研究記事10

バプテスマを受けるのはどうして?

バプテスマを受けるのはどうして?

「一人一人……バプテスマを受けなさい」。使徒 2:38

29番の歌 忠誠のうちに歩む

を学ぶか a

1-2. バプテスマの時にはどんな光景を目にしますか。この記事ではどんなことを考えますか。

 次のような場面を見たことがありますか。バプテスマ希望者が起立します。話し手の2つの質問に対して,大きな声で「はい」と答えます。そして,いよいよバプテスマの時が来ます。見守る家族や友達はみんなうれしそうです。バプテスマを受けた人が水から上がると,大きな拍手が起こります。その人の表情から喜びが伝わってきます。このようにして,毎週何千人もの人たちがバプテスマを受け,エホバの証人になっています。

2 あなたもバプテスマを受けたいと思っていますか。もしそうなら,「エホバに導きを求める」あなたは,今の悪い世の中で光り輝く存在です。(詩 14:1,2)この記事は,若くても年を取っていても,バプテスマを受けたいと思っているあなたのために準備されました。すでにバプテスマを受けた兄弟姉妹にとっても,エホバにずっと仕えていきたいという気持ちを強めるものとなるでしょう。では,私たちがエホバに仕える3つの理由を考えてみましょう。

真実で正しいことを愛している

サタンは何千年もの間,エホバのことを悪く言ってきた。(3-4節を参照。)

3. 真実で正しいことを愛することが大切なのはどうしてですか。(詩編 119:128,163

3 エホバはご自分の民に,「真実……を愛しなさい」と言いました。(ゼカ 8:19)イエスも弟子たちに,正しいことを追い求めるようにと教えました。(マタ 5:6)これは,エホバから見て正しくて清くて良いことを行いたいという強い気持ちを持つ必要がある,ということです。あなたは真実で正しいことを愛していることでしょう。うそや間違っていることや悪いことを憎んでいるはずです。 119:128,163を読む。)うそは,この世界を支配しているサタンの特徴です。(ヨハ 8:44; 12:31)サタンはエホバの評判を傷つけたいと思っています。エデンで人間を唆して以来,エホバについてのうそをずっと広めてきました。エホバのことを,うそつきで人間に良いものを与えてくれない利己的な神だ,と言っています。(創 3:1,4,5)こうしたうそは,多くの人の考え方に影響を与えてきました。それで,「真実……を愛し」ていないなら,サタンに惑わされて正しくないことや悪いことを行ってしまうかもしれません。(ロマ 1:25-31

4. 「真理の神」エホバはどんなことをしてくれていますか。(挿絵も参照。)

4 エホバは「真理の神」です。(詩 31:5)ご自分を愛する人たちに真理を惜しみなく教えてくれています。そのようにして,サタンのうそから私たちを救い出してくださっています。また,正直で正しいことを行うようにとも教えています。その通りにするなら,自尊心を持ち,穏やかな気持ちでいることができます。(格 13:5,6)あなたもこれまで聖書を学んできて,エホバが教えてくれていることが自分や全ての人のためになることを実感しているでしょう。(イザ 48:17)そうであれば,エホバから見て正しいことを行いたいと思っているはずです。(マタ 6:33)また,本当のことを伝えたい,サタンがエホバについて言っていることがうそだということを明らかにしたい,とも思っていることでしょう。では,そのためにどんなことができるでしょうか。

5. 真実で正しいことを愛していることをどのように示せますか。

5 どんな生き方を選ぶかは大切です。生き方によって次のように思っていることを示せます。「私はサタンのうそを信じたりはしません。真理を大切にします。エホバを自分の神として選び,エホバから見て正しいことを行いたいです」。どうすればこうした生き方ができるでしょうか。祈りでエホバに献身し,バプテスマを受けることです。真実で正しいことを愛しているなら,バプテスマを受けたいという気持ちになるでしょう。

イエス・キリストを愛している

6. 詩編 45編4節によると,イエスにはどんな魅力的なところがありますか。

6 私たちがイエスを愛しているのはどうしてでしょうか。 45編4節にその理由が書かれています。(読む。)その聖句によると,イエスは真理と謙遜さと正義を大切にしています。もしあなたが真実で正しいことを愛しているなら,イエスに魅力を感じることでしょう。イエスは勇気を持って真実で正しいことを語りました。(ヨハ 18:37)では,謙遜さについてはどうでしょうか。

7. イエスはどのように謙遜さを示していますか。謙遜なイエスについて,あなたはどう感じますか。

7 イエスは謙遜な方です。自分に注目を集めようとするのではなく,いつもエホバが賛美されるようにしています。(マル 10:17,18。ヨハ 5:19)あなたはこのように謙遜なイエスについてどう感じますか。魅力的に感じ,ぜひ見習いたいと思うのではありませんか。イエスが謙遜なのはどうしてでしょうか。謙遜なお父さんエホバを愛していて,見習っているからです。(詩 18:35。ヘブ 1:3)エホバと性格がそっくりなイエスに,きっとあなたも引かれることでしょう。

8. イエスが素晴らしい王だと言えるのはどうしてですか。

8 イエスは王としても素晴らしい方です。イエスはエホバから直接訓練を受け,王として任命されました。(イザ 50:4,5)そして,私たちを愛して自分の命さえ与えてくださいました。(ヨハ 13:1)そんなイエスにぜひ愛を示したいと思いませんか。イエスを心から愛しているなら,イエスから命じられている通りにするでしょう。そうすれば,イエスから友と見てもらうことができます。(ヨハ 14:15; 15:14,15)神の子の友になれるというのは本当に素晴らしいことではないでしょうか。

9. イエスのバプテスマと弟子たちのバプテスマには,どんな共通点がありますか。

9 イエスが弟子たちに命じたことの中には,バプテスマを受けることが含まれています。(マタ 28:19,20)イエス自身バプテスマを受けました。イエスのバプテスマと弟子たちのバプテスマには,違いがあります。(「 イエスのバプテスマと弟子たちのバプテスマの違い」の囲みを参照。)でも,共通点もあります。イエスはバプテスマを受けた時,エホバの望むことを行うために自分を差し出しました。(ヘブ 10:7)弟子たちはバプテスマによって,自分がエホバに献身したことをみんなに明らかにします。その後は,自分ではなくエホバの望むことを行う生き方をするようになります。そのようにしてイエスに見習います。

10. あなたがイエスを愛しているのはどうしてですか。その愛をどのように示せますか。

10 ここまで考えてきた通り,イエスはエホバ神の独り子で,王国の王として任命されました。エホバと性格がそっくりで,謙遜な方です。地上にいた時には,おなかをすかせていた人たちに食べ物を与えました。落ち込んでいる人たちを力づけたり,病気の人を治したりもしました。(マタ 14:14-21)今では世界中の会衆の活動を監督しています。(マタ 23:10)そして将来,王国の王としてさらに素晴らしいことをしてくれます。このようなイエスに,あなたはきっと魅力を感じていることでしょう。では,イエスへの愛をどのように示せるでしょうか。イエスの手本に倣うことです。(ヨハ 14:21)そのためには,エホバに献身してバプテスマを受けることが大切です。

エホバを愛している

11. バプテスマを受ける一番の理由は何ですか。

11 バプテスマを受ける一番の理由は何でしょうか。イエスは神のおきての中で最も重要なものについてこう言いました。「あなたは,心を尽くし,知力を尽くし,力を尽くし,自分の全てを尽くして,あなたの神エホバを愛さなければならない」。(マル 12:30)あなたもエホバにこのような愛を抱いていますか。

エホバは,私たちが今も将来も幸せを味わえるように,たくさんの良いものを与えてくださっている。(12-13節を参照。)

12. あなたがエホバを愛しているのはどうしてですか。(写真と挿絵も参照。)

12 エホバを愛する理由はいろいろあるでしょう。例えば,エホバは「命の源」です。「良い贈り物,完全な贈り物は全て」エホバが下さったものです。(詩 36:9。ヤコ 1:17)優しいエホバは,私たちが喜びや幸せを感じることができるように,たくさんのものを与えてくださっています。

13. 贖いが素晴らしい贈り物と言えるのはどうしてですか。

13 贖いもエホバからの素晴らしい贈り物です。エホバとイエスの絆がどれほど強いものか,考えてみてください。何十億,何百億年ものあいだ一緒にいて,ふたりの絆は強まっていきました。(格 8:22,23,30)イエスは,「私[は]父を愛している」,「父は私を愛してくださいます」と言いました。(ヨハ 10:17; 14:31)ですから,エホバにとってイエスが苦しんで死ぬのを見るのは本当につらいことでした。それでも,あなたを含め人類全てを心から愛しているので,永遠に生きられるようにイエスを犠牲として与えてくださいました。(ヨハ 3:16。ガラ 2:20)こうしたことを考えると,エホバにもっと引き寄せられることでしょう。

14. どんな生き方が最高の生き方ですか。

14 エホバについて知るにつれて,エホバへのあなたの愛は深まってきたことでしょう。永遠にわたってエホバとの絆を強めていきたいと思っているに違いありません。エホバは,ご自分の喜ぶことを行うようにと私たちに教えています。(格 23:15,16)エホバに喜んでいただくためには,言葉だけでは十分ではありません。生き方によって,エホバを心から愛していることを表すことができます。(ヨハ一 5:3)これは本当に最高の生き方です。

15. エホバを愛していることをどのように示せますか。

15 エホバを愛していることをどのように示せるでしょうか。特別な祈りを捧げ,エホバに献身します。(詩 40:8)そしてバプテスマを受け,献身したことをみんなの前で明らかにします。この記事の初めに考えた通り,これはとても幸せなひとときになります。そしてバプテスマの後は,自分のためではなくエホバのために生きるようになります。(ロマ 14:8。ペテ一 4:1,2)バプテスマはとても大きな決定に思えるかもしれません。でも,その先には本当に素晴らしい人生が待っています。

16. 詩編 41編12節からすると,エホバはご自分に仕える生き方を選ぶ人たちにどんな祝福を与えますか。

16 エホバは,惜しみなくあふれるほどに与えてくださる方です。私たちがエホバのために何かをする時,想像を超えた祝福を与えてくださいます。(マル 10:29,30)エホバに仕えることを選ぶなら,今の悪い世の中であっても喜びと充実感を味わえます。でもそれだけではありません。お父さんエホバに仕える人生を永遠に楽しむことができます。エホバとの絆はどんどん強まっていくことでしょう。そして,エホバと同じようにいつまでも生きることができるのです。 41:12を読む。)

17. 私たちはエホバにどんな貴重なものを差し出すことができますか。

17 エホバは私たちにたくさんの良いものを与えてくださっています。私たちが楽しい時間を過ごせるのもエホバのおかげです。献身してバプテスマを受ける時,私たちからもエホバに貴重なものを差し出す機会が開かれます。その貴重なものとは何でしょうか。私たちが自分の全てを尽くして喜んで行う奉仕です。それは,天と地の所有者であるエホバでさえ持っていないものです。(ヨブ 1:8; 41:11。格 27:11)エホバに喜んで仕える生き方ほど素晴らしいものはありません。バプテスマを受ける一番の理由はエホバへの愛なのです。

先延ばしにする理由がありますか

18. どんなことを考えるとよいですか。

18 あなたはバプテスマを受けることができますか。この点を真剣に考えるのは大切なことです。(使徒 8:36)もし迷っているなら,この記事で取り上げた3つの点を考えてみてください。1つ目に,あなたは真実で正しいことを愛しているでしょう。次のように自問できます。「自分は,全ての人が真実を語り,正しいことを行う時代が来てほしい,と思っているだろうか」。2つ目に,あなたはイエス・キリストを愛しているでしょう。こう考えてください。「自分はイエスに王として治めてもらいたいと思っているだろうか。イエスの手本に倣いたいと思っているだろうか」。3つ目に,一番大事なこととして,あなたはエホバを愛しているでしょう。こう自問できます。「自分はエホバに仕えてエホバに喜んでもらいたいと思っているだろうか」。こうしたことを心から願っているなら,バプテスマを先延ばしにする理由が何かあるでしょうか。(使徒 16:33

19. バプテスマを受けることをためらう必要がないのはどうしてですか。(ヨハネ 4:34

19 バプテスマをためらっているなら,ヨハネ 4章34節のイエスの言葉を考えてみてください。(読む。)そこでイエスは,エホバの望むことを行うことは食べ物に似ていると言いました。食事をすることは私たちのためになります。イエスは,エホバの望むことを行うなら私たちのためになるということが分かっていました。エホバの言う通りにして悪い結果になるということは決してありません。エホバは,私たちがバプテスマを受けることを望んでいます。(使徒 2:38)私たちに“最高の食事”を楽しんでほしいと思っているのです。バプテスマを受けることは必ず私たちのためになります。そうであれば,バプテスマを受けることを前向きに考えてみるのはどうでしょうか。

20. 次の記事ではどんなことを考えますか。

20 中には,「自分にはまだ早い」と考えてバプテスマをためらう人もいるかもしれません。確かに献身とバプテスマは人生の中でも大きな決定です。それで,じっくり考えるのは良いことです。バプテスマを受けられる段階まで進歩するには時間や努力が必要でしょう。では,具体的にどんなことができるでしょうか。その点は次の記事で考えます。

106番の歌 エホバの友となる

a 聖書を学んでいる人にとって,バプテスマは大切なステップです。バプテスマを受けたいと思う動機は愛です。何に対する愛でしょうか。バプテスマを受けた人はどんな生き方をするようになりますか。この記事ではこうした点を考えます。