研究記事34

真理に従って歩み続ける

真理に従って歩み続ける

「真理に従って歩み続け……る」。ヨハネ第三 4

75番の歌 わたしたちの喜びの理由

を学ぶか a

1. 「真理」を知ったいきさつについて語り合うとよいのはなぜですか。

 「どのようにして真理を知ったんですか」。あなたはこれまで,こうした質問に何度も答えてきたことでしょう。私たちは,仲間と親しくなりたいと思う時,こうしたことを尋ねるものです。兄弟姉妹がどのようにしてエホバを知り,愛するようになったかをぜひ聞きたいと思います。そして,自分にとって真理がどれほど大切なものであるかを話すのは,とても楽しいことです。(ロマ 1:11)こうした会話をするなら,真理がいかに貴重なものであるかが改めて分かります。そして,「真理に従って歩み続け」ようという決意が強まるでしょう。エホバが祝福し,喜んでくださる生き方を続けたい,と強く願うようになるのです。(ヨハ三 4

2. この記事ではどんなことを考えますか。

2 この記事では,私たちが真理を愛している理由について幾つかの点を考えます。そして,この貴重な贈り物に対する愛を示し続けるために,どんなことができるかも考えます。こうした点を考えるなら,エホバが私たちを真理に引き寄せるためにしてくださったことへの感謝が深まるでしょう。(ヨハ 6:44)そして,ほかの人にもこの真理を伝えたいという気持ちも強まるはずです。

私たちが「真理」を愛しているのはなぜか

3. 私たちが真理を愛している理由のうち,最も重要なものは何ですか。

3 私たちが真理を愛している理由はいろいろあります。その中でも最も重要なのは,真理の源であるエホバ神を愛していることです。神の言葉である聖書から分かる通り,エホバは天と地を創造した全能者であるだけでなく,私たちを優しく気遣う愛情深い天のお父さんです。(ペテ一 5:7)「憐れみ深く,思いやりがある神,すぐに怒らず,揺るぎない愛に満ち,常に信頼できる」方です。(出 34:6)また,エホバは公正を愛しています。(イザ 61:8)私たちが苦しむのを見る時,エホバもつらく感じます。そして,ご予定の時に全ての苦しみを除き去ろうとしています。(エレ 29:11)本当に素晴らしいことではないでしょうか。だからこそ,私たちはエホバを心から愛しているのです。

の真を表す例え: いかり

いかりがあれば船が安定するのと同じように,聖書の希望があれば,私たちは試練に遭っても冷静でいることができます。また,聖書の真理は,将来の希望について人々に語るよう私たちを動かします。(4‐7節を参照。)

4‐5. パウロが希望をいかりに例えたのはなぜですか。

4 私たちはほかにもどんな理由で真理を愛しているでしょうか。真理は大いに私たちのためになります。1つの例を考えてみましょう。聖書の真理には,将来の希望が含まれています。その価値についてパウロは,「この希望は,私たちの命のためのいかりであり,確かで揺らぐことがな[い]」と述べました。(ヘブ 6:19)いかりがあれば船が安定するのと同じように,聖書の希望があれば,私たちは試練に遭っても冷静でいることができます。

5 ここでパウロは,神から選ばれたクリスチャンが抱いていた,天で生きる希望について述べていました。でも,パウロのこの言葉は,楽園となった地球で永遠に生きることを楽しみにしている人たちにも当てはまります。(ヨハ 3:16)永遠の命について知るなら,私たちの人生は確かに有意義なものになります。

6‐7. イボンヌ姉妹にとって,将来についての真理を学ぶことはどのように助けとなってきましたか。

6 イボンヌ姉妹の経験を考えてみましょう。姉妹は真理を知らずに育ち,子供の頃,死ぬことをとても恐れていました。本で読んだ「いつか死ぬ日がやって来る」というフレーズが頭から離れませんでした。姉妹はこう言います。「その言葉を思うと夜も眠れず,将来が不安になりました。『人生には絶対,もっと意味があるはず。自分はなぜ存在しているのだろう』と思いました。わたしは死にたくありませんでした!」

7 その後,姉妹は10代の時にエホバの証人と出会いました。こう言っています。「わたしは,地上のパラダイスで永遠に生きる希望を自分も持てる,と信じるようになりました」。真理を学ぶことは,どのように助けとなってきたでしょうか。姉妹は,「将来や死ぬことが心配で夜も眠れない,ということはもうありません」と言っています。姉妹は聖書の真理を愛しており,将来の希望について人々に語ることから大きな満足感を得ています。(テモ一 4:16

の真を表す例え: 宝

エホバに今仕えられることや神の王国の下で永遠にそうできる見込みは,宝に似ています。それには,どんな犠牲をも払う価値があります。(8‐11節を参照。)

8‐9. (ア)イエスの例えに出てくる1人の男性は,見つけた宝を高く評価していることをどのように示しましたか。(イ)あなたにとって真理はどれほど大切なものですか。

8 聖書の真理には,神の王国の良い知らせも含まれています。イエスは,王国についての真理を,隠された宝に例えました。マタイ 13章44節でこう述べています。「天の王国は野原に隠された宝のようです。ある人がそれを見つけて再び隠しました。そして,喜びのあまり,行って持ち物を全て売り,その野原を買います」。この人は宝を探していたわけではありませんでした。でも,それを見つけると,手に入れるために大きな犠牲を払いました。持ち物を全て売ったのです。なぜでしょうか。この宝が本当に貴重なもので,どんな犠牲をも払う価値がある,ということが分かっていたからです。

9 あなたも,真理について同じように感じているに違いありません。私たちは,エホバに仕える喜びや神の王国の下で得られる永遠の命は,この世で得られるどんなものよりもはるかに素晴らしい,ということをよく知っています。エホバとの絆はとても貴重なもので,どんな犠牲をも払う価値があります。「全ての点で神に喜ばれ」ることほどうれしいことはありません。(コロ 1:10

10‐11. マイケル兄弟が生き方を大きく変えることができたのはなぜですか。

10 多くの人が,エホバに喜んでいただくために大きな犠牲を払ってきました。例えば,世の中での成功や裕福になることを諦めた人たちがいます。また,エホバについて学んで生き方を大きく変えた人たちもいます。マイケル兄弟がまさにそうでした。兄弟は真理を知らずに育ちました。若い頃には武道を学びました。兄弟はこう言います。「わたしは,体を鍛えることに誇りを感じていました。自分は無敵だと思うこともありました」。でも,兄弟は聖書を学ぶようになり,エホバが暴力をどう見ているかを知りました。(詩 11:5)自分に聖書を教えてくれたエホバの証人の夫婦について,兄弟はこう言います。「武道をやめるべきだとは一度も言わず,ひたすら聖書の真理を教えてくださいました」。

11 マイケル兄弟は,エホバのことを知れば知るほど,エホバをいっそう愛するようになりました。特に,エホバがご自分を崇拝する人たちに思いやりを示すことに深く感動しました。やがて,自分の生き方を変えなければいけないことに気付きました。こう言っています。「自分にとって空手をやめることが一番難しいのは分かっていました。しかし,やめればエホバに喜ばれるということも分かっており,エホバに仕えるためならどんな犠牲も払うという覚悟ができていました」。マイケル兄弟は,真理を高く評価していたので,生き方を大きく変えることができたのです。(ヤコ 1:25

の真を表す例え: ランプ

明るいランプがあれば,暗闇の中でも進むべき道が分かります。同じように,聖書はサタンの邪悪な世の中で進むべき道を明らかにしてくれます。(12‐13節を参照。)

12‐13. 聖書の真理は,マイリー姉妹にとってどのように助けとなりましたか。

12 聖書は,真理の価値を示すために,真理を闇の中で輝くランプに例えています。(詩 119:105。エフェ 5:8)アゼルバイジャンのマイリー姉妹は,聖書に収められている輝く真理に深く感謝しています。姉妹の両親は別々の宗教を信じていて,父親はイスラム教徒で,母親はユダヤ教徒でした。姉妹はこう言います。「神の存在を疑ったりはしませんでしたが,よく分からないことが幾つもありました。『神はなぜ人間を創造したのだろう。人が一生苦しんだあげくに地獄で永久に責めさいなまれるとしたら,そのことにどんな良い目的があるのだろう』と思ったのです。人々が言うように何事も神の意志で生じるのなら,『神は,人形遣いのように人を操り,人の苦しみを見て楽しんでいるだけなのだろうか』,とも考えました」。

13 マイリー姉妹は疑問の答えを探し続けました。やがて,エホバの証人と聖書を学び始め,バプテスマを受けました。こう言っています。「神の言葉 聖書の論理が納得のゆくものだったので,人生観がより良いものになりました。聖書の説明は確かなものだったので,心は平安です」。マイリー姉妹のように,私たちは皆,「闇からご自分の輝かしい光の中に招き入れてくださ」った方エホバを賛美しています。(ペテ一 2:9

14. 真理への愛を深めるためにどんなことができますか。(「 ほかの例え」の囲みも参照。)

14 ここまでで,真理が貴重なものであることを示す例えを幾つか考えてきました。ほかにもきっと思い浮かぶことでしょう。個人研究で,自分が真理を愛している理由についてさらに考えてみるのはどうですか。真理への愛が深まれば深まるほど,いっそうさまざまな場面でその愛を示せるようになるでしょう。

真理を愛していることをどのように示せるか

15. 真理を愛していることを示すために,どんなことができますか。

15 私たちは,聖書や出版物を定期的に学ぶことによって,真理を愛していることを示せます。どれほど長い間,真理に従って歩んできたとしても,学べる事に終わりはありません。「ものみの塔」誌の創刊号には,こう述べられています。「真理は,荒れ放題になった場所に咲く一輪の目立たない小さな花のように,誤りという,うっそうと茂った雑草に囲まれ,ほとんど成長が阻まれている。真理を見つけたいと願うのであれば,絶えず探さなければならない。……真理を自分のものにしたいと願うのであれば,それを手に入れるために身をかがめなければならない。ただ真理の花に満足してはならない。……さらに集め,さらに多くを求めよ」。学ぶことには努力が求められますが,そうするだけの価値があります。

16. あなたは,どんな方法で学ぶのがよいと感じていますか。(格言 2:4‐6

16 確かに,読んだり学んだりするのが苦手な人もいるでしょう。でもエホバは,真理のいっそう深い理解を「求め続け」,「探し続ける」よう私たちに勧めています。 2:4‐6を読む。)こうした点で努力することは,必ず私たちのためになります。コリー兄弟は,聖書を読む時,1度に1つの節をじっくり考えるようにしています。こう言います。「脚注を全部読み,相互参照を全部調べ,調査もします。……この方法だといろんなことが分かります」。どんな方法を使うとしても,時間を取って一生懸命に学ぶなら,真理を高く評価していることを示せます。(詩 1:1‐3

17. 真理に従って生きるとはどういうことですか。(ヤコブ 1:25

17 とはいえ,真理を十分に役立てるためには,ただ単に学んで終わってしまってはいけません。真理に従って生きる必要があります。つまり,学んだことを実践する必要があるということです。そのようにして初めて,真理によって本当の幸せを得ることができます。ヤコブ 1:25を読む。)では,どうすれば真理に従って生きることができるでしょうか。1人の兄弟は,自分をよく分析して,できている点と改善すべき点を見極めるように,と勧めています。この点について,パウロはこう言っています。「私たちはこれまで進歩してきたのですから,この同じ道をきちんと歩んでいきましょう」。(フィリ 3:16

18. 「真理に従って歩み続け」るようベストを尽くすべきなのはなぜですか。

18 「真理に従って歩み続け」るようベストを尽くすことは,本当に私たちのためになります。自分の生活の質が高まるだけでなく,エホバや仲間に喜びをもたらすこともできるのです。(ヨハ三 4。格 27:11)こうしたことを考えると,真理をし,真理に従ってきることは,本当にふさわしいことではないでしょうか。

24番の歌 報いを見つめなさい!

a 私たちは,自分の信条や生き方を「真理」と表現することがよくあります。真理を学んでエホバの証人になったのが,最近であってもずっと前であっても,真理をどうして愛しているのかについて考えるのは非常に良いことです。そうするなら,エホバに喜んでいただきたいという気持ちを強めることができるからです。