研究記事10

わたしがバプテスマを受けることに何の妨げがあるでしょうか

わたしがバプテスマを受けることに何の妨げがあるでしょうか

「フィリポも宦官も水の中に下りて行った。そしてフィリポは彼にバプテスマを施した」。使徒 8:38

7番の歌 クリスチャンの献身

を学ぶか *

1. アダムとエバは何を失いましたか。2人の子孫はどうなりましたか。

何が正しくて何が間違っているかは,だれが決めるべきだと思いますか。アダムとエバは,善悪の知識の木の実を食べることによって,エホバとエホバの規準を信頼していないことをはっきりと示しました。何が正しくて何が間違っているかを自分で決めることを選んだのです。(創 3:22)どんな結果になったでしょうか。エホバとの友情と永遠に生きる機会を失いました。2人の子孫は罪と死を受け継ぐことになりました。(ロマ 5:12)2人の選択は悲惨な結果につながりました。

エチオピアの宦官はイエスに信仰を持った後,直ちにバプテスマを受けたいと思った。(2‐3節を参照。)

2‐3. (ア)エチオピアの宦官はフィリポから良い知らせを聞いた時,どうしましたか。(イ)バプテスマを受けるなら,どんな喜びを得られますか。これからどんな点を考えますか。

2 この2人と対照的だったのは,エチオピアの宦官です。この人はフィリポから良い知らせを聞いた時,エホバとイエスが自分のためにしてくださったことに深く感謝し,すぐにバプテスマを受けました。(使徒 8:34‐38)わたしたちも,その宦官のようにエホバに献身してバプテスマを受けるなら,エホバとイエスがしてくださったことへの感謝をはっきりと示せます。エホバを信頼していることや,エホバこそ何が正しくて何が間違っているかを決める方である,と認めていることも示せます。

3 エホバに仕える道を選ぶなら,どんな喜びを得られるでしょうか。アダムとエバが失ったものすべてを得る見込みがあります。永遠に生きる見込みもあります。イエス・キリストに信仰を抱くなら,エホバはわたしたちの間違いを許し,正しい良心を持てるようにしてくださいます。(マタ 20:28。使徒 10:43)エホバの家族の一員として受け入れていただき,将来,素晴らしい生活を楽しめるようになります。(ヨハ 10:14‐16。ロマ 8:20,21)それにもかかわらず,エホバを知るようになった人の中には,エチオピアの宦官とは異なり,バプテスマを受けることをためらう人がいます。どんなことが妨げになっているのでしょうか。どうすればそれを克服できますか。

どんなことが妨げになるか

バプテスマを受けるうえで妨げになる事柄

自信がない(4‐5節を参照。) *

4‐5. エイブリーがバプテスマを受けることをためらっていたのはなぜですか。ハンナはどんな問題を抱えていましたか。

4 がない。エイブリーの両親はエホバの証人です。父親は家族思いで,有能な長老としてもよく知られています。でも,エイブリーはバプテスマを受けることをためらっていました。なぜでしょうか。「父のような立派な兄弟にはなれないと思っていた」からです。将来,責任を果たせる自信もありませんでした。こう言います。「集会で祈ったり,講演をしたり,野外奉仕のための集まりを司会したり,奉仕の時に兄弟姉妹に指示を与えたりできるか,不安でした」。

5 18歳のハンナは全く自信がありませんでした。エホバに仕える両親に育てられましたが,エホバの規準どおりに生きるなんて無理だと思っていました。自尊心がとても低かったからです。気分が落ち込んで自傷行為をすることもありました。それでまた落ち込みました。こう述べています。「自傷行為のことは,親にもだれにも話しませんでした。こんなことをしているわたしをエホバが受け入れてくださるはずはない,と思いました」。

友達の影響(6節を参照。) *

6. バネッサがバプテスマを受けることをためらっていたのはなぜですか。

6 の影22歳のバネッサには,「10年近く仲良くしている友達がいました」。その友達はエホバの証人ではなく,バネッサがバプテスマを受けることを快く思いませんでした。バネッサはがっかりしました。こう言います。「わたしは友達がすぐにできるほうではなかったので,その子と付き合うのをやめたら,もう友達ができないんじゃないかと思いました」。

失敗するのが怖い(7節を参照。) *

7. マケイラはどんなことを恐れていましたか。なぜですか。

7 するのが怖い。マケイラという女性は,兄が排斥された時,5歳でした。成長するにつれて,親が兄のことでどれほど悲しんでいるかが分かるようになりました。こう述べています。「バプテスマを受けたとしても,間違いをして排斥されたら,親をもっと悲しませるのではないか,と思いました」。

反対されるのが怖い(8節を参照。) *

8. マイルズはどんなことを恐れていましたか。

8 されるのが怖い。マイルズの両親は離婚しました。父親はエホバの証人ですが,母親はそうではありません。マイルズはこう述べています。「母と18年暮らしていましたが,バプテスマを受けたいと言い出せませんでした。父がエホバの証人になった時に母が逆上したのを覚えていたからです。自分も同じ目に遭うのではないかと思いました」。

どのように克服できるか

9. エホバがどれほど辛抱強く愛情深い方であるかを知ると,どんな気持ちになりますか。

9 アダムとエバがエホバに仕えないことにしたのは,エホバへの強い愛を育んでいなかったからです。それでもエホバは,2人がしばらく生き続けて子どもを持ち,自分たちの規準に沿って育てることをお許しになりました。エホバから独立することにしたのがどれほど愚かな決定だったかは,すぐに明らかになりました。長男は罪のない弟を殺しました。やがて世界には暴力や利己心が広く見られるようになりました。(創 4:8; 6:11‐13)しかしエホバは,アダムとエバの子孫を救う手段を講じました。(ヨハ 6:38‐40,57,58)エホバがどれほど辛抱強く愛情深い方であるかを知ると,どんな気持ちになりますか。きっとエホバへの愛が深まることでしょう。アダムとエバのような生き方を避け,エホバに献身したいと思うはずです。

妨げになる事柄をどのように克服できるか。

(9‐10節を参照。) *

10. 詩編 19編7節を思い巡らすことは,エホバに仕えるうえでどのように役立ちますか。

10 エホバについて学び続ける。エホバについて学べば学ぶほど,エホバに喜ばれる奉仕ができるという確信が強まります。先ほどのエイブリーはこう述べています。「 19編7節の約束を読んで思い巡らすことで,自信が持てるようになりました」。(読む。)エイブリーは,エホバがこの約束を果たしてくださることを知り,エホバへの愛が強まりました。エホバへの愛があれば,自信が持てるだけではなく,エホバに思いが向き,エホバの望まれることを行ないたいという願いが強まります。先ほどのハンナはこう言います。「聖書を読んで研究することにより,自分の体を傷つけるならエホバの気持ちを傷つけることにもなる,ということが分かりました」。(ペテ一 5:7)ハンナは正しい考え方を持てるようになり,「み言葉を行なう者」になりました。(ヤコ 1:22)どんな結果になりましたか。「エホバに従うことがどれほど自分のためになるかを実感し,エホバへの愛が強まりました。今では,エホバが必要な助けを必ず与えてくださることを確信しています」。ハンナは自傷行為の衝動を抑えられるようになりました。そして,エホバに献身し,バプテスマを受けました。

(11節を参照。) *

11. バネッサは良い友を作るため,どんなことをしましたか。どんなことを学べますか。

11 を賢く選ぶ。先ほどのバネッサは,友達がエホバに仕える妨げになっていることに気づきました。それで,その友達と付き合うのをやめました。それだけではなく,会衆内で友達を作るため一生懸命に努力しました。聖書のノアと家族の手本が助けになったと述べています。「ノアと家族は,エホバを愛さない人たちに囲まれていましたが,家族で励まし合いました」。バネッサはバプテスマを受け,やがて開拓者になりました。どんな結果になったでしょうか。「自分の会衆だけではなく,他の会衆にも良い友ができました」。あなたもエホバから与えられた務めを一生懸命に果たすなら,良い友を見いだせます。(マタ 24:14

(12‐15節を参照。) *

12. アダムとエバは,エホバに対してどんな気持ちを抱いていませんでしたか。どんな結果になりましたか。

12 エホバへの「恐れ」を抱く。エホバへの「恐れ」つまり畏敬の気持ちを抱いていれば,エホバを悲しませたくないと思うはずです。(詩 111:10)アダムとエバがそのような畏敬の気持ちを抱いていたなら,エホバに反逆することはなかったでしょう。でも2人は反逆してしまいました。その後,2人の目は開け,自分たちが罪人であることをはっきりと自覚するようになりました。2人の子孫は罪と死を受け継ぎました。自分たちの状況を理解したアダムとエバは,裸であることを恥じて,身を覆いました。(創 3:7,21

13‐14. (ア)死に対する病的な恐れを抱く必要がないのはなぜですか。ペテロ第一 3章21節にはどんなことが述べられていますか。(イ)わたしたちにはエホバを愛するどんな理由がありますか。

13 他方,死に対して病的な恐れを抱く必要はありません。エホバはわたしたちに,永遠に生きる機会を与えてくださいました。罪を犯したとしても,誠実に悔い改めるなら,許してくださいます。イエスの贖いの犠牲に基づいて許してくださるのです。わたしたちはその犠牲に信仰を働かせる必要があります。信仰を表わす最も大切な方法は,神に献身してバプテスマを受けることです。ペテロ第 3:21を読む。)

14 エホバを愛する理由はたくさんあります。エホバは,わたしたちが生活を楽しめるよう良いものを与えてくださいます。ご自分とご自分の目的についての真理も教えてくださいます。(ヨハ 8:31,32)クリスチャン会衆を通してわたしたちを導き,支えてくださいます。今,様々な問題に対処できるよう助けるだけではなく,将来,新しい世で永遠に生きるという希望を差し伸べてくださっています。(詩 68:19。啓 21:3,4)エホバがわたしたちを愛し,どれほど多くのことをしてくださったかを思い巡らすと,エホバに引き寄せられ,エホバを愛するようになります。エホバを愛すると,エホバに深い畏敬の気持ちを抱くようになり,エホバを傷つけることはしたくないと思うのです。

15. マケイラが失敗することへの恐れを克服できたのはなぜですか。

15 前述のマケイラは,エホバがどれほど寛大に許してくださるかを理解した時,失敗することへの恐れを克服できました。こう言います。「人はみな不完全で間違いを犯すのだ,ということが分かりました。それだけではなく,エホバがわたしたちを愛し,贖いに基づいて許してくださることも理解できました」。マケイラはエホバへの愛に動かされ,献身してバプテスマを受けました。

(16節を参照。) *

16. マイルズはどんな助けを得て,反対を恐れる気持ちを克服できましたか。

16 先ほどのマイルズは,バプテスマを受けるという決定を母親に伝えると反対されるのではないかと恐れていました。それで,巡回監督に相談しました。こう述べています。「巡回監督も,お父さんはエホバの証人だけど,お母さんはそうではないということでした。兄弟はわたしに,父に言われてバプテスマを受けるのではなく,自分がそうしたいのだということを母にきちんと説明するようアドバイスしてくれました」。マイルズが母親に話したところ,母親は案の定,怒り出しました。結局,マイルズは家を出なければならなくなりましたが,自分の決定を変えませんでした。こう言います。「エホバがわたしにしてくださった良いことについて学び,感動しました。イエスの贖いの犠牲についてじっくり考えた時,エホバがわたしをどれほど深く愛してくださっているかが分かりました。献身してバプテスマを受けたいという気持ちになりました」。

決定を貫く

バプテスマを受けることによって,神がしてくださったことへの感謝を表わせる。(17節を参照。)

17. わたしたちにはどんな機会がありますか。

17 エバは禁じられていた木の実を食べ,父エホバに反逆しました。アダムもエバと行動を共にし,エホバがしてくださった良いことすべてに感謝していないことを示しました。わたしたちには,2人の決定に賛成していないことを示す機会があります。バプテスマを受けることによってです。そうすればエホバに対して,「何が正しく何が間違いかに関する規準を決める権利はあなたにあります」と述べていることになります。父エホバを愛し,信頼していることをはっきり示せるのです。

18. どうすればエホバに喜ばれる生き方ができますか。

18 バプテスマを受けた後は,毎日,自分ではなくエホバの規準に沿って生活する必要があります。今日,何百万もの人たちがそのように生活しています。あなたもその一人になれます。そのためには,聖書をいっそうよく理解できるよう努力し,定期的に集会に出席して兄弟姉妹と励まし合い,愛情深い父エホバについて学んだことを熱心に伝える必要があります。(ヘブ 10:24,25)何かの決定を下す時には,エホバが聖書と組織を通して与えておられるアドバイスに従ってください。(イザ 30:21)そうすれば,あなたの行なうことはすべて成功するでしょう。(箴 16:3,20

19. どんなことをいつも覚えておくべきですか。なぜですか。

19 エホバの導きに従えば必ず良い結果になる,ということをいつも覚えておきましょう。そうすれば,エホバとエホバの規準に対する愛は深まります。サタンからどんな誘惑を受けても,エホバに仕えることをやめたりはしないでしょう。今から1000年後の自分を想像してみてください。「あの時はバプテスマを受けることにして本当に良かった」と思うに違いありません。

106番の歌 エホバの友となる

^ 5節 バプテスマを受けるかどうかは,人生の中で最も大切な決定です。なぜでしょうか。バプテスマを受けることをためらっている人は,どうすればそのような気持ちを克服できますか。

^ 56節 や挿: 自がない: ある少年は自信がなくて集会でなかなかコメントできない。

^ 58節 や挿: 友の影: ある若い姉妹は良くない友達と一緒にいる時,奉仕中の姉妹たちを見て気まずい思いをする。

^ 60節 や挿: 失するのが怖い: ある少女は兄が排斥されて家を出て行くのを見て,自分も失敗するのではないかと不安になる。

^ 62節 や挿: 反されるのが怖い: ある少年は未信者の母親の前で祈ることを恐れている。

^ 65節 や挿: 自がない: 少年が頑張って個人研究をしている。

^ 67節 や挿: 友の影: 若い姉妹が堂々と伝道している。

^ 69節 や挿: 失するのが怖い: 少女が真理を自分のものにし,バプテスマを受けている。

^ 71節 や挿: 反されるのが怖い: 少年が勇気を出して母親に自分の信仰について話している