1. エホバが創造を始めたのはなぜですか。

エホバ以外，誰も存在しない時がありました。だからといって孤独だったわけではありません。何にも不足していませんでした。でも，他の者にも生きる喜びを味わってほしいと思いました。愛に動かされ，創造を始めました。（詩 36:9。ヨハ一 4:19）

2. イエスと天使たちは，エホバが創造を行うのを見てどのように感じましたか。

² エホバはまず，共に働く子を創造しました。その子イエスを通して，膨大な数の天使を含む「他の全てのもの」を創造しました。（コロ 1:16）イエスは，父エホバと共に働くことを喜びました。（格 8:30）神の子である天使たちも喜ぶことができました。エホバと優れた働き手であるイエスが天と地を創造した時，その様子を間近で見ることができました。天使たちはどうしたでしょうか。地球が造られた時，「称賛の叫び声を上げ始め」ました。エホバがさまざまなものを造られるたび，そしてついに人間を造った時にも，称賛の叫び声が上がったことでしょう。（ヨブ 38:7。格 8:31）創造物全てには，エホバの愛と知恵が表れています。（詩 104:24。ロマ 1:20）

3. コリント第一 15章21，22節にある通り，イエスの贖いの犠牲によって何が可能になりましたか。

³ エホバは，ご自分が造った美しい地球で人間が永遠に生きることを意図していました。しかし，アダムとエバが愛情深い父エホバに反逆したため，人間は罪を受け継いで死ぬようになりました。（ロマ 5:12）エホバはどうしましたか。どのようにして人間を救うかを直ちに明らかにしました。（創 3:15）アダムとエバの子孫を罪と死から解放するための贖いを支払うことにしたのです。子孫一人一人がエホバに仕えることを選び，永遠に生きられるようにしました。（ヨハ 3:16。ロマ 6:23。コリント第一 15:21，22を読む。）

4. この記事ではどんな点を考えますか。

⁴ エホバが約束している復活に関連してさまざまな疑問が生じます。復活はどのように行われますか。生き返ってきた愛する人の姿を見分けることができますか。復活によってどんな喜びを経験できますか。復活がエホバの愛，知恵，辛抱の表れであるといえるのはなぜですか。これらの点を考えましょう。

5. 復活が秩序正しく段階的に行われると考えられるのはなぜですか。

⁵ エホバはイエスを通して数え切れないほどの人たちを復活させます。しかし，その人たちが皆一度に生き返ることはないものと思われます。なぜでしょうか。地球の人口が一気に増えると混乱が生じるからです。エホバが物事を無秩序に行って混乱を生じさせることはありません。人々が平和に生きるには秩序が保たれる必要があることを知っているからです。（コリ一 14:33）エホバの知恵と辛抱は，イエスと共に働いて地球を段階的に整え，その後人間を造ったことに表れています。イエスも1000年の統治期間中，知恵と辛抱を表します。ハルマゲドンを生き残る人たちと共に働いて地球を整えていき，復活してくる人たちを迎えられるようにするでしょう。

6. 使徒 24章15節によれば，どんな人も復活してきますか。

⁶ ハルマゲドンを生き残った人が，復活してきた人に対して行う世話の中で最も大切なのは，神の王国や神が求めている事柄について教えることです。生き返る人たちの大多数は，聖書の言う「正しくない人」だからです。（使徒 24:15を読む。）キリストの贖いの恩恵を受けるために多くの変化を遂げなければなりません。エホバについて知らない非常に多くの人々に，神についての真理を教えることを考えてみてください。今行われている聖書レッスンと同じような形で人々を個別に教えることになるのでしょうか。復活した人たちは会衆に属して訓練を受け，自分たちより後に復活してくる人たちを教えることになるのでしょうか。その時になってみないと分かりません。でも，キリストの1000年の統治の終わりに「エホバについての知識が必ず地上に満ちる」ことは分かっています。（イザ 11:9）1000年は充実した忙しい時となるでしょう。

7. エホバに仕える人は，復活してくる人を教える時，気持ちをいたわれます。なぜですか。

⁷ キリストの1000年の統治の間に，エホバに仕える人は皆，エホバに喜ばれるために変化していかなければなりません。ですから，復活してくる人が罪深い傾向と闘い，エホバの基準に従って生きられるよう助ける時，その人たちの気持ちを心からいたわれます。（ペテ一 3:8）復活してくる人たちは，エホバに謙遜に仕える人たちに引き寄せられることでしょう。すでに仕えている人たちも「救われるために懸命に努力して」いるからです。（フィリ 2:12）

8. 復活してきた家族を見分けることができると考えられるのはなぜですか。

⁸ 復活してきた家族を見分けることができると考えてよい理由があります。例えば，過去に起きた復活から考えると，エホバは人を再び造る際，亡くなる前と同じ外見を持ち，同じ話し方や考え方をする人を造るものと思われます。イエスは死を眠りに，復活を眠っている人を起こすことに例えました。（マタ 9:18，24。ヨハ 11:11‐13）寝ていた人が起きると，外見も声の調子も寝る前と同じで，寝る前のことも覚えています。ラザロのことを考えてみましょう。死んで4日たち，体は腐敗し始めていました。でもイエスがラザロを復活させた時，ラザロの姉妹たちはラザロをすぐに見分け，ラザロも姉妹たちのことを覚えていました。（ヨハ 11:38‐44; 12:1，2）

9. 復活する人が人格面でも身体面でも完全な状態で復活してくるわけではない，といえるのはなぜですか。

⁹ エホバはイエスが統治する時，「私は病気だ」と言う人はいないと約束しています。（イザ 33:24。ロマ 6:7）ですから，復活する人には健康な体が与えられます。とはいえ，その人たちが直ちに完全になるわけではありません。そうだとしたら，家族や友人は，復活してきた人が誰だか分からないでしょう。全ての人は，キリストの1000年の統治の間に徐々に完全になるものと思われます。キリストが王国をエホバに返すのは1000年の終わりのことです。その時，王国はエホバの望むことを全て成し遂げており，人間は皆完全になっています。（コリ一 15:24‐28。啓 20:1‐3）

10. 復活が起きる時，あなたはどう感じると思いますか。

¹⁰ 愛する家族と再会する時のことを想像してみてください。声を上げて喜ぶでしょうか。うれし涙がこぼれてくるでしょうか。エホバを賛美する歌を思い切り歌いますか。復活という素晴らしい贈り物を与えてくださった優しい父エホバと，自分を差し出してくださったイエスに対して深い愛を感じるに違いありません。

11. ヨハネ 5章28，29節のイエスの言葉によれば，エホバの基準に従う人たちはどんなことを経験しますか。

¹¹ 復活してくる人が味わう喜びも想像してみてください。古い人格を脱ぎ捨て，エホバの基準に従うにつれて，その人はどれほどの喜びを感じるでしょうか。このような変化を遂げる人たちの復活は命の復活となります。一方，神に反逆する人たちが楽園の平和を損なうことは許されません。（イザ 65:20。ヨハネ 5:28，29を読む。）

12. 地球上の全ての人はどのようにエホバからの祝福を受けますか。

¹² 神の王国が治める時，神に仕える人全ては格言 10章22節の通りのことを経験します。「エホバの祝福が人を富ませる。それに痛みは伴わない」とあります。エホバの聖なる力の助けによって，神に仕える人はますますキリストに似るようになり，完全になっていきます。（ヨハ 13:15‐17。エフェ 4:23，24）日を追うごとに体力面でも人格面でも向上していきます。生きる喜びを存分に味わえます。（ヨブ 33:25）では，復活について思い巡らすことが今大切なのはなぜでしょうか。

13. 詩編 139編1‐4節にある通り，エホバはどんな方ですか。そのことと復活にはどんな関係がありますか。

¹³ すでに取り上げた通り，エホバは人を復活させる時，以前の記憶や性格を復元させます。これには何が関係していますか。エホバはあなたを深く愛しているので，その時々のあなたの考え，感情，発言，行動などを全て把握しています。ですから，あなたを復活させることが必要になったら，あなたの記憶，態度，性格を容易に復元することができます。ダビデ王は，エホバが私たち一人一人に深い関心を払っていることを意識していました。（詩編 139:1‐4を読む。）エホバは私たちのことをそこまで深く知っています。そのことを考えると，どんな気持ちになりますか。

14. エホバが私たちのことをどれほどよく知っているかを思い巡らすと，どんな気持ちになりますか。

¹⁴ エホバが私たちのことをどれほどよく知っているかを思い巡らすなら，安心できます。エホバが私たちのことを深く気に掛けていることが分かるからです。エホバは，特有の性質を持つ個々の人を大切に思っています。毎日，あなたの生活の中でどんなことが起き，あなた自身にどんな影響があるかも知っています。うれしいことではないでしょうか。誰にも分かってもらえない，と感じる必要はありません。エホバは今この時も私たちのそばにいて，助けようとしてくださっているのです。（代二 16:9）

15. 復活がエホバの知恵の表れといえるのはなぜですか。

¹⁵ 死に対する恐怖心は，正しいことをする妨げになります。サタンの影響を受けている人たちは，この恐れを利用して，仲間を裏切らせたり信念を曲げさせたりしようとします。しかし，このような手は私たちには通用しません。敵に命を奪われてもエホバが復活させてくださることを知っているからです。（啓 2:10）私たちがエホバを愛するのを妨げるものは何もありません。（ロマ 8:35‐39）復活の希望には，エホバの何と深い知恵が表れているのでしょう。復活の希望があるので，私たちはサタンの極めて強力な攻撃から守られ，どんな時でも勇気を示せるのです。

16. どんな自問ができますか。それによってどんなことが確かめられますか。

¹⁶ エホバに敵対する人から死の脅しを受けたとき，復活を約束しているエホバを信頼しますか。エホバを本当に信頼しているかどうかは，どうすれば確かめられますか。まずこう自問してみましょう。「毎日の小さな事柄でもエホバを信頼して決定しているだろうか」。（ルカ 16:10）さらにこう自問できます。「自分の生き方には，王国を第一にしていれば必要な物は与えられるというエホバの約束への信頼が表れているだろうか」。（マタ 6:31‐33）もしどちらの答えも「はい」であるなら，エホバを信頼していることになります。今後どんな試練が起きるとしても，立ち向かえるでしょう。（格 3:5，6）

17. （ア）復活がエホバの辛抱の表れといえるのはなぜですか。（イ）エホバの辛抱に対する感謝をどのように表せますか。

¹⁷ エホバは今の体制を終わらせる日と時刻をすでに決めています。（マタ 24:36）エホバは，辛抱できずに決めた時よりも早く行動することはありません。死んだ人を復活させたいと強く願っていますが，辛抱しています。（ヨブ 14:14，15）エホバは人々を復活させるのに適切な時を待っています。（ヨハ 5:28）私たちはエホバが辛抱していることに感謝できます。エホバが辛抱しているので，私たちを含む大勢の人が「悔い改める」時間を持つことができました。（ペテ二 3:9）エホバは，一人でも多くの人に永遠の命を得る機会を与えたいと思っています。ですから，私たちもエホバの辛抱に倣いましょう。「永遠の命を得るための正しい態度を持つ人」を真剣に探し，エホバを愛し，エホバに仕えるよう助けましょう。（使徒 13:48）そうすれば，そのような人も私たちと同じように，エホバの辛抱から恩恵を受けられます。

18. 他の人に対して辛抱強くあるべきなのはなぜですか。

¹⁸ エホバは私たちが完全になるのを，1000年の終わりまで辛抱強く待ってくださいます。その時まで，私たちの罪を快く許してくださいます。ですから，私たちも他の人の良いところを見て，エホバと同じように辛抱しましょう。ある姉妹の例を考えましょう。姉妹の夫は重い不安障害を抱え，集会に行けなくなってしまいました。姉妹はこう言っています。「私にとってとてもつらい時期でした。家族で思い描いていたことができなくなってしまいました」。でも，姉妹は辛抱強く夫を支え続けました。エホバに頼って，決して諦めませんでした。エホバに倣って，問題に注目するのではなく，夫の良いところに目を留めました。「うちの主人には良いところがたくさんあります。一歩一歩，回復に向けて努力しています」と言っています。問題を克服しようと真剣に努力している家族や兄弟姉妹に辛抱強くあるのは，本当に大切なことです。

19. どんなことを決意したいですか。

¹⁹ イエスと天使たちは地球が造られた時，喜びにあふれました。エホバを愛し，エホバに仕える完全な人たちで地球が満たされる時，なおのこと大きな喜びを抱くに違いありません。キリストと共に天で治めるために買い取られた人たちは，人間が自分たちの働きの恩恵を受けるのを見ることになります。彼らがどれほど喜ぶかも想像してください。（啓 4:4，9‐11; 5:9，10）病気と悲しみと死が永遠になくなり，喜びの涙が悲しみの涙に取って代わる時のことも想像してください。（啓 21:4）その時が来るまで，愛と知恵と辛抱を示してくださる父エホバに倣うことを決意しましょう。そうすれば，どんな試練に遭うとしても喜びを持ち続けることができるでしょう。（ヤコ 1:2‐4）人を「復活させ[る]」とエホバが約束していることに，本当に感謝できるのではないでしょうか。（使徒 24:15）