研究記事22

61番の歌 わたしはどんな人になるべきだろうか

付き合っている2人ができること

付き合っている2人ができること

「内[は]とても価があります」。ペテロ第一 3:4

ポイント

付き合っている2人は良い決定をするためにどんなことができるか,また,会衆の仲間はどのようにサポートできるかを考えます。

1-2. 付き合うことについて,ある人たちはどんなふうに感じていますか。

 誰かと付き合うと,うれしくて胸がどきどきするものです。もし今付き合っているなら,その時間を楽しいものにしたいと思っていることでしょう。多くの兄弟姉妹は実際に楽しい時間を過ごしています。エチオピアのシーヤン姉妹は,付き合っていた頃を思い返してこう言っています。 a 「すごくいい時間でした。真面目な話もしましたが,よく笑いました。大好きな人が自分のことを好きになってくれていると考えると,とても幸せな気持ちになりました」。

2 一方,オランダのアレッシオ兄弟はこう言います。「付き合っている時,相手のことを知るのはとても楽しかったですが,2人で乗り越えないといけないこともありました」。この記事では,付き合っている時に起きるかもしれない問題や役立つ聖書の言葉を考えます。会衆の仲間が,付き合っている2人をどうサポートできるかも学びます。

付き合うのは何のため?

3. 付き合うのは何のためですか。(格言 20:25

3 誰かと付き合うのはとても楽しいことですが,それは結婚につながるかもしれない大切なステップでもあります。結婚式の日,2人は生きている限り互いを愛し,敬意を示し合うことをエホバに誓います。どんな誓いをする場合でも,その前に注意深く考えることが必要です。 20:25を読む。) 結婚の誓いについてもまさにそういえます。結婚する前に付き合うことで,互いのことをよく知り,良い決定をすることができます。結婚するという決定もあれば,付き合うのをやめるという決定もあるでしょう。たとえ別れることになったとしても,失敗ではありません。結婚すべきかどうかを見極めることができたのですから,良い決定ができたといえます。

4. 付き合うことについて,私たちみんなが正しい見方を持つ必要があるのはどうしてですか。

4 付き合うことについて正しい見方を持つことが大切なのはどうしてですか。そうできているなら,独身の人は結婚するつもりがないのにデートをしたりすることはないでしょう。正しい見方を持つ必要があるのは独身の人だけではありません。私たちみんながそうすべきです。中には,付き合ったら結婚するものだと決め付ける人たちがいます。このような見方について,独身のクリスチャンはどう感じているでしょうか。米国のメリッサ姉妹はこう言います。「付き合っている2人は,周りの兄弟姉妹からプレッシャーを感じることがあります。それで,関係がうまくいっていないのに付き合い続けてしまう人や,そもそも付き合い始めるのをためらってしまう人もいます。そういうプレッシャーって結構大変なんです」。

互いをよく知る

5-6. 互いにどんなことを知る必要がありますか。(ペテロ第一 3:4

5 今付き合っているなら,結婚するかどうか決めるのに何が役立ちますか。互いをよく知ることです。もちろん,付き合い始める前から相手のことをいくらか知っていたでしょう。でも,今はその人の「内面」をよく知る必要があります。ペテロ第 3:4を読む。) 自分の夫や妻になるかもしれない人がエホバとどれほど強い絆を持っているか,どんな性格や考え方をしているかをもっと知るようにしましょう。やがて次のようなことがはっきり分かってくるはずです。「この人は自分にとって良い結婚相手といえるだろうか」。(格 31:26,27,30。エフェ 5:33。テモ一 5:8)「お互いが必要としている愛情や関心を示せるだろうか。お互いの欠点を受け入れられるだろうか」。 bロマ 3:23)覚えておきたい点があります。似ているところがあるからといって相性がいいとは限りません。大切なのは,互いの違いにどれほど合わせられるかです。

6 ほかにも互いについてどんなことを知る必要がありますか。気持ちが高まり過ぎる前に,将来の目標など大切なことについて話し合っておきたいと思うでしょう。では,健康やお金に関する問題やトラウマになっていることなど,プライベートな点についてはどうでしょうか。付き合ってすぐに全部話す必要はありません。(ヨハネ 16:12と比較。)まだ話したくないと思う点については,そう思っていることを相手に伝えましょう。でも,バランスの取れた良い決定をするためには,そうした情報をいつかは話す必要があるでしょう。

7. どうすれば互いを知ることができますか。(「 遠距離の場合」の囲みを参照。)(写真も参照。)

7 どうすれば互いの内面をよく知ることができるでしょうか。本当の気持ちを話し,質問し,よく聞きましょう。(格 20:5。ヤコ 1:19)会話を楽しみながら行えることを一緒にするのは良い方法です。例えば,人目がある所で一緒に散歩したり,食事をしたり,伝道したりすることができます。家族や友達と過ごす時にも互いを知ることができます。相手がいろいろな場面で人にどう接するかに注目するようにしましょう。オランダのアシュウィン兄弟は,アリシア姉妹と付き合っていた時のことについてこう言っています。「いろんな機会にお互いをよく知るようにしました。一緒に食事を作ったり日常のちょっとしたことを行ったりするだけでも,お互いの長所や短所が見えてくるものです」。

会話を楽しみながら何かを一緒にするなら,互いをもっとよく知ることができる。(7-8節を参照。)


8. 付き合っている2人が一緒に聖書を学ぶと良いのはどうしてですか。

8 一緒に聖書を学ぶのも,互いのことを知る良い機会になります。結婚すると,家族の崇拝のための時間を取り分ける必要があります。夫婦としてエホバに仕えることを大切にするためです。(伝 4:12)それで付き合っている時から,一緒に研究する時間を予定に含めるのはとても良いことです。もちろん2人はまだ家族ではありませんし,兄弟は姉妹の頭ではありません。とはいえ,定期的にそういう時間を取るなら,相手がエホバとどんな絆を持っているかを知ることができます。米国のマックス兄弟とリーサ姉妹はやってみて良かったことについてこう言っています。「私たちは付き合い始めてすぐ,デートや結婚,家族生活について出版物を調べて話し合うようにしました。そうすることで,話題にしにくい大切なことをいろいろ話すきっかけができました」。

ほかにも考えたいこと

9. 付き合っていることを誰に伝えるかを決める時に,どんな点を考えることができますか。

9 き合っていることを誰に伝えるか。これは2人が決めることです。付き合い始めたばかりの時は,あまり多くの人に伝えないようにしたいと思う人もいます。(格 17:27)そうすることで,いろいろ質問されたり,プレッシャーを掛けられたりせずに済むかもしれません。でも,ほかの人に知られたくないと思って誰にも伝えないとしたら,誰からも助けてもらえなくなってしまいます。それは危険なことです。それで,良いアドバイスやサポートをしてくれそうな人たちに伝えておくのは良いことです。(格 15:22)例えば,家族や信頼できる友人や長老たちが助けになってくれるかもしれません。

10. 付き合っている間も,どうすればエホバに喜ばれる行動ができますか。(格言 22:3

10 き合っている間もどうすればエホバに喜ばれる行ができるか。親しくなると互いに引かれ合うのは自然なことです。そういう時もどうすればエホバに喜ばれる行動ができるでしょうか。(コリ一 6:18)お酒を飲み過ぎたり,2人きりになったり,不道徳な内容の会話をしたりしないようにしましょう。(エフェ 5:3)そうしたことをすると,気持ちが高まってしまい,正しいことをしたいという決意が弱まることがあります。互いを大切にし,エホバの基準を守るために何ができるか定期的に話し合うことは助けになります。 22:3を読む。) どんなことが役に立ったか,エチオピアのダウィト兄弟とアルマズ姉妹はこう言っています。「人がたくさんいる所や周りに友達がいる所で一緒に時間を過ごすようにしました。車や家の中で2人きりになったことはありません。そのようにして,気持ちが高まってしまうようなシチュエーションを避けました」。

11. 愛情表現の仕方について話し合う時,どんなことを考えられますか。

11 愛情の表現についてはどうでしょうか。親しくなるにつれて適切な仕方で愛情を表現したいと思うようになるかもしれません。でも,感情が高まると相手への接し方について冷静な判断をするのは難しくなるでしょう。(ソロ 1:2; 2:6)愛情の表現に歯止めが利かなくなって,エホバが悲しむことをしてしまうかもしれません。(格 6:27)それで,付き合い始めて早いうちにエホバの基準について話し合い,愛情の表現の限度をはっきり決めておくようにしましょう。 cテサ一 4:3-7)次の点を話し合ってください。「自分たちの愛情表現の仕方を見て,周りの人はどう思うだろうか。そうした愛情表現がきっかけで,自分や相手の感情が良くない方向に進んでしまったりしないだろうか」。

12. 意見が合わない場合,どんな点を考えることができますか。

12 が合わない場どうすればいいか。時々意見が合わないことがあるなら,それは2人の関係がうまくいっていないということでしょうか。必ずしもそうではありません。みんな意見は違うものです。互いの意見を尊重し,相手に進んで合わせるなら,絆の強い夫婦になれるでしょう。それで,交際中にぶつかる問題にどう取り組んでいるかによって,結婚生活がうまくいくかどうかが見えてくるかもしれません。2人で次の点を考えてみましょう。「問題について穏やかに敬意を込めて話し合えているだろうか。欠点を素直に認めて改善しようとしているだろうか。進んで譲ったり謝ったり許したりしているだろうか」。(エフェ 4:31,32)付き合っている時に,意見が合わなかったり言い合いになったりすることがしょっちゅうあるなら,結婚した後もそれは変わらないかもしれません。もし自分にとってその人はふさわしくないと気付いたなら,別れるのが2人にとって一番良い場合もあります。 d

13. 付き合う期間について,どんなことを考えるといいですか。

13 どれくらいの期き合えばいいか。急いで決定すると,良くない結果になることが少なくありません。(格 21:5)それで,相手をよく知るために十分な時間をかけましょう。とはいえ,必要以上に長引かせないようにしましょう。聖書にも「期待がなかなか実現しないと落ち込む」とあります。(格 13:12)また,関係が深まると,性的な衝動を抑えにくくなるかもしれません。(コリ一 7:9)それで,大切なのは付き合う期間の長さではありません。「結婚するかどうかを決められるほど,相手を十分に知ることができているだろうか」と考えましょう。

周りの人はどのようにサポートできるか

14. 周りの人はどのようにサポートできますか。(写真も参照。)

14 付き合っている2人を,周りの人はどのようにサポートできるでしょうか。食事や遊びや家族の崇拝に誘うことができます。(ロマ 12:13)そうした機会に2人は互いのことをもっとよく知れるでしょう。ほかにも,付き添いをしたり,車に同乗したり,家に呼んで2人がゆっくり話せるようにしてあげたりすることもできます。(ガラ 6:10)先ほど出てきたアリシア姉妹は,アシュウィン兄弟と付き合っていた時にありがたく感じたことについてこう言っています。「『2人で話す場所が必要な時は,私たちがいるからうちに来てね』と兄弟姉妹が言ってくれて,とてもうれしかったです」。付き添いを頼まれたなら,仲間をサポートできる貴重な機会だと考えましょう。2人きりにならないよう気を付けつつ,2人が落ち着いてプライベートなことを話せるようにしてあげることも大切です。(フィリ 2:4

周りの人は,付き合っている2人をいろいろな方法でサポートできる。(14-15節を参照。)


15. ほかにもどのようにサポートできますか。(格言 12:18

15 周りの人は,何を言って何を言わないかにも気を配りましょう。自制が必要な時もあります。 12:18を読む。) 例えば,誰かが付き合い始めたことをほかの人に言いたくなることがあるかもしれません。でも,本人たちは自分で伝えたいと思っているかもしれません。周りの人は,付き合っている2人についてうわさしたり,個人的な事柄について批判したりすべきではありません。(格 20:19。ロマ 14:10。テサ一 4:11)結婚しないといけないというプレッシャーを掛けるようなことを言ったり聞いたりすべきでもありません。エレーザ姉妹と夫は振り返ってこう言っています。「まだそこまで話が進んでいないのに,ほかの人から結婚式の計画について聞かれた時は,とても気まずく感じました」。

16. 2人が別れた場合,周りの人はどんなことを心に留めておくことができますか。

16 もし2人が別れることにしたなら,詮索したり,どちらかの肩を持ったりしないように気を付けましょう。(ペテ一 4:15)レイア姉妹はこう言います。「付き合っていた兄弟と別れた時,その理由についていろいろうわさされているのを聞きました。本当に傷つきました」。先ほど考えたように,別れることが失敗というわけではありません。結婚すべきかどうかを見極められたのですから,付き合ったことには大切な意味がありました。それでも,傷ついた気持ちを引きずったり寂しく思ったりするかもしれません。それで,周りの人は優しくサポートしてあげましょう。(格 17:17

17. 付き合っている2人はこれからもどんな点で努力できますか。

17 これまで考えた通り,交際期間は乗り越えないといけないことがいろいろありますが,楽しい時間でもあります。ジェシカ姉妹はこう言っています。「正直言って,付き合うというのは簡単なことではありません。でも,時間やエネルギーをかけて本当に良かったと思います」。もし今誰かと付き合っているなら,互いをよく知るためにこれからも努力を続けてください。そうするなら,2人にとって良い決定をすることができるでしょう。

11番の歌 エホバの心を喜ばせる

a 一部の名前は変えてあります。

b ほかにも考えるとよい点については「若い人が尋ねる質問 ― 実際に役立つ答え」第2巻39-40ページを参照。

c 相手の性器を刺激することは性的不道徳に含まれ,会衆の長老たちは審理処置を取る必要があります。胸を触ることや,メッセージや電話で性的に不道徳な内容の会話をすることも,状況によっては審理処置が必要になります。

d 「ものみの塔」1999年8月15日号の「読者からの質問」も参照。