研究記事11

エホバの声に聴き従いましょう

エホバの声に聴き従いましょう

「これはわたしの子,……この者に聴き従いなさい」。マタイ 17:5

120番の歌 聴いて,従い,神の祝福を受けなさい

を学ぶか *

1‐2. (ア)エホバはどんな方法で,人間にご自分の考えを伝えてこられましたか。(イ)この記事ではどんなことを考えますか。

エホバは,人間にご自分の考えを伝えたいと思っておられます。そのために,昔は預言者や天使やご自分の子であるキリスト・イエスを用いられました。(アモ 3:7。ガラ 3:19。啓 1:1)今日では,ご自分の言葉である聖書を用いておられます。わたしたちに聖書を与え,ご自分の考え方や物事の行ない方を学び,理解できるようにしてくださいました。

2 イエスが地上にいた時,エホバは天から3回,話されました。それぞれの時にどんなことを言われたでしょうか。その言葉から何を学べますか。その言葉に聴き従うことは,どのようにわたしたちのためになるでしょうか。

「あなたはわたしの子,わたしの愛する者である」

3. マルコ 1章9‐11節によると,エホバはイエスがバプテスマを受けた時,何と言われましたか。その言葉からどんなことが分かりますか。

3 マルコ 1章9‐11節には,エホバが天から話された最初の事例が記されています。(読む。)こう言われました。「あなたはわたしの子,わたしの愛する者である。わたしはあなたを是認した」。イエスはその言葉を聞いて感動したに違いありません。父エホバが愛し,信じてくれていることが伝わってきたからです。エホバの言葉から,イエスについて3つの大切なことが分かります。(1)イエスが神の子であること,(2)イエスがエホバに愛されていること,(3)イエスがエホバに是認されていることです。この3つの点について詳しく考えましょう。

4. イエスがバプテスマを受けた時,エホバとの関係にどんな変化が生じましたか。

4 「あなたはわたしの子」。エホバはこう述べることによって,ご自分とイエスとの関係に変化が生じたことを明らかにされました。イエスは地上に来る前から神の子でした。しかしバプテスマを受けた時,新たな意味で神の子になりました。聖霊で油そそがれることにより,天に戻って神の王国の王また大祭司になる,という見込みが与えられたのです。(ルカ 1:31‐33。ヘブ 1:8,9; 2:17)エホバはそのような意味をこめて,イエスのバプテスマの時に「あなたはわたしの子」と言われました。(ルカ 3:22

褒められたり励まされたりすると,もっと頑張ろうという気持ちになる。(5節を参照。) *

5. イエスを愛し認めていることを言い表わしたエホバに,どのように倣えますか。

5 「あなたは……わたしの愛する者である」。イエスを愛し認めていることを言い表わしたエホバに倣って,わたしたちも事あるごとに他の人を励ますことができます。(ヨハ 5:20)大切な人から愛を示されたり,自分のしたことについて褒められたりすると,うれしくなるものです。会衆の兄弟姉妹や家族も,わたしたちの愛や励ましを必要としています。褒められると信仰が強まり,これからもエホバに忠実に奉仕しようという気持ちになります。特に,子どもは親の励ましを必要としています。親に心からの褒め言葉をかけられ,愛情を示されると,もっと頑張ろうと思うでしょう。

6. イエス・キリストを信頼できるのはなぜですか。

6 「わたしはあなたを是した」。この言葉から分かるように,エホバはご自分の意志をイエスが忠実に果たすと信じておられました。エホバがそこまで信じておられるのですから,わたしたちも,イエスがエホバの約束すべてを忠実に果たすと信じることができます。(コリ二 1:20)イエスの歩みについて思い巡らすと,イエスから学び,その手本に倣おうという決意が強まります。エホバはさらに,ご自分に仕える人々がグループとして,イエスに従い続けることも信じておられます。(ペテ一 2:21

「この者に聴き従いなさい」

7. マタイ 17章1‐5節によると,エホバはどんな時に天から話されましたか。何と言われましたか。

7 マタイ 17:1‐5を読む。エホバが天から2度目に話されたのは,イエスが「変ぼう」した時です。イエスは,ペテロとヤコブとヨハネを連れて高い山に登りました。3人はそこで驚くような幻を見ます。イエスの顔と衣服が明るく輝いたのです。モーセとエリヤを表わす2人の人物が,イエスが経験することになっていた死と復活について語り始めます。3人の使徒は「眠気に押しひしがれて」いましたが,すっかり目が覚めた時に,この驚くべき幻を見ます。(ルカ 9:29‐32)その後,彼らは明るい雲に覆われ,雲の中から神の声がするのを聞きます。イエスのバプテスマの時と同様,エホバは次のように述べて,イエスを愛し是認していることを伝えます。「これはわたしの子,わたしの愛する者である。わたしはこの者を是認した」。しかし今回は,「この者に聴き従いなさい」とも言われます。

8. 変ぼうの幻は,イエスや弟子たちにどんな影響を与えましたか。

8 この幻は,イエスが将来,神の王国の王として栄光と権限を与えられることを予告するものでした。イエスは非常に励まされ,力づけられたに違いありません。苦しみに耐え,死に至るまで忠実を保つことができました。弟子たちも信仰を強められ,その後の忠誠の試みに耐え,何年も一生懸命に奉仕することができました。30年ほど後,使徒ペテロは変ぼうの幻について述べました。脳裏に鮮明に焼きついていたのでしょう。(ペテ二 1:16‐18

9. イエスは弟子たちに,どんなアドバイスを与えましたか。

9 「この者に聴き従いなさい」。エホバは,わたしたちがイエスの言葉に聴き従うことを望んでおられます。イエスは地上にいた時,大切なことをたくさん教えました。例えば弟子たちに対して,良い知らせを伝える方法を親切に教え,ずっと見張っているよう何度も諭しました。(マタ 24:42; 28:19,20)精力的に励むよう促し,決してあきらめないよう励ましました。(ルカ 13:24)互いを愛し,一致を保ち,イエスのおきてを守るよう強く勧めました。(ヨハ 15:10,12,13)弟子たちにとって本当に助けになるアドバイスでした。このアドバイスは今日でも役立ちます。

10‐11. イエスに聴き従う人はどのように行動しますか。

10 イエスは,「真理の側にいる者はみなわたしの声を聴きます」と言いました。(ヨハ 18:37)イエスに聴き従う人は,「引き続き互いに忍び,互いに惜しみなく許し合い」ます。(コロ 3:13。ルカ 17:3,4)また,「順調な時期にも難しい時期にも」良い知らせを熱心に伝えます。(テモ二 4:2

11 イエスは,「わたしの羊はわたしの声を聴[く]」とも述べました。(ヨハ 10:27)イエスに聴き従う弟子たちは,イエスの言葉に耳を傾けるだけではなく,その言葉に従って行動します。「生活上の思い煩い」に気を散らされることがありません。(ルカ 21:34)難しい状況のもとでも,イエスの命令に従うことを第一にします。兄弟たちの多くは,反対者からの攻撃,極度の貧困,自然災害などの厳しい試練を経験していますが,どんな犠牲を払おうとも,エホバに忠実に仕え続けています。イエスはそのような人たちにこう保証しています。「わたしのおきてを持ってそれを守り行なう人,その人はわたしを愛する人です。さらに,わたしを愛する人はわたしの父に愛されます」。(ヨハ 14:21

宣教を行なうなら気を散らされずに済む。(12節を参照。) *

12. イエスに聴き従う人はどんなこともしますか。

12 イエスに聴き従う人は,指導の任に当たっている人たちに協力します。(ヘブ 13:7,17)神の組織は最近,多くの調整を行なってきました。宣教のためのツールや方法を新しくし,週日の集会の進め方を調整し,王国会館の建設,改装,メンテナンスの方法を変更しました。わたしたちは,そのような親切で考え抜かれた指導に深く感謝しています。組織のタイムリーな指示に従うよう努力するなら,エホバは必ず祝福してくださいます。

13. イエスに聴き従うことは,どのように自分のためになりますか。

13 イエスに聴き従うことは,わたしたちのためになります。イエスは弟子たちに,わたしの教えに従うならさわやかになる,と約束し,こう述べました。「あなた方は自分の魂にとってさわやかなものを見いだすでしょう。わたしのくびきは心地よく,わたしの荷は軽いのです」。(マタ 11:28‐30)聖書には,イエスの生涯と宣教に関する記録を収めた4福音書が含まれています。聖書を読むと,さわやかになり,信仰が強まり,賢くなれます。(詩 19:7; 23:3)イエスはこう言いました。「神の言葉を聞いてそれを守っている人たちこそ幸いです!」(ルカ 11:28

「わたしは……その栄光を示す」

14‐15. (ア)ヨハネ 12章27,28節にあるとおり,エホバが天から3回目に話されたのはどんな時でしたか。(イ)イエスはエホバの言葉によって慰められ,力づけられたに違いありません。なぜそう言えますか。

14 ヨハネ 12:27,28を読む。ヨハネの福音書には,エホバが天から話された3回目の事例が記されています。イエスは死の数日前,最後の過ぎ越しを祝うため,エルサレムにいました。イエスは「わたしの魂は騒ぎます」と述べ,「父よ,み名の栄光をお示しください」と祈りました。それに対し,エホバは天からこう言われました。「わたしはすでにその栄光を示し,さらにまたその栄光を示す」。

15 イエスの心は騒いでいました。死に至るまでエホバに忠実を保つという大きな責任があったからです。イエスは,自分がひどく痛めつけられ,苦しみながら死ぬことを知っていました。(マタイ 26:38)何よりも父エホバのお名前に栄光を帰したいと願っていました。冒とくの罪で訴えられていたので,自分の死が神に非難をもたらすことを心配していました。ですから,エホバの言葉を聞いた時,本当に安心したことでしょう。エホバのお名前が栄光を受けることを確信できたからです。とても慰められ,その後の苦しみに耐える力を得たに違いありません。その時,エホバの声だということを理解したのは,イエスだけだったかもしれません。しかし,エホバはわたしたちのためにその言葉を聖書に記させました。(ヨハ 12:29,30

エホバはご自分の名前を栄光あるものとし,ご自分に仕える人たちを救出される。(16節を参照。) *

16. どんな時,神のお名前が非難されるのではないかと心配になりますか。

16 イエスのように,わたしたちもエホバのお名前が非難されるのではないかと心配になるかもしれません。不当な扱いを受けているかもしれません。また,反対者たちが広めているうそによって,エホバのお名前やエホバの組織が非難されるのではないかと心配になることもあるでしょう。そのような時には,エホバがイエスに語った言葉を思い出すと安心できます。過度に心配する必要はありません。「一切の考えに勝る神の平和が,[わたしたち]の心と知力を,キリスト・イエスによって守ってくださる」からです。(フィリ 4:6,7)エホバは必ずご自分の名前を栄光あるものとされます。エホバに仕える人たちがサタンと世からどんな被害を受けるとしても,エホバは王国によって,失われたものをすべて回復してくださるのです。(詩 94:22,23。イザ 65:17

エホバの声に聴き従うことは,わたしたちのためになる

17. イザヤ 30章21節にはどんなことが述べられていますか。エホバは今日,どんな方法でわたしたちに話しかけてくださっていますか。

17 エホバは今日でもわたしたちに話しかけてくださっています。イザヤ 30:21を読む。)といっても,天から話されるわけではありません。ご自分の言葉が記された聖書を通して教えてくださいます。また,聖霊によって「忠実な家令」を導き,「食糧」を与えてくださっています。(ルカ 12:42)わたしたちは,印刷物,ウェブサイト上の記事,ビデオ,オーディオなどの形で,信仰を強める食物をあふれるほどいただいています。

18. エホバの言葉を聴くなら,信仰と勇気が強まります。なぜそう言えますか。

18 地上にいたイエスにエホバが話された言葉を忘れないようにしましょう。聖書に記されている神の言葉を学ぶなら,エホバは全能の力をお持ちであること,わたしたちがサタンと邪悪な世からどんな被害を受けるとしても,失われたものをすべて回復してくださることを確信できます。エホバの声を一心に聴く決意をしましょう。そうすれば,今どんな問題にぶつかっても,また将来どんな難しい状況に置かれても,エホバに仕え続けることができます。聖書はこう述べています。「あなた方には忍耐が必要なのです。それは,神のご意志を行なった後,約束の成就にあずかるためです」。(ヘブ 10:36

22番の歌 「エホバはわたしの牧者」

^ 5節 イエスが地上にいた時,エホバは天から3回,話されました。そのうちの1回ではイエスの弟子たちに,「この者に聴き従いなさい」と言われました。今日エホバは,イエスの教えが収められている聖書と,ご自分の組織を通してわたしたちに話しかけておられます。この記事では,エホバとイエスに聴き従うことが,どのようにわたしたちのためになるかを考えます。

^ 52節 や挿: ある長老が,王国会館の掃除や文書の仕事をしている奉仕の僕に目を留め,温かく褒めている。

^ 54節 や挿: シエラレオネの夫婦が漁師を集会に招待している。

^ 56節 や挿: エホバの証人の活動が制限されている国で,兄弟姉妹が個人の家に集まって集会をしている。人目につかないようにするため,普段着を着ている。