研究記事10

バプテスマを目指して進歩するよう,会衆全体で助ける

バプテスマを目指して進歩するよう,会衆全体で助ける

「[体の]各部が正しく機能するとき,体は成長していき……ます」。エフェソス 4:16

118番の歌 互いを迎え入れなさい

を学ぶか *

1‐2. 聖書を学んでいる人がバプテスマを目指して進歩する上で,誰が助けになれますか。

「聖書を学ぶのは大好きでしたし,これは真理だと思っていました。でも,変化してバプテスマまで進歩できたのは,兄弟姉妹と親しくなれたからです」。これはフィジーに住むエイミー姉妹の言葉です。この言葉から大切な点が分かります。聖書を学んでいる人がバプテスマを目指して進歩していくには,会衆の兄弟姉妹からの助けが重要だということです。

2 会衆の人は皆,学んでいる人たちがエホバの証人になるよう助けることができます。(エフェ 4:16)バヌアツに住む開拓者のレイラニ姉妹はこう言います。「『子供は村全体で育てる』という言葉がありますが,この言葉は人を弟子とすることにも当てはまると思います。聖書の真理に従って生きるよう,会衆全体で助けるということです」。子供が成長して大人になる上で,家族,友達,学校の先生には,果たすべき役割があります。子供を励ましたり,大切なことを教えたりします。同じように,聖書を学んでいる人たちがバプテスマを目指して進歩するよう助ける上で,会衆の兄弟姉妹にはできることがあります。アドバイスや励ましを与えたり,良い手本を示したりすることです。(格 15:22

3. アナ姉妹,ドリン兄弟,レイラニ姉妹のコメントから,何を学べますか。

3 聖書を教えている人が会衆の仲間からの助けを進んで受け入れる必要があるのは,なぜでしょうか。モルドバで特別開拓奉仕をしているアナ姉妹は,こう言っています。「聖書を学んでいる人は,進歩し始めると,いろいろな助けを必要とします。教えている人がその全てを自分でするのは無理です」。やはりモルドバで特別開拓奉仕をしているドリン兄弟は,こう言います。「学んでいる人が,私には思い付かないような言葉を仲間から掛けてもらい,それが心に響くということがよくあります」。レイラニ姉妹もこう述べています。「学んでいる人は,私たちの愛や気遣いを感じると,私たちがエホバに仕えていることを理解できるようになります」。(ヨハ 13:35

4. この記事ではどんな点を考えますか。

4 それでも,自分が直接教えているわけではない人をどのように助けることができるだろうか,と思うかもしれません。この記事では次の点を考えます。研究に参加するよう誘われた場合,どんなことができますか。聖書を学んでいる人が集会に出席するようになったら,何ができますか。長老たちは,バプテスマを目指して進歩するよう学んでいる人を助けるために,何ができますか。

研究に参加する場合

研究に参加する場合は,扱われる資料を予習しておく。(5‐7節を参照。)

5. 研究に参加する人にはどんな役割がありますか。

5 研究の時,学んでいる人が聖書を理解できるよう助ける主な責任は,教えている人にあります。研究に参加するよう誘われたなら,自分はサポート役であるということを忘れないようにしましょう。(伝 4:9,10)では,どうすればその役割を上手に果たせるでしょうか。具体的な方法を考えてみましょう。

6. 研究に参加する場合,格言 20章18節の原則をどのように当てはめられますか。

6 する。学んでいる人についていくらか知るようにしましょう。 20:18を読む。)教えている人にこう尋ねることができます。「どんな感じの方ですか。次の研究ではどんな点を扱う予定ですか。今回の目標は何ですか。研究の時に言ってほしいことや言ってほしくないことがありますか。進歩を助けるために,私にできることがありますか」。もちろんプライベートなことは教えてもらえないでしょう。それでも,教えてもらえたことはきっと役に立つはずです。宣教者のジョイ姉妹は,研究に参加してくれる人たちにこうしたことを話すようにしています。こう言います。「そうすれば,参加してくれる人は学んでいる人にいっそう関心を持ってくれますし,どんなサポートができるかを考えてくれます」。

7. 研究に参加する場合,予習しておくのが大切なのはなぜですか。

7 研究に参加するよう誘われたなら,扱われる資料を予習しておくとよいでしょう。(エズ 7:10)先ほどのドリン兄弟はこう言っています。「参加する人が予習してくれていると,とてもうれしくなります。助けになるコメントをしてくれるからです」。また,教える人と参加する人の両方がよく準備しているなら,学んでいる人にとって良い手本となるでしょう。しっかり予習することができないとしても,いくらか時間を取って,少なくとも要点を押さえておくようにしましょう。

8. 研究の時に祈るよう頼まれたなら,何ができますか。

8 研究の時に捧げられる祈りは,とても大切です。祈るよう頼まれたなら,どんなことを祈るかを前もって考えておきましょう。そうすれば,学んでいる人の心を動かすことができます。(詩 141:2)日本に住む英恵姉妹は,自分の研究に参加してくれた姉妹の祈りを今でも覚えています。こう言います。「その姉妹とエホバとの絆を感じて,うらやましく感じました。名前を挙げて私のことも祈ってくださる時に深い愛を感じました」。

9. ヤコブ 1章19節からすると,教える人を上手にサポートするために何ができますか。

9 える人をサポートする。ナイジェリアで特別開拓奉仕をしているオマムヨビ姉妹は,こう言っています。「研究中よく聞いてくれていると,とても助かります。そういう人は,ためになるコメントをしてくれますが,話し過ぎることはありません。主な責任は教える人にあるということが分かっているからです」。サポートするために,いつ,どんなことを言ったらよいか,どうすれば分かるでしょうか。(格 25:11)研究中の会話を注意深く聞きましょう。ヤコブ 1:19を読む。)そうすれば,良いタイミングを見極めることができます。何を話すかについても,注意が必要です。話し過ぎたり,教えている人の説明を遮ったり,違う話題を持ち出したりしないようにしましょう。短いコメントや例えや質問によって,要点を理解するよう助けることができます。助けになることを何も言えないと思うこともあるかもしれません。それでも,学んでいる人を褒めて気遣うなら,進歩するよう助けることができるでしょう。

10. 参加する人が自分の経験を話すことは,どんな面で学んでいる人の助けになるかもしれませんか。

10 の経を話す。学んでいる人の助けになるようなら,真理を知ったいきさつや,問題を乗り越えた経験,エホバの助けを感じた出来事などを短く話すことができます。(詩 78:4,7)それが,学んでいる人にとってぴったりの話だったということがあります。信仰を強め,バプテスマを目指して進歩していくよう励みを与えるものとなるかもしれません。あるいは,直面している試練に立ち向かう助けとなるかもしれません。(ペテ一 5:9)ブラジルに住む開拓者のガブリエル兄弟は,聖書を教えてもらっていた頃のことについて,こう言っています。「兄弟たちの経験を聞いて,私たちがどんな問題と闘っているかをエホバは分かってくれているんだ,と感じました。兄弟たちが乗り越えられたのであれば,きっと自分にもできる,と思いました」。

学んでいる人が集会に来た時

学んでいる人がまた集会に来たいと思えるよう助ける上で,会衆のみんなにできることがある。(11節を参照。)

11‐12. 学んでいる人が集会に来た時,温かく歓迎するのが大切なのはなぜですか。

11 学んでいる人がバプテスマを目指して進歩するには,集会に毎週出席して励みを得る必要があります。(ヘブ 10:24,25)集会に来るよう最初に誘うのは恐らく教えている人ですが,学んでいる人が集会に来たなら,私たちみんなにできることがあります。これからも集会に来たいと思えるように助けることです。では,具体的にどんなことができるでしょうか。

12 かく歓する。ロマ 15:7)学んでいる人は,歓迎されていると感じるなら,また集会に行きたいと思うようになるでしょう。それで,気まずい思いをさせないようにしながら,温かくあいさつし,ほかの人にも紹介しましょう。進んで話し掛けるようにしてください。教えている人はまだ来ていなかったり,会衆の務めを行っていたりするかもしれないからです。よく話を聞き,関心を示しましょう。このように温かく歓迎するのが大切なのはなぜでしょうか。ドミトリー兄弟の経験を考えてみましょう。兄弟は数年前にバプテスマを受け,今は援助奉仕者として奉仕しています。初めて集会に出席した時のことについて,こう言っています。「私が王国会館の外で緊張して待っていると,1人の兄弟が中に案内してくれました。いろんな人があいさつに来てくれたので,とても驚きました。すごくうれしかったので,毎日が集会だったらいいのにと思いました。そんなふうに感じたことはそれまでありませんでした」。

13. 学んでいる人は,私たちの行動を見てどう思うかもしれませんか。

13 になる。学んでいる人は,私たちの行動を見て,自分が学んでいることは真理だと確信するかもしれません。(マタ 5:16)モルドバで開拓奉仕をしているビタリー兄弟は,こう言っています。「会衆の兄弟姉妹の生き方や考え方や行動の仕方を知って,エホバの証人は本当に神に従っているんだと思いました」。

14. 私たちが手本になることは,学んでいる人が進歩する上でどのように役立ちますか。

14 学んでいる人は,バプテスマまで進歩するために,学んだことを当てはめる必要があります。それは必ずしも簡単ではありません。でも学んでいる人は,聖書の原則を当てはめることが私たちのためになっているのを見て,自分も同じようにしてみようと思うかもしれません。(コリ一 11:1)先ほどの英恵姉妹はこう言います。「皆さんがいつも自然に行っておられることが手本となりました。人を励ます言葉を掛けること,何かあっても受け流すこと,愛を示すことなど,研究していることの具体例を見て学べました。みんなお互いの長所をいつも褒めておられました。私も倣いたいと思いました」。

15. 格言 27章17節からすると,集会に来るようになった人と友達になるのが大切なのはなぜですか。

15 になる。学んでいる人が集会に来るようになった後も,関心を示し続けましょう。(フィリ 2:4)その人のことをよく知るようにします。プライベートなことに踏み込まないように注意しながら,聖書に合わせて自分を変えてきたことを褒めたり,研究や家族や仕事のことを尋ねたりできます。そうすれば,いっそう親しくなれます。学んでいる人と友達になるなら,その人がバプテスマを目指して進歩するよう助けることができます。 27:17を読む。)英恵姉妹は,今では正規開拓者として奉仕しています。集会に行き始めた頃のことを振り返ってこう言います。「会衆の兄弟姉妹との友情を築くことで,集会の楽しみが増えました。それで,疲れていても参加できました。エホバの与えてくださる友ととても有意義で楽しい時間を過ごせたので,世の友との交友を断つことができました。エホバと兄弟姉妹との信頼関係を私も築きたいと思い,バプテスマを受けたいと思うようになりました」。

16. 学んでいる人が兄弟姉妹を仲間と感じられるよう助けるために,何ができますか。

16 学んでいる人が進歩を続けているなら,会衆の兄弟姉妹をと感じられるように助けましょう。学んでいる人をもてなしてください。(ヘブ 13:2)モルドバのデニス兄弟は,聖書を教えてもらっていた頃のことについて,こう言います。「妻と私は,兄弟たちに招かれて一緒に楽しい時間を過ごしたことが何度もあります。兄弟たちはそういう時に,エホバが助けてくれた経験を話してくれました。とても励みになりました。そうした話を聞いて,エホバに仕えようという気持ちがいっそう強くなり,将来に素晴らしい生活が約束されていることを確信できるようになりました」。学んでいる人が伝道者になったなら,一緒に奉仕に行くよう誘うこともできます。ブラジルのジエゴ兄弟はこう言います。「いろんな兄弟が奉仕に誘ってくれました。一緒に奉仕をするのは,兄弟たちと知り合う一番良い方法でした。たくさんのことを学べましたし,エホバとイエスがいっそう身近になりました」。

長老たちにできること

長老たちの優しい気遣いは,学んでいる人が進歩する助けになる。(17節を参照。)

17. 長老たちは,学んでいる人の助けになるために何ができますか。

17 んでいる人のために時を用いる。長老の皆さん,皆さんの優しい気遣いは,学んでいる人がバプテスマを目指して進歩する助けになります。毎週の集会で声を掛けましょう。皆さんが名前を覚えるなら,学んでいる人は気遣われていると感じることでしょう。コメントに参加するようになっているなら,特にそうです。時には,予定を調整して誰かの研究に参加することができますか。長老たちが言うことや行うことには,長老自身が思っている以上に大きな力があります。ナイジェリアに住む開拓者のジャッキー姉妹は,こう言います。「学んでいる人はたいてい,参加してくれた兄弟が長老だと知るとびっくりします。ある人はこう言っていました。『うちの教会の牧師はこんなことしてくれません。行くとしても,お金を出してくれる金持ちの所だけですよ』」。この人は,今では集会に来るようになっています。

18. 使徒 20章28節によると,長老たちには重要な責任が委ねられています。その責任を果たすために何ができますか。

18 えている人を助け,励ます。長老の皆さんには重要な責任があります。会衆の伝道者が伝道や研究を上手に行えるように助けるという責任です。使 20:28を読む。)長老がいるところで研究を行うことをためらう人には,私が代わりにしましょうか,と申し出てください。前の節に出てきたジャッキー姉妹はこう言います。「長老たちは,聖書を学んでいる人の様子をよく尋ねてくれます。教える面で難しさを感じる時には,良いアドバイスをしてくれます」。長老たちには,教えている人を励ますためにできることがたくさんあるのです。(テサ一 5:11)ジャッキー姉妹はこうも言っています。「長老たちが励ましてくれたり,私の働きに感謝してくれたりすると,とてもうれしくなります。そういう言葉を掛けてもらうと,暑い日に冷たい水を飲んだ時のように爽やかな気持ちになります。長老たちからの褒め言葉によって自信が深まり,教えることがもっと楽しくなります」。(格 25:25

19. 私たち全てはどんな喜びを経験できますか。

19 今は誰かに聖書を教えてはいないとしても,学んでいる人がバプテスマを目指して進歩するよう,会衆の誰もが助けになれます。研究に参加する時には,話し過ぎに注意しつつ,よく準備したコメントを述べることによって,教えている人をサポートしましょう。学んでいる人が集会に来るようになったなら,友達になり,良い手本になってください。長老たちは,学んでいる人のために時間を用い,教えている人を助け,励ますことによって力になれます。たとえわずかであっても,聖書を学んでいる人がエホバを愛し,エホバに仕えるよう助けることができるなら,それは何と素晴らしいことなのでしょう。

139番の歌 しっかりと立つよう教えなさい

^ 5節 今は誰かに聖書を定期的に教えていないとしても,聖書を学んでいる人がバプテスマを目指して進歩するよう助けることはできます。そのために,私たち一人一人には何ができるでしょうか。この記事では,その点を考えます。