研究記事16

44番の歌 喜びを抱いて収穫に加わる

伝道をもっと楽しむには?

伝道をもっと楽しむには?

「喜んでエホバに仕えよ」。詩編 100:2

ポイント

伝道をもっと楽しむためにどんなことができるかを考えます。

1. 伝道についてどう感じている兄弟姉妹がいますか。(写真も参照。)

 私たちはお父さんエホバを愛していて,エホバについて多くの人に知ってもらいたいと思っているので伝道しています。でも,なかなか伝道を楽しめないという人もいます。恥ずかしがり屋だったり,上手に話せないと感じたりするのかもしれません。知らない人の家に行くことに緊張してしまったり,家の人が怒ったらどうしようと不安になったりする場合もあります。あまり波風を立てないようにと教えられてきた人もいます。このように,エホバをとても愛していても,知らない人に良い知らせを伝えるのを難しく感じる場合があります。それでも兄弟姉妹は,この仕事がとても大切だということをよく知っているので伝道に定期的に参加しています。エホバはその姿を見てとても喜んでいます。

あなたは伝道を楽しんでいますか。(1節を参照。)


2. 伝道をなかなか楽しめないとしても,がっかりしなくていいのはどうしてですか。

2 あなたも,伝道をなかなか楽しめないと感じることがありますか。もしあるとしても,がっかりしないでください。自信がないと感じるのは,謙虚であることの表れかもしれません。自分に注目させないようにしたいとか,人と穏やかに接したいと思っているのでしょう。それに,誰かを怒らせたいと思う人は一人もいません。人のためになることを行いたいと思っている場合はなおさらそうです。お父さんエホバは私たちのこうした気持ちをよく分かってくれていて,助けになりたいと思っています。(イザ 41:13)この記事では,ネガティブな気持ちを乗り越え,伝道をもっと楽しむのに役立つ5つの点を考えます。

神の言葉から力をもらう

3. エレミヤは何から力をもらいましたか。

3 これまで神に仕える人たちは,難しく思える仕事に取り組む力を神の言葉からもらってきました。預言者エレミヤの例を考えてみましょう。エレミヤは,エホバからのメッセージを伝えるという任務を与えられた時,とても不安になりこう言いました。「私はどのように話したらいいか分かりません。少年にすぎないからです」。(エレ 1:6)では,エレミヤはどのようにして自信のなさを乗り越えたのでしょうか。エホバの言葉から力をもらいました。こう言っています。「神の言葉は……骨の中に閉じ込められた火のようになりました。私はそれを抑えるのに疲れ……ました」。(エレ 20:8,9)エレミヤが与えられた任務は難しいものでしたが,自分が伝えることになっていたメッセージから力を得ることができました。

4. 神の言葉を読んでじっくり考えるなら,どんな良いことがありますか。(コロサイ 1:9,10

4 私たちも神の言葉から力を得ることができます。コロサイの会衆に宛てた手紙の中でパウロは,正確な知識があるなら,「エホバに仕える人にふさわしい歩み方をし,……あらゆる善いことを行って実を結び」続けることができると言いました。コロサイ 1:9,10を読む。)この「善いこと」には良い知らせを伝えることも含まれます。神の言葉を読んでじっくり考えるなら,エホバへの信仰は強くなり,王国のメッセージを伝えることがどうして大切なのかがはっきり分かるようになります。

5. 聖書を読んだり学んだりする時に,どんなことを意識できますか。

5 聖書から力をもらうためには,読んだり学んだり考えたりする時にじっくり時間をかけることが大切です。聖書を読んでいて分かりにくい部分があったなら,そのまま先に進むのではなく,「ものみの塔出版物索引」や「エホバの証人のためのリサーチガイド」を使って調査しましょう。時間をかけて学ぶなら,聖書に書かれていることが正確であるという確信を強めることができます。(テサ一 5:21)この確信が強くなればなるほど,学んだことを伝えたいという気持ちは強くなるでしょう。

よく準備する

6. よく準備してから伝道に出掛けることが大切なのはどうしてですか。

6 よく準備して伝道に出掛けるなら,気持ちにゆとりを持って話すことができるでしょう。イエスは,よく準備してから伝道に出掛けるように弟子たちを助けました。(ルカ 10:1-11)弟子たちはイエスに教えられた通りにした結果,伝道で良い経験をし,深い喜びを味わうことができました。(ルカ 10:17

7. 伝道のためにどんな準備ができますか。(写真も参照。)

7 では,伝道のためにどんな準備ができるでしょうか。どうすれば自分の言葉で自然に伝えられるかを考えるのは大切です。区域の人のよくある反応について幾つか考えておき,どのように答えられるかを準備しておくことも助けになります。実際に話す時にはリラックスし,笑顔でフレンドリーに話すように心掛けましょう。

よく準備する。(7節を参照。)


8. クリスチャンはどのように「土の器」に似ていますか。

8 使徒パウロは伝道するという役割についてこう言っています。「私たちはこの宝を土の器に入れて持っています」。(コリ二 4:7)ここで言う宝とは,王国について伝えるという人々の命を救う活動のことです。(コリ二 4:1)では,土の器とは何のことですか。それは,神からの良い知らせを伝える人たちのことです。パウロの時代,商人たちは土でできたつぼを使って食べ物やぶどう酒やお金など大切な物を運びました。同じようにエホバは私たちを用いて良い知らせを人々に伝えます。このようにエホバが信頼してくださっているので,私たちはエホバの助けを得ながら伝道活動を続けることができます。

勇気を求めて祈る

9. どうすれば恐れの気持ちを乗り越えられますか。(写真も参照。)

9 時には,伝道でどんな反応が返ってくるだろうと怖くなることもあるかもしれません。そういう気持ちをどうすれば乗り越えられるでしょうか。1世紀の使徒たちの例を考えてみましょう。伝道しないようにと命じられた時,使徒たちはどうしたでしょうか。恐れに負けてしまうのではなく,「できる限り大胆に[神]の言葉を語り続けられるようにしてください」とエホバに祈りました。エホバはすぐにこの祈りに答えました。(使徒 4:18,29,31)私たちも,恐れを感じる時にはエホバに祈りましょう。人々への愛を強めて恐れずに語れるようにしてください,とお願いすることができます。

勇気を求めて祈る。(9節を参照。)


10. 私たちがエホバの証人としての役割を果たせるよう,エホバはどのように助けてくれますか。(イザヤ 43:10-12

10 エホバは私たちをご自分の証人として選んでくださいました。そして,私たちが勇気を持てるように助けると約束してくれています。イザヤ 43:10-12を読む。)では,どのように助けてくれるでしょうか。1つ目に,良い知らせを伝える時にはいつもイエスが一緒にいてくれます。(マタ 28:18-20)2つ目に,天使たちの助けもあります。(啓 14:6)3つ目に,聖なる力を与えて,私たちが学んだことを思い出せるように助けてくれます。(ヨハ 14:25,26)4つ目に,一緒に伝道できる兄弟姉妹を与えてくれています。エホバの助けと仲間のサポートがあるので,私たちは勇気を持って伝道し続けることができます。

柔軟に,正しい考え方で

11. どうすればもっと多くの人に会えるかもしれませんか。(写真も参照。)

11 伝道で家を訪ねても,なかなか人に会えなくてがっかりすることがありますか。そんな時は少し考えてみましょう。「今,区域の人はどこにいるんだろう。仕事をしているんだろうか,買い物をしているんだろうか」。(使徒 16:13)もし人に会えないのであれば,街路伝道をしてみるのはいかがですか。ジョシュア兄弟はこう言っています。「ショッピングモールや駐車場など,人の集まる場所を歩きながら伝道できることが分かりました」。兄弟と妻のブリジット姉妹は,夕方や日曜日の午後に家を訪問するとより多くの人に会えることにも気付きました。(エフェ 5:15,16

柔軟に奉仕する。(11節を参照。)


12. 相手が関心を示さないなら,どんなことができますか。

12 もし自分が伝えている内容に相手が関心を示さないなら,その人がどんなことを考え,気に掛けているのかを知るようにしましょう。ジョシュア兄弟とブリジット姉妹は,パンフレットの表紙にある質問を活用しています。例えば,「聖書ってどんなイメージ?」のパンフレットを見せながらこう言います。「聖書は神からの本だと言う人もいれば,別の考えを持っている人もいます。あなたはどう思いますか」。2人はこうした質問をきっかけに会話を楽しんでいます。

13. 伝道で望んだ通りの成果が出ないとしても,成功しているといえるのはどうしてですか。(格言 27:11

13 伝道に参加しているなら,望んだ通りの成果が出ないとしても成功していることになります。なぜなら,エホバとイエスが願っていることを行えているからです。(使徒 10:42)たとえ伝道で誰とも話せなかったり断られたりしたとしても,エホバが喜んでくださっているので喜ぶことができます。 27:11を読む。)

14. 会衆の仲間が聖書に関心を持つ人を見つけた時,どうして喜ぶことができますか。

14 会衆の仲間が聖書に関心を持つ人を見つけたなら,一緒に喜ぶことができます。以前の「ものみの塔」の記事では,伝道が行方不明になった子供を捜す活動に例えられていました。子供を見つけるために,みんなで分担して捜します。子供が見つかると,見つけた人だけでなくみんなが一緒に喜びます。同じように,人々を弟子とする活動もチームで行います。隅々まで捜すにはチーム全員の協力が必要です。集会に新しい人が出席したなら,みんなで喜ぶことができます。

エホバと人々への愛を強める

15. マタイ 22章37-39節の言葉は,伝道への熱意を高める上でどのように助けになりますか。(写真も参照。)

15 エホバと人々への愛を強めるなら,伝道をもっと熱心に行いたいという気持ちになります。マタイ 22:37-39を読む。)考えてみてください。私たちが伝道を頑張る様子を見て,エホバはどれほど喜んでくださるでしょうか。人々が聖書を学ぶなら,どれほど幸せな生活を送れるようになるでしょうか。そして,聖書の教えに合わせて生き方を変える人は永遠に生きられるようになる,ということも考えることができます。(ヨハ 6:40。テモ一 4:16

エホバと人々への愛を強めるなら,伝道がもっと楽しめるようになる。(15節を参照。)


16. 家から出られない状況であっても,どのように宣教を楽しめますか。

16 あなたは何らかの理由で家から出られない状況にありますか。もしそうなら,エホバと人々への愛を示すためにどんなことができるかに目を向けるようにしてください。サムエル兄弟とダニア姉妹は,新型コロナのパンデミックで外出を制限されている中でも,電話や手紙で伝道したり,Zoomを使って聖書レッスンをしたりしました。兄弟はがんの治療のために通っていた病院で出会う人たちに伝道しました。こう言っています。「つらい経験をすると,心身ともにダメージを受け,信仰面でも闘う必要があります。それで,エホバに仕えることから喜びを感じることが大切です」。このような大変な時期に,ダニア姉妹は転んで3カ月間寝たきりになってしまいました。その後,半年間も車椅子が必要になりました。姉妹はこう言っています。「自分の置かれた状況の中でできることは何でもしました。訪問してくれる看護師や家に配達に来た人に伝道することができました。医療機器の会社のスタッフと電話で良い会話をすることもできました」。サムエル兄弟もダニア姉妹も難しい状況にありましたが,できることを行って喜びを味わうことができました。

17. どうすれば,この記事で学んだことを最大限に生かせますか。

17 この記事で学んだ提案の一つ一つは,料理のレシピの材料のようなものです。全ての材料を上手に組み合わせると,おいしい料理が出来上がります。それで,この記事で学んだ提案の1つだけではなく,全てに取り組むようにしましょう。そうすれば,ネガティブな気持ちに上手に対処し,伝道をもっと楽しむことができます。

伝道を楽しむために,以下の点はどのように助けになりますか

  • よく準備すること

  • 勇気を求めて祈ること

  • エホバと人々への愛を強めること

1番の歌 エホバの属性