研究記事11
バプテスマを受ける用意ができていますか
「バプテスマ……により,今皆さんは……救われています」。ペテロ第一 3:21
106番の歌 エホバの友となる
何を学ぶか *
1. 家を建て始める前にすべきことは何ですか。
家を建てようとする人がいます。どんな家にするつもりかは決まっています。では,すぐに資材を買いに行って建て始めますか。そのようなことはしません。最初に行うべき大切なことは,総工費を割り出すことです。そうしておかなければ,資金が足りるかどうかを判断できません。前もって費用を計算しておけば,家を完成させることができるでしょう。
2. ルカ 14章27‐30節によれば,バプテスマを受ける前にどんなことを考えておく必要がありますか。
2 エホバを愛し,エホバに感謝しているのでバプテスマを受けたいと思っていますか。そのような人は,家を建てようとする人と似た状況にあります。なぜそういえますか。ルカ 14章27‐30節のイエスの言葉を確かめましょう。(読む。)イエスの弟子になることに何が関係するかが説明されています。イエスの弟子になるには,それに伴う「費用」を払う心構えができている必要があります。困難や犠牲を受け入れる,ということです。(ルカ 9:23‐26; 12:51‐53)バプテスマを受ける前に,バプテスマ後に生じ得る事柄をよく考えておく必要があります。そうすれば,バプテスマを受けた後もエホバに仕え続けることができるでしょう。
3. この記事ではどんなことを考えますか。
3 バプテスマを受けてイエスの弟子になることには,犠牲を払うだけの価値があるでしょうか。もちろんあります。今も将来も,素晴らしい経験をたくさんすることになります。これからバプテスマに関連した幾つかの大切な質問を考えてみましょう。バプテスマを受ける用意ができているかどうかを見極めることができるでしょう。
献身とバプテスマの意味
4. (ア)献身とは何ですか。(イ)マタイ 16章24節にある通り,「自分を捨て[る]」とはどういうことですか。
4 献身とは何ですか。バプテスマを受ける人は,献身していなければなりません。献身とは,エホバに真剣に祈り,「これからはずっとあなたに仕えるために生きていきます」と伝えることです。エホバに献身する人は,「自分を捨て」ます。(マタイ 16:24を読む。)献身した人はエホバのものになります。それは光栄なことです。(ロマ 14:8)「これからはあなたに仕えることを優先します。自分の好きなように生きることはしません」と言ったからです。献身は誓約,つまり神への厳粛な誓いです。エホバは,そのような誓約をすることを私たちに強制しませんが,私たちが誓約したなら果たすことを求めています。(詩 116:12,14)
5. 献身とバプテスマにはどんな違いがありますか。
5 献身とバプテスマにはどんな違いがありますか。献身は,献身する人自身がエホバに気持ちを伝えることです。バプテスマは人前で献身の気持ちを表すことであり,大抵は大会で受けます。バプテスマにより,自分がエホバに献身したことを人々に示すことになります。 * 心,知力,力,自分の全てを尽くしてエホバ神を愛していることと,エホバに永遠に仕える決意を示すのです。(マル 12:30)
6‐7. ペテロ第一 3章18‐22節には,バプテスマを受けることが必要であるといえる,どんな2つの理由が挙げられていますか。
6 バプテスマを受けることは必要ですか。ペテロ第一 3章18‐22節の言葉を考えてみましょう。(読む。)ノアが造った箱船は,エホバに信仰を抱いていることの表れでした。バプテスマも,エホバに献身していることをはっきり示すものです。バプテスマを受けることは必要でしょうか。必要です。ペテロは理由を挙げています。第一に,バプテスマによって「救われています」。イエスに信仰を抱き,その信仰を表すためのステップを踏んでいるなら,バプテスマによって救われます。イエスへの信仰には,イエスが私たちのために死んだこと,天に復活したこと,今は「神の右にい[る]」ことを信じることが含まれています。
7 第二に,バプテスマを受けることにより「健全な良心」を抱けます。エホバに献身しバプテスマを受けた時,エホバとの特別な絆が結ばれました。私たちが罪を心から悔い改め,贖いに信仰を抱いたので,エホバは罪を許してくださいました。そのため,晴れ晴れとした気持ちでいられます。
8. 何がバプテスマを受ける主な理由であるべきですか。
8 バプテスマは何に基づいて受けるものですか。聖書をしっかり学んで,エホバがどんな方で,どのように物事を行うかがよく分かりました。学んだ事柄に感動し,エホバを深く愛するようになりました。バプテスマは何よりも,エホバを愛しているので受けるものです。
9. マタイ 28章19,20節にある通り,「父と子と聖なる力の名によって」バプテスマが施されるとはどういうことですか。
9 バプテスマはまた,学んだ聖書の教えに基づいて受けるものです。イエスは,人々を弟子とするよう命じた時に何と言いましたか。(マタイ 28:19,20を読む。)バプテスマは「父と子と聖なる力の名によって」施される,と言いました。どういうことでしょうか。エホバ,子であるイエス,聖なる力についての聖書の教えを心から信じていなければならない,という意味です。父と子と聖なる力についての教えは大きな力を持ち,心の奥に入っていきます。(ヘブ 4:12)学んだ教えを少し振り返りましょう。
10‐11. あなたは,父に関するどんな教えを学んで信じるようになりましたか。
10 父である神に関する次の教えを学んだ時,どんな気持ちになりましたか。神は「エホバという名」を持ち,「地球全体を治める至高者」です。エホバだけが「真の神」です。(詩 83:18。イザ 37:16)私たち人間を造った方であり,「救うのはエホバ」です。(詩 3:8; 36:9)私たちを罪と死から救い,永遠に生きる機会を与えてくださいました。(ヨハ 17:3)私たちは,献身しバプテスマを受けるならエホバの証人になれます。(イザ 43:10‐12)エホバの証人は世界規模の家族のようです。エホバの名で呼ばれることを栄誉に思ってエホバを崇拝し,エホバの名を知らせる人々で構成されています。あなたもその家族に加われます。(詩 86:12)
11 父に関する聖書の教えを理解できるのは素晴らしいことです。こうした貴重な教えを信じるようになると,エホバに献身しバプテスマを受けることを願うようになります。
12‐13. あなたは,子に関するどんな教えを学び,信じるようになりましたか。
12 子に関する次の教えを学んだ時,どんな気持ちになりましたか。イエスは宇宙でエホバに次ぐ地位にいます。自分の命を贖いとして私たちに快く与えました。贖いに信仰を持っていることを行動で示すなら,罪が許され,エホバとの友情を築き,永遠の命を得ることができます。(ヨハ 3:16)イエスは私たちの大祭司です。私たちが贖いの恩恵を受け,エホバと親しくなることを願っています。(ヘブ 4:15; 7:24,25)イエスは神の王国の王です。エホバはイエスを通して自分の名を神聖なものとし,悪を終わらせ,私たちが楽園でいつまでも生きられるようにしてくださいます。(マタ 6:9,10。啓 11:15)イエスは私たちの手本です。(ペテ一 2:21)エホバの望むことをひたすら行ったからです。(ヨハ 4:34)
13 あなたは,イエスに関する聖書の教えを信じ,イエスを愛するようになりました。イエスを愛するので,イエスのように,エホバの望むことを行うために生きようとします。エホバに献身しバプテスマを受けたいと思うのです。
14‐15. あなたは,聖なる力に関するどんな教えを学び,信じるようになりましたか。
14 聖なる力に関する次の教えを学んだ時,どんな気持ちになりましたか。聖なる力は,人や神のような存在ではなく,神が送り出す力です。エホバは聖なる力によって人を導き,聖書を書かせました。聖なる力は,聖書に書かれている事柄を理解し,実行するための力ともなります。(ヨハ 14:26。ペテ二 1:21)エホバは聖なる力を送り出すことにより,「普通を超えた力」を与えてくださいます。(コリ二 4:7)良い知らせを伝え,誘惑と闘い,失意に負けず,試練を乗り越えるための力ともなります。神や人に喜ばれる性質も,「聖なる力が生み出すもの」です。(ガラ 5:22)エホバはご自分に頼り,誠実に求める人に聖なる力を惜しみなく与えます。(ルカ 11:13)
15 エホバの崇拝者たちは,聖なる力に頼って神に仕えることができます。そのことを知ると安心し力づけられます。聖なる力について学んだ教えを信じるようになると,神に献身しバプテスマを受けたいと思うようになります。
16. ここまででどんなことを学びましたか。
16 神に献身しバプテスマを受ける決意をすることは,重要なステップです。イエスの弟子になることに伴う「費用」を払う心構え,つまり困難や犠牲を受け入れる覚悟が必要です。とはいえ,払う犠牲をはるかに上回る祝福が得られます。バプテスマを受けることによって救われ,健全な良心を抱けます。バプテスマを受ける主な理由は,エホバへの愛です。また,父と子と聖なる力に関する教えを心から信じている必要があります。これまで考えてきた点を振り返り,あなたは「バプテスマを受ける用意ができていますか」という質問に何と答えますか。
バプテスマを受ける前にすべきこと
17. バプテスマの前にどんなステップを踏む必要がありますか。
17 バプテスマを受ける用意ができていると感じているなら,エホバと親しくなるためのステップを踏んできたことでしょう。 * まず聖書を定期的に学んで,エホバとイエスをよく知るようになりました。信仰を持つようにもなりました。(ヘブ 11:6)聖書に記されているエホバの約束を心から信じ,イエスの犠牲によって罪と死から救われることも信じています。これまでしてきた良くないことを心から悔いて反省し,エホバに許しを求めました。生き方を変える,つまり良くない行いを改め,エホバに喜ばれる生き方をするようになりました。(使徒 3:19)信じていることをほかの人にもぜひ話したいと思っています。バプテスマを受けていない伝道者になり,兄弟姉妹と共に伝道するようになりました。(マタ 24:14)このようなステップを踏んだあなたのことをエホバはとても喜んでいます。(格 27:11)
18. バプテスマを受けるまでに,ほかにどんなことをする必要がありますか。
18 バプテスマを受ける前に行うべきことはまだあります。すでに学んだ通り,エホバに献身する必要があります。1人で心からの祈りを捧げ,「これからはあなたの望むことを行うために生きていきます」と約束するのです。(ペテ一 4:2)その上で,バプテスマを受けたいことを長老団の調整者に知らせてください。調整者は,あなたが幾人かの長老と会合できるようにします。その会合のことを不安に思う必要はありません。長老たちはすでにあなたのことを知っていて,深く気に掛けています。あなたが学んできた聖書の基本的な教えを振り返ります。聖書の教えを理解し,献身とバプテスマの大切さを理解していることを確かめるためです。長老たちは,あなたに用意ができていると考えるなら,次の大会でバプテスマを受けられることを知らせます。
バプテスマを受けた後にすべきこと
19‐20. バプテスマの後には何をする必要がありますか。
19 バプテスマを受けたら何をする必要がありますか。 * 献身は誓約であり,エホバは私たちが誓約を果たすことを求めています。バプテスマの後には,献身の誓いを守る必要があります。どのように守れますか。
20 会衆と共にエホバに仕えてください。バプテスマを受けた今,あなたは「信仰で結ばれた兄弟たち」に加わりました。(ペテ一 2:17)会衆の兄弟姉妹は家族のようです。集会に定期的に出席するなら,絆を強めることができます。聖書を毎日読み,思い巡らしてください。(詩 1:1,2)聖書を読んだ後,読んだ事柄についてじっくり考えましょう。そうすれば,聖書の言葉が心に入ってきます。「絶えず祈り」ましょう。(マタ 26:41)心から祈るならエホバに引き寄せられます。「王国……をいつも第一にし[て]」ください。(マタ 6:33)生活の中で伝道を優先することによってそうできます。伝道を定期的に行うなら,強い信仰を持ち続けるとともに,永遠に生きる希望を持てるよう他の人を助けることができます。(テモ一 4:16)
21. バプテスマを受けるならどうなりますか。
21 エホバに献身しバプテスマを受けるというのは,私たちが行う最も重要な決定です。その決定に困難や犠牲が伴う場合もあります。では,それだけの価値がありますか。あります。今の世界で経験する困難は,「つかの間で軽いもの」です。(コリ二 4:17)バプテスマを受けるなら今充実した生き方ができ,今後「真の命」を得ることができます。(テモ一 6:19)ですから,祈りつつよく考えて,「バプテスマを受ける用意ができていますか」という質問の答えを出してください。
58番の歌 わたしの献身の祈り
^ 5節 バプテスマを考えていますか。この記事は,そのような皆さんのために用意されました。バプテスマに関連した幾つかの重要な質問を取り上げます。バプテスマを受ける用意ができているかどうかを見極めるのに役立つでしょう。
^ 5節 「 バプテスマの時に尋ねられる2つの質問」という囲みを参照。
^ 19節 「聖書は実際に何を教えていますか」の本と「自分を神の愛のうちに保ちなさい」の本での聖書レッスンを終えていない場合,この2冊の本を最後まで学んでください。
「ものみの塔」(研究用)