぐにテレビを消す。

^ 60節 や挿: 後に家族の崇拝で,父親は聖書を使い,家族が強い信仰を持てるよう助けている。