研究記事10

5番の歌 キリスト ― わたしたちの手本

バプテスマの後もイエスに従い続ける

バプテスマの後もイエスに従い続ける

「誰でも私に付いてきたいと思うなら,自を捨て,日しみの杭を持ち上げ,絶えず私の後に従いなさい」。ルカ 9:23

ポイント

この記事は,エホバに献身することが自分の生き方にどう関係しているかを考える上で役立ちます。特に,最近バプテスマを受けた人がエホバに仕え続ける上で助けになるでしょう。

1-2. バプテスマを受けるなら,どんな人生を送れますか。

 バプテスマを受けてエホバの家族の一員になれるのはとても幸せなことです。エホバとの素晴らしい絆を持つことができるからです。詩編作者ダビデも次のように言いました。「幸せです,[エホバ]に選ばれて近くに招かれ,[エホバ]の庭に住む人は」。(詩 65:4

2 エホバは,ご自分の庭に入ることを誰にでも許しているわけではありません。前の記事で学んだ通り,エホバはご自分に近づこうとする人を引き寄せます。(ヤコ 4:8)エホバに献身してバプテスマを受けるなら,エホバと特別な友情を築くことになります。エホバは必ず「あふれるほどに祝福を注」いでくださるでしょう。(マラ 3:10。エレ 17:7,8

3. 献身してバプテスマを受けたクリスチャンにはどんな大切な責任がありますか。(伝道の書 5:4,5

3 バプテスマはゴールではなく,スタートラインにすぎません。バプテスマを受けた後は,試練や誘惑に遭ったとしても,エホバに仕え続けるという献身の誓いを守るためにベストを尽くしたいと思うことでしょう。の書 5:4,5を読む。)イエスの弟子として,イエスの手本に倣い,その教えに従うよう努力します。(マタ 28:19,20。ペテ一 2:21)この記事では,そうする上で役立つ点を学びます。

試練や誘惑があってもイエスに従い続ける

4. イエスの弟子たちが「苦しみの杭」を負うとはどういう意味ですか。(ルカ 9:23

4 バプテスマを受けたからといって,いろいろな問題を経験しなくなるわけではありません。イエスは弟子たちに,「苦しみの杭」を「日々」負うことになる,とはっきり言いました。ルカ 9:23を読む。)これは,イエスに従うといつも苦しまなければいけない,ということでしょうか。そうではありません。イエスは,幸せな生き方ができるとはいえ問題を抱えずに済むわけではない,ということを強調していました。大変な試練を経験することさえあります。(テモ二 3:12

5. イエスは,犠牲を払う人にどんなことを約束しましたか。

5 もしかすると,あなたも家族に反対されたり,生活の中で王国を第一にするためにお金や物を犠牲にしたりしてきたかもしれません。(マタ 6:33)エホバは,これまであなたがエホバのためにしてきたことを全部見ていて覚えてくださっています。(ヘブ 6:10)イエスはこう言いました。「私のため,また良い知らせのために,家,兄弟,姉妹,母親,父親,子供,あるいは畑に別れを告げた人は皆,今この時期に百倍を,家,兄弟,姉妹,母親,子供,畑を迫害と共に得て,新しい体制で永遠の命を得ます」。あなたもこの言葉の通りのことを経験してきたかもしれません。(マル 10:29,30)確かに,エホバが与えてくださる良いものは,私たちが犠牲にするどんなものよりもはるかに素晴らしいといえます。(詩 37:4

6. バプテスマを受けた後も「罪深い欲望」と闘い続ける必要があるのはどうしてですか。

6 バプテスマを受けた後も,「罪深い欲望」と闘い続ける必要があります。(ヨハ一 2:16)アダムから罪を受け継いでいるからです。あなたも,次のように語った使徒パウロと同じような気持ちになることがあるかもしれません。「私は,内面では神の律法を本当に喜んでいます。しかし,体の中で別の律法が,考えを導く律法と戦い,私を捕らえて体の中にある罪の律法に従わせているのが分かります」。(ロマ 7:22,23)間違ったことをしたくなる自分にがっかりすることもあるでしょう。でも,献身した時にエホバにした約束について考えるなら,誘惑に立ち向かう助けになります。

7. 献身することは,エホバに忠実に仕え続ける上でどのように助けになりますか。

7 エホバに献身すると,自分を捨てることになります。つまり,間違った欲求を満たそうとしたり,エホバを悲しませるようなことをしたりしないということです。(マタ 16:24)誘惑に遭った時,どうしようかと迷うことはありません。エホバを喜ばせ,忠実に仕え続けることを心に決めているからです。それで,たとえ難しい試練に遭ったとしても,「私は……忠誠を貫く!」と言ったヨブと同じ決意を保つことができます。(ヨブ 27:5

8. 献身した時の祈りを思い返すことは,良くない考えをはねのけるのにどのように助けになりますか。

8 献身した時にエホバに捧げた祈りを思い返すことは,良くない考えをはねのける力になります。例えば,結婚している誰かのことが気になってしまったらどうしますか。その気持ちをそのままにしたり,相手の気を引こうとしたりはしないはずです。エホバを悲しませるようなことはしない,と約束したからです。欲望が膨らんでからではなく,からきっぱり退けるならつらい思いをせずに済みます。「悪人が通る道」から「離れ」ることができるのです。(格 4:14,15

9. 献身した時の祈りについてじっくり考えることは,生活の中でエホバを崇拝することを第一にする上で,どのように助けになりますか。

9 もし,集会に定期的に出席するのが難しくなるような仕事の話が来たらどうしますか。きっと迷うことはないでしょう。そうした話が来るよりもずっと前に,集会に行けなくなるような仕事は受け入れたりしない,と心に決めているからです。それで,良くない決定をしてもなんとかうまくいくのではないか,と考えたりはしないでしょう。この点でイエスの手本についてじっくり考えることは助けになります。イエスは,エホバに喜ばれることをしようと決意していました。私たちも,エホバに献身したことを考えるなら,エホバを悲しませるようなことはどんなことであれきっぱり退けることができます。(マタ 4:10。ヨハ 8:29

10. バプテスマの後もイエスに従い続けられるよう,エホバはどのように助けてくださいますか。

10 試練や誘惑に遭う時,それは「絶えず[イエス]の後に従い」たいと思っていることを証明するチャンスになります。エホバは頑張る私たちのことを必ず助けてくださいます。聖書にはこうあります。「神は信頼できる方で,皆さんが耐えられないほど誘惑を受けるままにはしません。出口を設けて,誘惑に耐え切れるようにしてくださいます」。(コリ一 10:13

イエスに従い続けるには

11. イエスに従い続けるためにはどんなことが大切ですか。(写真も参照。)

11 イエスはエホバに心から仕え,いつでも祈りによってエホバに近づきました。(ルカ 6:12)私たちもエホバとの絆を深める習慣を守るなら,バプテスマの後もイエスに従い続けることができます。聖書にはこう書かれています。「私たちはこれまで進歩してきたのですから,この同じ道をきちんと歩んでいきましょう」。(フィリ 3:16)時には,エホバにもっと仕えようと努力している兄弟姉妹の話を聞くことがあるかもしれません。王国福音伝道者のための学校に出席した人や,さらに伝道者が必要な区域に移動した人たちの話です。もし同じような目標を立てられるなら,それは素晴らしいことです。私たちはみんな,もっと宣教を行いたいという熱意にあふれています。(使徒 16:9)でも,今はそうできないとしたらどうでしょうか。そのような人たちと比べて,自分は劣っているなどと考えないでください。クリスチャンの競走で大切なのは,最後まで走り続けることです。(マタ 10:22)エホバが喜ばれるのは,あなたが状況でできる限りのことをして,精いっぱいエホバにお仕えすることです。それがバプテスマの後もイエスに従い続ける上で大切です。(詩 26:1

バプテスマの後も,エホバとの絆を強めるのに役立つ目標を持ちましょう。(11節を参照。)


12-13. 喜びや熱意が弱くなっているように感じたなら,どんなことができますか。(コリント第一 9:16,17)(「 最後まで走り続けるために」の囲みも参照。)

12 自分の祈りに心がこもっていないとか,宣教がマンネリ化しているとか,聖書通読を前ほど楽しめていない,と感じる場合はどうでしょうか。バプテスマを受けた後にそうした気持ちになるとしても,今の自分はエホバの聖なる力を受けることができていないとは考えないでください。私たちは完全ではないので,気持ちの浮き沈みを経験することがあります。熱意が冷めているように感じる時には,パウロの例を考えてみてください。パウロはイエスに倣おうと努力していましたが,なかなかやる気が出ないこともありました。コリント第 9:16,17を読む。)それでも,「たとえ自分の意志に反して果たすとしても,管理人としての責任があることに変わりはありません」と言っています。パウロは,が湧かない時にも自分の務めを果たそうと心に決めていたのです。

13 私たちも,自分の感情に振り回されないようにしましょう。ちが乗らない時にも正しいことを行うと決意してください。努力を続けるなら,やがて意欲が湧いてくるかもしれません。それまで,信仰を強める良い習慣を守りましょう。そうするなら,バプテスマを受けた後もずっとイエスに従い続ける助けになります。あなたが粘り強く努力を続ける姿は,仲間の兄弟姉妹にとって大きな励みになるに違いありません。(テサ一 5:11

「いつも確かめ……いつも調べてください」

14. 私たちはいつもどんなことを確かめる必要がありますか。それが大切なのはどうしてですか。(コリント第二 13:5

14 バプテスマの後も定期的に自分自身を調べることは大切です。コリント第 13:5を読む。)祈りや聖書の通読や研究,集会への出席,宣教への参加などの習慣を時々見直してみるといいでしょう。こうした活動をもっと楽しむ方法を探しましょう。次のように考えてみることができます。「聖書の基本的な教えを説明できるだろうか。どうすれば宣教をもっと楽しめるだろうか。どれほど具体的に祈っているだろうか。私の祈りにはエホバを心から信頼していることが表れているだろうか。集会に定期的に出席しているだろうか。どうすればもっと集会のプログラムに集中し,良いコメントができるだろうか」。

15-16. ロバート兄弟の経験からどんなことを学べますか。

15 自分がどんな弱さを持っているかを知ることも大切です。ロバート兄弟の例を考えてみましょう。兄弟は自分が経験したことについてこう言っています。「20歳の頃,パートタイムで働いていました。ある日,仕事が終わった後,同僚の女性から家に来るように誘われました。その女性は『2人だけで“夜”を過ごそうよ』と言いました。最初は遠回しにしか断れませんでしたが,最終的には理由を説明してきちんと断ることができました」。ロバート兄弟が誘惑に抵抗したのは立派なことです。でも,後で兄弟はこの出来事について振り返り,もっと上手に対処できたことに気付きました。兄弟はこう言っています。「ヨセフがポテパルの妻からの誘惑に抵抗した時のように,はっきりと,そしてすぐに退けるべきでした。(創 39:7-9)断るのがこんなに大変だとは思いませんでした。この経験を通して,エホバとの絆をもっと強める必要があることに気付きました」。

16 私たちもロバート兄弟のように自分を分析してみることができます。誘惑に抵抗できた場合にも,「はっきり断るまでに時間がかかっただろうか」と考えてみましょう。改善点が見つかったとしても,がっかりしないでください。自分の弱さに気付けたのは良いことです。そのことについて祈り,エホバに従いたいという気持ちを強められるよう,できることを行いましょう。(詩 139:23,24

17. ロバート兄弟の行動は,どのようにエホバの評判を守る結果になりましたか。

17 ロバート兄弟の話には続きがあります。兄弟はこう言っています。「私が誘いを断った後,女性は『よく引っ掛からなかったわね』と言いました。どういう意味か尋ねると,エホバの証人だった友達から,エホバの証人の若者はみんな裏表があるから,チャンスがあれば悪いことをするはずだ,と聞いていたようです。それで,私で試してみようという話になったみたいです。それを知った時,エホバの評判を守ることができて本当に良かったと思いました」。

18. あなたはどんなことを決意していますか。(「 役立つ2つの記事」の囲みも参照。)

18 エホバに献身してバプテスマを受けるなら,どんな時にもエホバの評判を高めたいと思っていることを示せます。エホバは,あなたが直面している試練や誘惑についてよく知っています。そして,忠実を保とうとするあなたの姿を見て喜び,支えてくださいます。エホバが聖なる力を与えて頑張れるようにしてくださるということを確信してください。(ルカ 11:11-13)エホバが必ず助けてくださるので,バプテスマを受けた後もイエスに従い続けることができます。

どのように答えますか

  • 「日々苦しみの杭を持ち上げ[る]」とはどういう意味ですか。

  • バプテスマを受けた後も「絶えず[イエス]の後に従」うために,どんなことができますか。

  • 献身した時の祈りについてじっくり考えることは,エホバに仕え続ける上でどのように助けになりますか。

120番の歌 聴いて,従い,祝福を受けなさい