1-2. バプテスマを受ける用意がまだできていないとしても，がっかりしなくてよいのはどうしてですか。（表紙の写真を参照。）

 あなたはバプテスマを受けたいと思っていますか。それは素晴らしい目標です。自分はバプテスマを受ける用意ができていると思っていて，長老たちも同じように感じているなら，ぜひ次の機会にバプテスマを受けてください。エホバに仕える素晴らしい人生が待っています。

² では，自分にはまだ準備ができていないと感じたり，もう少し努力が必要だと言われたりした場合はどうでしょうか。それでもがっかりしないでください。若くても年を取っていても，バプテスマに向けてできることがあります。

3. エチオピアの高官はフィリポに何と言いましたか。どんな質問が生じますか。（使徒 8:36，38）

³ 使徒 8:36，38を読む。エチオピアの高官はフィリポにこう言いました。「私がバプテスマを受けられない理由が何かあるでしょうか」。この人はバプテスマを受けたいと思っていました。では本当に準備ができていたでしょうか。

4. エチオピアの高官が学び続けたいという意欲を持っていたことは，どんなことから分かりますか。

⁴ この高官は「崇拝のためにエルサレムに行ってき」たところでした。（使徒 8:27）ですから，この人はユダヤ教に改宗していたのでしょう。ヘブライ語聖書からエホバについて学んでいたはずです。それでも，もっと多くのことを知りたいと思っていました。フィリポと会った時，イザヤ書の預言を朗読していました。（使徒 8:28）聖書の基礎的な教えだけで満足するのではなく，深い真理も理解したいと思っていたのです。この記述から，高官が学び続けたいという意欲を持っていたことが伝わってきます。

5. エチオピアの高官は学んだことをどのように実行していましたか。

⁵ この人はエチオピアの女王カンダケの高官で，「その財宝全てを管理」していました。（使徒 8:27）やるべきことがたくさんあって忙しかったはずです。それでも，エホバを崇拝するためにきちんと時間を取っていました。真理を学ぶだけでなく，学んだことを実行していました。実際，エチオピアから神殿があるエルサレムまで，はるばる旅をしてエホバを崇拝しました。これにはたくさんの時間と費用がかかったはずです。それでもエホバを崇拝するために努力を惜しみませんでした。

6-7. 高官のエホバへの愛はどのように深まっていきましたか。

⁶ この高官は，フィリポから大切な真理を幾つも教わりました。その中にはメシアが誰かということも含まれていました。（使徒 8:34，35）この人はイエスが自分のためにしてくれたことに感動したでしょう。その後どうしたでしょうか。ユダヤ教徒のままでいようとは思いませんでした。エホバとイエスへの愛に動かされて，バプテスマを受けてイエスの弟子になるという大きな決断をしました。フィリポもこの人はバプテスマの資格にかなっていると考え，バプテスマを施しました。

⁷ このエチオピアの高官に倣うなら，バプテスマに向けて準備を整えることができます。あなたも，「私がバプテスマを受けられない理由が何かあるでしょうか」と言えるようになるでしょう。では，エチオピアの高官にどのように倣えるでしょうか。3つの点を考えましょう。真理を学び続けること，学んだことを実行すること，エホバへの愛を深めていくことです。

8. ヨハネ 17章3節はどんなことの大切さを教えていますか。

⁸ ヨハネ 17:3を読む。イエスのこの言葉がきっかけで聖書を学んだ人は大勢います。あなたもそうかもしれません。でもこの聖句は，学び続けることの大切さも教えています。「唯一の真の神……のことを知」り続ける必要があります。（伝 3:11。ヨハ 17:3，脚注）エホバについて学ぶことに終わりはありません。エホバについて知れば知るほど，エホバをもっと愛するようになるでしょう。（詩 73:28）

9. 聖書の基本的な教えを学んだ後も，どうする必要がありますか。

⁹ もちろん最初は，エホバについての基本的な教えから学び始めます。パウロは「ヘブライ人のクリスチャンへの手紙」の中で，そうした教えを「基礎的な事柄」と言いました。とはいえ，パウロは「初歩の教理」を軽く見ていたわけではありません。赤ちゃんの成長に必要な乳に例えています。（ヘブ 5:12; 6:1）でもパウロは，そうした基本的な教えだけで満足するのではなく，聖書の深い真理も学ぶ必要があると言いました。あなたは深い真理を意欲的に学んできましたか。エホバやエホバのお考えについて学び続け，成長していきたいと思っていますか。

10. 勉強することについてどう感じている人もいますか。

¹⁰ 勉強するのは苦手だと感じる人もいます。あなたはどうですか。学校の勉強は好きでしたか。いろいろなことを学ぶのは楽しかったですか。それとも，読んだり学んだりするのがあまり好きではなかったでしょうか。そうだとしても大丈夫です。最高の先生であるエホバが助けてくれます。

11. エホバが「偉大な教師」だと言えるのはどうしてですか。

¹¹ エホバは，自分は「偉大な教師」であると言っています。（イザ 30:20，21）私たちのことをよく理解して，優しく辛抱強く教えてくださる方です。私たちの良いところに注目してくれます。（詩 130:3）人間の脳を設計したエホバは，私たちにできないことまで求めたりはしません。（詩 139:14）人間には学ぶ意欲も備わっています。エホバは学ぶことをいつまでも楽しんでほしいと思っています。それで，聖書の真理を「強く求める気持ちを育」むのは大切なことです。（ペテ一 2:2）自分に達成できる目標を立て，聖書を読んで学ぶことを習慣にしましょう。（ヨシュ 1:8）エホバが助けてくださるので，聖書を読んでエホバについて学ぶことがどんどん楽しくなっていくでしょう。

12. イエスについてじっくり学ぶとよいのはどうしてですか。

¹² イエスの生き方や伝道について時間を取ってじっくり考えるようにしましょう。問題が多い今の世の中で，エホバに仕えていくためには，イエスにしっかり従うことが大切です。（ペテ一 2:21）イエスは，自分に従う人たちがいろいろな問題にぶつかると言いました。（ルカ 14:27，28）でも，弟子たちが自分と同じようにエホバに仕えていくことができるということも確信していました。（ヨハ 16:33）イエスの生涯について詳しく調べ，毎日の生活でイエスに倣うよう努力しましょう。

13. 聖書を学ぶ時には，エホバにどんなことをお願いできますか。そうすることが大切なのはどうしてですか。

¹³ もちろん，知識を取り入れるだけでは十分とは言えません。エホバについてもっとよく理解し，エホバへの愛や信仰を強めていくことが大切です。（コリ一 8:1-3）学ぶ時には，信仰を強められるように助けてくださいとお願いしましょう。（ルカ 17:5）エホバはその祈りに必ず答えてくださいます。エホバについての正しい知識を取り入れ，本物の信仰を築くなら，学んだことを実行していくことができるでしょう。（ヤコ 2:26）

14. ペテロは学んだことを実行することの大切さをどのように教えましたか。（挿絵も参照。）

¹⁴ ペテロは，クリスチャンにとって学んだことを実行するのは大切だと教えました。ノアの時代の出来事を例にしてそのことを説明しています。エホバはノアに対して，大洪水で邪悪な人たちを滅ぼすと予告しました。ノアと家族は洪水が起きることを知っていただけで救われたわけではありません。ペテロは洪水の前に「箱船が建造され[た]」と言っています。（ペテ一 3:20）ノアと家族はエホバから教えられたことに基づいて行動し，大きな箱船を建造しました。（ヘブ 11:7）ペテロは，ノアがしたこととバプテスマを結び付けてこう言っています。「これに相当するものであるバプテスマ……により，今皆さんは……救われています」。（ペテ一 3:21）ノアと家族は，洪水の前に何十年もかけて箱船を建造しました。バプテスマを目指している人も，その目標に向けて今できることがあります。どんなことでしょうか。

15. 心から悔い改めているなら，どうするはずですか。

¹⁵ まず，自分の罪を心から悔い改めることが大切です。（使徒 2:37，38）本当に悔い改めているなら，考え方や行動を改めるはずです。不道徳な生き方やたばこや汚い言葉遣いなど，エホバが嫌うことを行っていたなら，それをやめましたか。（コリ一 6:9，10。コリ二 7:1。エフェ 4:29）もしまだであれば，やめる努力をぜひ続けましょう。聖書を教えてくれている人や長老たちに，悪い習慣をやめるためのアドバイスを求めることができます。若くて親と一緒に住んでいるなら，親に助けてもらってください。

16. エホバの崇拝にはどんなことが含まれますか。その習慣を守るためにどんなことができますか。

¹⁶ エホバを崇拝する良い習慣を守ることも大切です。例えば，集会に出席し，参加します。（ヘブ 10:24，25）伝道する資格を満たしたなら，定期的に参加しましょう。伝道すればするほど楽しくなっていくでしょう。（テモ二 4:5）若くて親と一緒に住んでいるなら，次のように考えてみてください。「自分はいつも親に言われて，集会や伝道に行っているだろうか。それとも自分から進んで行っているだろうか」。自分の意思で喜んで行うことで，エホバに愛や感謝を表し，信仰を示すことができます。そうするなら，「神への専心を行動に表し」，エホバに最善のものを捧げることになります。（ペテ二 3:11。ヘブ 13:15）誰かに強制されてではなく，自分から進んで行う時，エホバは喜んでくださいます。（コリント第二 9:7と比較。）エホバに最善のものを捧げるなら，私たちも幸せを味わうことができます。

17-18. バプテスマに向けて努力する上で大切なものは何ですか。どうしてそう言えますか。（格言 3:3-6）

¹⁷ バプテスマに向けて努力していると，いろいろな問題にぶつかることがあります。あざけられたり，反対されたり，迫害されたりするかもしれません。（テモ二 3:12）悪い習慣をやめようと努力している中で後戻りしてしまうこともあるでしょう。自分がなかなか進歩していないように感じて，焦ったりイライラしたりすることもあり得ます。では，そういう時にも諦めないで頑張り続ける原動力になるのは何でしょうか。エホバへの愛です。

¹⁸ エホバへの愛ほど大切なものはありません。（格言 3:3-6を読む。）エホバへの強い愛があるなら，問題にぶつかってもエホバに仕え続けることができます。聖書によると，エホバはご自分に仕える人に揺るぎない愛を示す方です。それで，私たちを見捨てたりせずに愛を示し続けてくださいます。（詩 100:5）私たちはエホバに似た者として造られているので，エホバの揺るぎない愛に倣うことができます。（創 1:26）どのようにでしょうか。

19. エホバがしてくださったことへの感謝の気持ちをどのように強められますか。（ガラテア 2:20）

¹⁹ まず感謝の気持ちを持つことが大切です。（テサ一 5:18）エホバが自分に対してどのように愛を示してくださったか，毎日考えるようにしましょう。そして具体的に感謝の祈りを捧げることができます。パウロと同じように，エホバがしてくださったことを自分個人に対する愛と考えるようにしましょう。（ガラテア 2:20を読む。）では，私たちはエホバへの愛をどのように示せるでしょうか。誘惑に遭ったり問題にぶつかったりしても，諦めずに頑張ることです。エホバを崇拝する良い習慣をしっかり守ることも大切です。

20. エホバに献身するとはどういうことですか。それはどれほど重要な決定ですか。

²⁰ エホバへの愛が深まっていくと，祈りでエホバに献身したいと思うようになるでしょう。献身した人には素晴らしい将来が待っています。いつまでもエホバの家族の一員でいることができるのです。献身は，順調な時にもそうではない時にもエホバに仕えていくことを約束することです。これは一度限りの誓約で，本当に大きな決定です。それでも，エホバに献身すること以上に良い決定はありません。（詩 50:14）サタンは私たちのエホバへの愛を弱め，エホバに仕えることを諦めさせようとしてきます。でもサタンの思い通りにさせてはいけません。（ヨブ 27:5）エホバへの強い愛があるなら，献身の生き方を貫き，エホバとの絆をどんどん深めていくことができます。

21. バプテスマがスタートだと言えるのはどうしてですか。

²¹ エホバに献身したなら，バプテスマという次のステップについて長老たちと話し合ってください。でも覚えておきたい大切な点として，バプテスマはゴールではなくスタートです。その時から，エホバにいつまでも仕える人生が始まります。では，バプテスマを目指してエホバへの愛を毎日強めていくようにしましょう。そうするなら，バプテスマという目標を達成することができます。それは，新しい人生が始まる素晴らしい日になることでしょう。そして，エホバとイエスへの愛を永遠にわたって深めていくことができるでしょう。