研究記事23
エホバはいつもそばにいてくださる
「エホバは,ご自分に呼び掛ける全ての人の近くにいる」。詩編 145:18
106番の歌 エホバの友となる
何を学ぶか *
1. エホバに仕える人たちも,どんな時に寂しさを感じることがありますか。
誰でも寂しさを感じることがあるものです。そうした寂しさは,すぐに消える場合もあれば,長く続く場合もあります。周りにたくさんの人がいても,寂しさを感じるかもしれません。新しい会衆になかなかなじめないということもあります。大好きな家族を後にして,遠く離れた場所に引っ越したために,寂しさを感じることもあるでしょう。いつも一緒にいた愛する人を亡くして,深い喪失感を味わっている人もいます。エホバの証人ではない家族や以前の友人から相手にされなくなったり迫害されたりして,寂しい思いをしている人もいます。聖書の真理を最近学んだ人であれば,特にそうかもしれません。
2. これからどんな点を考えますか。
2 エホバは私たちのことを何でもご存じです。私たちが寂しく感じる時も,エホバはそのことを知っていて,私たちを助けたいと思っています。エホバはどのように助けてくれるのでしょうか。私たちは寂しさを感じる場合,何ができますか。会衆の誰かが寂しさを感じているなら,どのように助けになれるでしょうか。1つずつ考えていきましょう。
エホバは分かってくださっている
3. エホバはエリヤを気に掛けていることをどのように示しましたか。
3 エホバは,ご自分を崇拝する全ての人が幸せになることを願っています。私たちのそばにいて,私たちが悲しみや落胆を感じる時,そのことに気付いてくださいます。(詩 145:18,19)エホバが忠実な預言者エリヤに思いやりをもって接したことについて考えてみましょう。エリヤは,イスラエルの歴史の中でも大変な時代に生きていました。エホバに敵対する人たちは,エホバを崇拝する人たちをひどく迫害し,特にエリヤを殺そうとしていました。(王一 19:1,2)またエリヤは,神に仕える預言者は自分だけになってしまったと感じて,さらに落ち込んだのかもしれません。(王一 19:10)エホバはエリヤを助けるためにすぐに行動しました。天使を遣わして,エリヤのほかにも神を畏れるイスラエル人が大勢いることを伝え,安心させました。(王一 19:5,18)
4. エホバは,ご自分に仕えることにしたために親族や友人から助けてもらえなくなった人たちのことを気に掛けています。そのことは,マルコ 10章29,30節からどのように分かりますか。
4 エホバは,私たちがエホバに仕えることにする時,大きな犠牲を払わなければならない場合があることをご存じです。例えば,エホバの証人ではない親族や以前の友人から,これまでのようには助けてもらえなくなるかもしれません。使徒ペテロは恐らく不安げな口調で,イエスにこう尋ねました。「私たちは全てのものに別れを告げて,あなたに従ってきました。私たちは何を受けるのでしょうか」。(マタ 19:27)イエスは,弟子たちが信仰で結ばれた大きな家族を得ることになる,と優しく約束しました。(マルコ 10:29,30を読む。)天のお父さんエホバも,ご自分に仕えたいと思っている人たちを支えると約束しています。(詩 9:10)では,寂しさを感じる時,エホバに助けていただくために何ができるでしょうか。考えてみましょう。
寂しさを感じる時にできること
5. エホバがどのように支えてくださっているかに思いを向けるとよいのはなぜですか。
5 エホバがどのように支えてくださっているかに思いを向ける。(詩 55:22)そうすることは,自分は独りではないということを理解する助けになるでしょう。キャロル姉妹は独身で,家族の中にエホバの証人はいません。 * こう言っています。「エホバが試練の時にどのように支えてくださったかをじっくり考えると,自分は独りじゃないんだ,と思えるようになります。そして,エホバがこれからもそばにいてくださることを確信できます」。
6. 寂しく感じる気持ちと闘っている人たちにとって,ペテロ第一 5章9,10節はどのように力となりますか。
6 寂しく感じている兄弟姉妹をエホバがどのように助けているかについて考える。(ペテロ第一 5:9,10を読む。)博兄弟は,バプテスマを受けて以来,幾年もの間,家族の中でただ1人エホバに仕えています。こう述べています。「会衆の兄弟姉妹を見ると,問題のない人など1人もいないということが分かります。みんながエホバに仕えるためにベストを尽くしていることを知ると,私のように家族にエホバの証人がいない人にとっても励みとなります」。
7. あなたにとって,祈りはどのように助けになっていますか。
7 信仰を強めるための良い習慣を守る。これには,自分の気持ちをエホバに率直に打ち明けることが含まれます。(ペテ一 5:7)若いマシエル姉妹は,エホバに仕えることに決めた時,家族から孤立したように感じました。こう言っています。「さみしい気持ちに立ち向かうのにとても役立ったのは,エホバに熱烈に祈ることでした。エホバは私にとってお父さんのような存在なので,毎日何度も祈って気持ちを伝えました」。
8. あなたにとって,聖書を読んでじっくり考えることは,どのように助けになっていますか。
8 聖書をいつも読み,エホバからの愛を感じられるような記述についてじっくり考えましょう。ビアンカ姉妹は,家族からがっかりするようなことを言われても忍耐しています。こう述べています。「聖書の記述や,同じような状況を経験した人たちのライフ・ストーリーを読んでじっくり考えることが,とても役立っています」。兄弟姉妹の中には,詩編 27編10節やイザヤ 41章10節などの特に慰めとなる聖句を覚えるようにしている人もいます。また,集会の準備や聖書通読を行う時にオーディオ版を聞くと寂しさが和らぐ,と感じている人もいます。
9. あなたにとって,集会に出席することはどのように助けになっていますか。
9 集会に欠かさず出席するようにしましょう。集会に行くと,その内容から励みを得ることができ,兄弟姉妹と知り合うこともできます。(ヘブ 10:24,25)先ほどのマシエル姉妹はこう言います。「私はとても内気でしたが,毎回の集会に必ず出席して,1回はコメントすることを心に決めました。そうすることで,自分にも会衆に居場所がある,と思えるようになりました」。
10. 仲間の兄弟姉妹との友情を育てることが大切なのはなぜですか。
10 仲間の兄弟姉妹との友情を育てる。会衆の中で自分のお手本にできそうな人と友達になるようにしましょう。年齢や育った環境や経歴が違っても,学べることはあります。聖書は,「老人には知恵がある」と述べています。(ヨブ 12:12)年上の人も,会衆の年下の人たちから多くのことを学べます。ダビデはヨナタンよりかなり年下でしたが,年の差は2人が固い友情を築く壁とはなりませんでした。(サム一 18:1)どんな問題があっても,ダビデとヨナタンは助け合ってエホバに仕えました。(サム一 23:16‐18)イリーナ姉妹は,家族の中で唯一のエホバの証人です。こう言っています。「会衆の兄弟姉妹は,親やきょうだいのような存在になってくれます。エホバはそうした仲間を用いて,私たちに必要な助けを与えてくださいます」。
11. 固い友情を築くためには,何をする必要がありますか。
11 友達を作るのは,簡単なことではないかもしれません。内気な人の場合は特にそうです。内気なラトナ姉妹は,反対の中で真理を学びました。こう言っています。「会衆の兄弟姉妹の助けや支えが必要であることを認めなければなりませんでした」。自分の気持ちを誰かに打ち明けるのは,簡単ではないかもしれませんが,そうするなら固い友情の土台を築くことができます。友達はあなたのことを力づけ,支えたいと思っています。でも,あなたの方から自分のことを伝えないなら,そうすることはできません。
12. 仲間の兄弟姉妹と友達になる上で,伝道に参加することはどのように役立ちますか。
12 仲間の兄弟姉妹と友達になるのにとても良い方法は,一緒に伝道に参加することです。前に出てきたキャロル姉妹はこう言います。「姉妹たちと一緒に伝道したり,ほかのさまざまな奉仕を行ったりすることで,たくさんの友達ができました。エホバは幾年にもわたって,こうした人たちを用いて私を支えてくださっています」。仲間の兄弟姉妹との友情を育てることには,大きな価値があります。エホバは,そうした友達を用いて,あなたが寂しさなどのつらい気持ちと闘えるように助けてくださいます。(格 17:17)
会衆を家族のように感じてもらう
13. 会衆の全ての人にはどんな務めがありますか。
13 全ての人には,会衆を温かく平和な所にする務めがあります。誰にも,自分は独りぼっちだと感じてほしくはありません。(ヨハ 13:35)私たちは言葉や行動で人を力づけることができます。1人の姉妹はこう述べています。「聖書の真理を学んだ時,会衆が私の家族になりました。兄弟姉妹の支えがなかったら,エホバの証人にはなれなかったと思います」。家族にエホバの証人がいない兄弟姉妹が,会衆に居場所があると感じられるようにするために,私たちには何ができるでしょうか。
14. 新しく来た人たちと友達になるために何ができますか。
14 友達になるためにこちらから行動する。まずは,会衆に新しく来た人たちを温かく歓迎しましょう。(ロマ 15:7)しかし,親しみを込めてあいさつをするだけで終わらせるのではなく,固い友情を育てていくことを目指しましょう。新しい人たちに親切にし,心からの気遣いを示してください。プライバシーに配慮しつつ,その人の状況を知るようにしましょう。自分の気持ちを話すのが苦手な人もいるので,無理やり聞き出そうとしてはいけません。親切な仕方で質問をし,辛抱強く答えに耳を傾けましょう。例えば,どのようにして聖書を勉強するようになったのか,尋ねることができます。
15. 十分に成長したクリスチャンは,会衆の仲間を助けるために何ができますか。
15 十分に成長したクリスチャン,特に長老たちが会衆の人たちに関心を払うなら,会衆のみんなの信仰が強くなります。母親から真理を教えられて育ったメリッサ姉妹はこう言います。「これまで何年もの間,父親のように私のために時間を取ってくれた兄弟たちにすっごく感謝しています。話したいと思う時には必ず誰かが聞いてくれます」。若いマウリシオ兄弟は,自分に聖書を教えてくれた人が真理から離れた時,見捨てられたように感じました。こう述べています。「長老たちが私に関心を払ってくれたことが,大きな力になりました。長老たちはいつも話し掛けてくれました。一緒に伝道したり,個人研究で見つけた宝を教えてくれたりしました。一緒にスポーツをしてくれたこともあります」。メリッサ姉妹もマウリシオ兄弟も今では全時間奉仕を行っています。
16‐17. ほかにもどんな方法で仲間を助けることができますか。
16 相手の必要に合わせた方法で助ける。(ガラ 6:10)家族から遠く離れた所で宣教者として奉仕しているレオ兄弟はこう言っています。「多くの場合,必要なのはぴったりのタイミングでちょっとした親切を示すことです。事故に遭った日のことを今でも思い出します。ようやく家に戻った時にはストレスで疲れ切っていました。その時,1組の夫婦が私を食事に招いてくれました。何を食べたかは覚えていませんが,2人が親切に話を聞いてくれたことはよく覚えています。帰る頃にはずいぶん気持ちが楽になっていました」。
17 大会などの時に仲間と一緒に時間を過ごし,聞いた話について語り合うのは楽しいことです。しかし,先ほどのキャロル姉妹はこう言います。「大会の時は特につらいです。何百人,何千人もの兄弟姉妹が周りにいても,ほとんどの人は家族と一緒に座っています。それで,自分は独りだという気持ちが余計に強くなります」。夫や妻を亡くした後の最初の大会に行くのが大変だと感じる人もいます。こうした状況にある人が誰か思い浮かびますか。次の大会などの時に,自分の家族と一緒に座るよう誘ってみるのはいかがですか。
18. 誰かをもてなそうと思う時,コリント第二 6章11‐13節をどのように当てはめられますか。
18 一緒に過ごす。兄弟姉妹と一緒に楽しく過ごす時には,いろいろな人を招くようにしましょう。特に,寂しく感じているかもしれない人たちに声を掛けることができます。ぜひ,そうした人たちに対して「心を大きく開いてください」。(コリント第二 6:11‐13を読む。)先ほどのメリッサ姉妹は,「友達が家に呼んでくれたり,旅行に誘ってくれたりした時,すごくうれしかったです」と言っています。会衆の中の誰をもてなせるか,考えてみましょう。
19. どんな時に一緒に過ごすと,特に感謝されるかもしれませんか。
19 どんな時に一緒に過ごすと,特に感謝されるかもしれませんか。祝祭日などの時に,エホバの証人ではない親族と一緒にいるのは大変だ,と感じる人がいるかもしれません。また,愛する人を亡くした日など,1年の中の特定の日にとてもつらく感じる人もいるでしょう。こうした兄弟姉妹に,一緒に過ごすのはどうかと声を掛けるなら,「心から気遣[ってい]る」ことを示せます。(フィリ 2:20)
20. 寂しく感じる時,マタイ 12章48‐50節にあるイエスの言葉はどのように力となりますか。
20 クリスチャンはさまざまな理由で寂しさを感じることがあります。しかし,エホバはそうした気持ちをよく分かってくださっています。多くの場合,仲間の兄弟姉妹を用いて私たちに必要な助けを与えてくださいます。(マタイ 12:48‐50を読む。)そして,私たちはベストを尽くして兄弟姉妹を支えることによって,エホバが会衆という信仰で結ばれた家族を与えてくださったことへの感謝を示せます。たとえどんな気持ちになるとしても,私たちは決して独りではありません。エホバがいつもそばにいてくださるからです。
2番の歌 エホバよ,わたしたちは感謝します
「ものみの塔」(研究用)