研究記事13

熱烈に愛し合いましょう

熱烈に愛し合いましょう

「心から熱烈に愛し合ってください」。ペテロ第一 1:22

73番の歌 心から熱烈に愛しなさい

を学ぶか *

イエスは亡くなる前の晩,使徒たちに愛の大切さを教えた。(1‐2節を参照。)

1. イエスは弟子たちに何と命じましたか。(表紙の絵を参照。)

イエスは亡くなる前の晩,弟子たちにこう命じました。「私があなたたちを愛した通りに,あなたたちも互いを愛しなさい。あなたたちの間に愛があれば,全ての人は,あなたたちが私の弟子であることを知ります」。(ヨハ 13:34,35

2. 私たちが愛し合うことが大切なのはなぜですか。

2 イエスは,本当のクリスチャンはイエスと同じような愛を示して初めて見分けられる,と言いました。このことは1世紀だけでなく,現在でも当てはまります。難しく思えるときにも愛し合うことは本当に大切です。

3. この記事ではどんなことを学びますか。

3 私たちは皆不完全なので,熱烈に愛し合うのが難しいことがあります。それでもイエスに倣う努力を続ける必要があります。この記事では,兄弟姉妹を愛しているなら,仲直りし,不公平にならないようにし,もてなすよう心掛けるということを考えます。記事を学びながら,「難しいときにも愛を示し続けた兄弟姉妹から何を学べるだろう」と考えてください。

仲直りする

4. マタイ 5章23,24節によれば,私たちに反感を抱く仲間と仲直りすることはなぜ大切ですか。

4 イエスは,私たちに反感を抱く仲間と仲直りすることは大切であると教えています。マタイ 5:23,24を読む。)エホバに喜ばれるには,兄弟姉妹と良い関係を保つことが大切であると言いました。仲直りするためにできる限りのことをするなら,エホバは喜んでくださいます。兄弟姉妹をいつまでも恨み,仲直りすることを拒むなら,エホバは私たちの崇拝を受け入れてくださいません。(ヨハ一 4:20

5. マークは仲直りしようとした時に,どんな経験をしましたか。

5 仲直りするのが難しい場合もあります。マーク *という兄弟の例を挙げましょう。マークは,ある兄弟からきついことを言われました。その兄弟は,マークについての悪口を会衆の仲間に言い触らしました。マークはどう反応しましたか。「我慢できず,かっとなってしまいました」と語っています。後にマークは反省し,仲直りするために謝りに行きました。しかし,兄弟は取り合ってくれませんでした。マークは初め,「相手にそのつもりがないのなら,なぜだけが努力しないといけないのか」と思っていました。しかし,巡回監督から,諦めずに努力を続けるよう勧められました。マークはどうしましたか。

6. (ア)マークは仲直りしようとどんな努力をしましたか。(イ)マークはコロサイ 3章13,14節の勧めをどのように実行しましたか。

6 マークは自分の考え方を振り返り,謙遜さが足りず,上から目線の態度を取っていたことに気付きました。態度を改める必要があることを認めました。(コロ 3:8,9,12)謙遜になって兄弟に近づき,良くない態度を取ったことを再び謝りました。反省しもう一度やり直したいと思っている,ということを伝える手紙も渡しました。兄弟が気に入りそうなちょっとしたプレゼントを用意することまでしました。しかし残念ながら,相手の兄弟はマークのことを恨んだままでした。それでもマークは,兄弟を愛して許すようにというイエスの命令通りにしました。コロサイ 3:13,14を読む。)仲直りしようと努力し,相手が応じなくても,クリスチャンとして本当の愛を抱いているなら,引き続き兄弟を許します。また,良い結果になることを願う祈りをエホバに捧げます。(マタ 18:21,22。ガラ 6:9

わだかまりを解くにはいろいろな方法を試さなければならない場合がある。(7‐8節を参照。) *

7. (ア)イエスは何と教えましたか。(イ)ある姉妹はどんな難しい経験をしましたか。

7 イエスは,「人からしてほしいと思う通りに,人にもしなさい」と教えました。お返しをしてくれる人だけを愛するようであってはならない,とも言いました。(ルカ 6:31‐33)まれなケースとはいえ,会衆の誰かがあなたを避けてあいさつしようとしない,という経験をしたら,どうしますか。そういう経験をしたララは,こう話しています。「ある姉妹に無視されました。思い当たることは何もありませんでした。ストレスになり,集会に行きたくありませんでした」。初めのうちララは,「自分のせいではない。ほかの兄弟姉妹も『あの姉妹は変わっている』と言っている」と考えていました。

8. ララは仲直りしようとどんな努力をしましたか。この経験からどんなことを学べますか。

8 ララは仲直りしようと努力しました。エホバに祈って,姉妹と話すことにしました。話ができ,ハグし合い,仲直りしました。解決したかに見えましたが,こう言っています。「後になって姉妹はまた同じ態度を取るようになりました。とてもがっかりしました」。最初ララは,相手の姉妹が態度を改めない限り気持ちは晴れないと考えていました。でも,やがて考え直し,その姉妹に愛を示し続けて「寛大に許[す]」のが最善だと思うようになりました。(エフェ 4:32–5:2)クリスチャンが示す本当の愛はどういうものか考えました。「傷つけられても根に持ちません。愛は全てのことに耐え,全てのことを信じ,全てのことを希望し,全てのことを忍耐します」とあります。(コリ一 13:5,7)ララは再び穏やかな気持ちになりました。そのうち相手の姉妹もララに対する接し方を改めました。兄弟姉妹と仲良くし,愛を示し続けるなら,「愛と平和の神が共にいてくださいます」。(コリ二 13:11

公平である

9. 使徒 10章34,35節によれば,公平であることはなぜ大切ですか。

9 エホバは不公平ではありません。使 10:34,35を読む。)公平であるならエホバの子供として行動していることになります。「隣人を自分自身のように愛さなければならない」というおきてを守っていることになり,共にエホバに仕える人たちとの平和な関係を保てます。(ヤコ 2:8,9。ロマ 12:9,10

10‐11. ある姉妹はネガティブな感情をどのように克服しましたか。

10 公平であることは簡単でない場合もあります。ルツという姉妹の経験を考えましょう。姉妹は十代の時,別の国から来た人に嫌な思いをさせられました。どんな影響を受けましたか。ルツはこう言っています。「その国のことが全部嫌いになりました。その国の人は,兄弟姉妹を含めみんな一緒だ,と思っていました」。ルツはネガティブな感情をどのように乗り越えましたか。

11 ネガティブな感情と闘わなければならないことに気付き,その国のことを取り上げた「年鑑」の経験や報告を読みました。ルツはこう言っています。「その国の人について前向きな見方をするよう努力しました。兄弟姉妹がエホバに対して熱い思いを抱いていることも分かりました。その国の仲間も世界各地の仲間と同様,兄弟なのです」。そのうちルツは,もっと努力が必要であることに気付きました。こう言っています。「その国の出身である兄弟や姉妹に会う時には,親しくなれるよう努力しました。話をして,相手のことがよく分かるようになりました」。このような努力により,「やがてネガティブな感情は消えました」。

「信仰で結ばれた兄弟たち全員」を熱烈に愛しているなら,不公平な態度を取らない。(12‐13節を参照。) *

12. サラという姉妹は,どんなところを改める必要がありましたか。

12 気付かずに不公平な態度を取ってしまうこともあります。サラという姉妹は,兄弟姉妹の人種,経済状態,組織の中での立場に注目していないし,公平な見方をしている,と考えていました。でも,「実際は公平に見ていないことに気付きました」と言っています。どういうことでしょうか。サラは高学歴の家庭で育ち,同じような背景の人と好んで交友を持っていました。「学歴の高い兄弟姉妹と一緒にいると安心。そうでない人と一緒にはいたくない」と話したこともあります。サラには確かに改めるべきところがありました。どのように正したのでしょうか。

13. 兄弟姉妹に対する見方を改めたサラの例からどんなことを学べますか。

13 巡回監督は,サラが自分の見方を分析できるよう助けました。「兄弟は私が奉仕を続け,集会でコメントし,聖書をよく知っていることを褒めてくださいました。知識を増やすとともに,謙遜さ,慎み,憐れみといったクリスチャンの資質を伸ばす必要があるということも気付かせてくださいました」。サラは巡回監督の言葉を真剣に受け止めました。「本当に大切なのは親切にし,愛を示すことであると気付かされました」と言っています。サラは兄弟姉妹に対する見方を改めることができました。「兄弟姉妹のどんなところをエホバが大切に見ているか,考えるようにしました」と言っています。私たちはどうでしょうか。受けた教育のために自分はほかの兄弟や姉妹よりも上だ,と考えることがないようにしましょう。「信仰で結ばれた兄弟たち全員」を熱烈に愛しているなら,不公平な態度を取りません。(ペテ一 2:17

もてなす

14. ヘブライ 13章16節によれば,人をもてなすなら,エホバはどのように感じますか。

14 人をもてなすなら,エホバはとても喜んでくださいます。ヘブライ 13:16を読む。)とりわけ困っている人を助けることをエホバへの崇拝に含まれる事柄と見ています。(ヤコ 1:27; 2:14‐17)「人をもてなすことに努めましょう」と聖書が勧めているのはそのためです。(ロマ 12:13)もてなしは,相手に対する好意や愛情や友情の表れです。お茶や食事に招いたり,時間を過ごしたりする時,エホバは喜んでくださいます。(ペテ一 4:8‐10)しかし,仲間をもてなす上で妨げとなるものもあります。

以前はあまり人をもてなしていなかった姉妹が,考え方を変えて愛を示し,喜びを味わっている。(16節を参照。) *

15‐16. (ア)どんなことのために,もてなすことをためらう場合がありますか。(イ)もてなすことをためらっていたエディトは,どうしましたか。

15 いろいろな理由でもてなすことをためらってしまう場合があります。エディトというやもめの姉妹の例を考えましょう。エディトはエホバの証人になる前は,1人でいるのが好きなタイプでした。ほかの兄弟姉妹の方が仲間を上手にもてなせる,と考えていました。

16 エホバの証人になってからエディトは考え方を変えました。仲間をもてなすことにしたのです。こう言っています。「王国会館を建てることになった時,長老から,工事に加わる夫婦を2週間泊めてもらえないかと言われました。エホバがザレパテのやもめを祝福したという記述を思い出しました」。(王一 17:12‐16)エディトは夫婦を家に泊めることにしました。祝福はありましたか。「2週間の予定が2カ月になり,親しい友情を築くことができました」と言っています。会衆の中で親しい友を得ることもできました。今では開拓奉仕をし,伝道の時に一緒に働く人たちを家に誘い,休憩できるようにしています。「与えると気持ちが爽やかになります。たくさんの祝福を受けているのは私の方です」。(ヘブ 13:1,2

17. ルークと妻はどんなことに気付きましたか。

17 すでに人をもてなしているとしても,さらにできることがあるでしょうか。ルークは妻と共に人をよくもてなしていました。親や親族,親しい友達,巡回監督夫妻を家に招いていました。「でも,仲の良い人しか招いていないことに気付きました」と言っています。2人はさらに何をすることにしましたか。

18. ルークは妻と共にさらにどんなことをしましたか。

18 ルークはイエスの言葉を妻と共に考えて,見方を改めました。「愛してくれる人を愛したからといって,どんな報いがあるでしょうか」という言葉です。(マタ 5:45‐47)誰に対しても惜しみなく与えるエホバに倣う必要があると考えました。それで,まだ招いたことのない兄弟姉妹を誘うことにしました。「とても楽しいひとときになっています。みんなが互いに励まされています」と言っています。

19. どうすればイエスの弟子であることを示せますか。あなたはどうしたいと思っていますか。

19 この記事で学んだ通り,私たちは熱烈に愛し合うなら,仲直りし,不公平にならないようにし,兄弟姉妹をもてなします。ネガティブな感情を乗り越え,心から熱烈に兄弟姉妹を愛します。そうすれば,幸せな気持ちになり,イエスの弟子であることをはっきり示せます。(ヨハ 13:17,35

69番の歌 あなたの道をわたしに知らせてください

^ 5節 イエスは,本当のクリスチャンは愛によって見分けられる,と言いました。私たちは兄弟姉妹を愛しているので,仲直りし,不公平にならないようにし,もてなします。このことには努力が要る場合があります。心から熱烈に愛し合うために何ができるかを学びます。

^ 5節 この記事に出てくる一部の名前は変えてあります。

^ 57節 や挿: 姉妹は仲直りしようとしたが,うまくいかなかった。それでも諦めなかった。愛を示し続けたため良い関係を取り戻せた。

^ 59節 や挿: 年配の兄弟が疎外感を抱いている。

^ 61節 や挿: 最初はもてなすことをためらっていた姉妹が考え方を変えてもてなすようにし,幸せな気持ちになった。