研究記事20
92番の歌 『み言葉を宣べ伝えなさい』
愛を力にして良い知らせを伝える
「全ての国の人々の間で,良い知らせがまず伝えられなければなりません」。マルコ 13:10
ポイント
愛は自分の全てを尽くして熱心に伝道する力になります。どうしてそういえますか。
1. 2023年の年次総会ではどんなことが知らされましたか。
2023年の年次総会で,私たちは幾つかの理解の調整や宣教に関する発表を聞いて胸が躍りました。 a 例えば,大いなるバビロンが滅ぼされた後にもエホバに仕えるようになる人がいるかもしれない,と説明されました。また,2023年11月以降,伝道者は自分が行った宣教について詳しく報告をする必要はないことが知らされました。このような変更があったということは,私たちが宣教の手を緩めてもいいということでしょうか。もちろんそうではありません。
2. 伝道することが日に日に重要になっているのはどうしてですか。(マルコ 13:10)
2 伝道することは日に日に重要になっています。残された時は少なくなっているからです。イエスは,終わりの時代の伝道活動についてどんなことを予告したでしょうか。(マルコ 13:10を読む。) マタイの並行記述によると,イエスは,良い知らせが世界中で伝えられた後に「終わり」が来ると言いました。(マタ 24:14)これはサタンの邪悪な体制が完全に終わる時のことを指しています。エホバはこうしたことが起きる「日と時刻」を決めています。(マタ 24:36; 25:13。使徒 1:7)1日ごとにその日は近づいているのです。(ロマ 13:11)終わりが来るまでの間,私たちは伝道し続ける必要があります。
3. 伝道を行う動機は何ですか。
3 私たち一人一人は宣教について次の点を真剣に考えたいと思います。良い知らせを伝える動機は何かということです。一言で言えば,それは愛です。私たちは伝道する時,愛を表すことになります。良い知らせに対する愛,人々への愛,そして何よりもエホバとエホバの名前に対する愛です。こうした点を1つずつ考えてみましょう。
良い知らせに対する愛
4. 良いニュースを聞くとどんな気持ちになりますか。
4 あなたはこれまで何かの良いニュースを聞いて感激したことがありますか。例えば,家族に赤ちゃんが生まれたとか,念願の仕事が決まったなどと聞いた時です。その知らせを家族や友人に早く知らせたいと思ったことでしょう。王国の良い知らせというこの上なく素晴らしいニュースを聞いた時も,同じように感じたのではないでしょうか。
5. 聖書の真理を初めて聞いた時,どんな気持ちになりましたか。(写真も参照。)
5 聖書の真理を初めて聞いた時にどんな気持ちになったか思い出してください。例えば,天のお父さんエホバがあなたを愛していて,家族に迎え入れたいと思っていることを知りました。また,エホバが苦しみを終わらせてくださるという約束や,亡くなった愛する人たちと新しい世界でまた会えるという希望についても学びました。(マル 10:29,30。ヨハ 5:28,29。ロマ 8:38,39。啓 21:3,4)こうした真理を聞いて心が温かくなったことでしょう。(ルカ 24:32)学んだことを愛するようになり,貴重な真理を他の人に伝えずにはいられなくなったはずです。(エレミヤ 20:9と比較。)
6. アーネスト兄弟とローザ姉妹の例からどんなことが学べますか。
6 アーネストの例を考えてみましょう。 b アーネストは10歳の頃に父親を亡くしました。こう言っています。「『天に行ったのだろうか,それとも永遠にいなくなったのだろうか』と考えたものです。父親のいる子どもたちがうらやましく思えました」。毎日のように墓地に通い,父親の墓の前にひざまずき,「神様,どうか教えてください。パパはどこにいるのでしょうか」と祈りました。父親が亡くなって17年がたった頃,アーネストは聖書レッスンを勧められ,すぐに受け入れました。そして,死んだ人は深く眠っているかのように何の意識もないことや,復活の希望があることについて知り,感激しました。(伝 9:5,10。使徒 24:15)ずっと疑問に思っていたことの答えをついに見つけることができたのです。妻のローザも聖書を学び始め,王国のメッセージを愛するようになりました。2人は1978年にバプテスマを受けました。そして,学んだことを友人や家族を含め多くの人に熱心に伝えました。その結果,70人以上の人がバプテスマを受けました。
7. 聖書の真理を心から愛するようになると,どうしたくなりますか。(ルカ 6:45)
7 聖書の真理を心から愛するようになると,みんなに伝えたくなるものです。(ルカ 6:45を読む。) 1世紀のイエスの弟子たちは,「見聞きしたことについて話すのをやめるわけにはいきません」と言いました。(使徒 4:20)私たちも同じ気持ちです。真理をとても愛しているので,できるだけ多くの人に伝えたいと思います。
人々に対する愛
8. どんなことを考えると,良い知らせを伝えたいと思うようになりますか。(「 愛を込めて弟子を育てる」という囲みを参照。)(写真も参照。)
8 私たちは,エホバやイエスと同じように人々を愛しています。(格 8:31。ヨハ 3:16)「希望もなく,神を知らずに」生活している人たちのことを考えると,胸が痛みます。(エフェ 2:12)多くの人はいろいろな問題を抱え,抜け出せない深い穴の中にいるように感じているかもしれません。でも,私たちは王国の良い知らせというロープを使って,その人たちをそこから引き上げることができます。人々への愛や思いやりがあるなら,良い知らせを伝えるためにできる限りのことをしたいと思います。私たちが伝えるメッセージを聞く人たちは希望を持つことができます。そして,今幸せな生活を送るだけでなく,将来「真の命」を得て新しい世界で永遠に生きることができるのです。(テモ一 6:19)
9. 私たちは,これから起きるどんなことについて警告していますか。どうしてですか。(エゼキエル 33:7,8)
9 さらに,人々を愛しているなら,間もなく悪い世界が終わることについて警告せずにはいられなくなります。(エゼキエル 33:7,8を読む。) 自分の家族を含め,エホバに仕えていない人たちを助けたいと思います。多くの人たちは,これから起きることを知らずに生きています。間もなく,「世界の始めから今まで起きたことがなく……二度と起きないような大患難」があります。(マタ 24:21)裁きの時に,間違った宗教が滅ぼされ,ハルマゲドンで邪悪な体制全体が終わりを迎えます。(啓 16:14,16; 17:16,17; 19:11,19,20)私たちは,できるだけ多くの人がそのことを知って警告に従い,エホバの崇拝に加わることを願っています。では,私たちの家族を含め,今警告を聞こうとしない人たちはどうなるのでしょうか。
10. これから起きることについて今警告することはどうして重要ですか。
10 前の記事で説明された通り,エホバは,大いなるバビロンが滅びる様子を見てエホバに信仰を持つようになる人たちを救うかもしれません。そうであれば,もうすぐ起きることについて人々に警告し続けることはますます重要になるといえます。どうしてですか。私たちが今伝えていることを将来人々が思い出すかもしれないからです。(エゼキエル 33:33と比較。)警告の内容を思い出し,手遅れになる前に私たちと一緒にエホバに仕えたいと思うようになるかもしれません。フィリピの牢番は,「大きな地震が起き」た後,信仰を持つようになりました。同じように,今は反応がない人であっても,大いなるバビロンの滅びという世界を揺るがす出来事を見て,信仰を持つようになるかもしれません。(使徒 16:25-34)
エホバとエホバの名前に対する愛
11. エホバはどのように栄光と栄誉と力を受けますか。(啓示 4:11)(写真も参照。)
11 私たちが良い知らせを伝える一番の理由は,エホバとその神聖な名前を愛しているからです。私たちは伝道することによって,大好きなエホバを賛美したいと思います。(啓示 4:11を読む。) そして,「私たちの神エホバ,あなたは栄光と栄誉と力を受けるのにふさわしい方です」という言葉に心から同意しています。エホバが「全てのものを創造された」証拠や,私たちがエホバのおかげで存在していることについてみんなに伝える時,エホバの栄光と栄誉をたたえることができます。また,自分の時間や体力や持っている物をできる限り伝道のために使うなら,自分の力をエホバに捧げていることになります。(マタ 6:33。ルカ 13:24。コロ 3:23)私たちはエホバのことが大好きなので,エホバについてみんなに話します。さらに,エホバの名前とその意味についてみんなに伝えたいとも思っています。どうしてでしょうか。
12. 伝道する時,どのようにエホバの名前を神聖なものとすることができますか。
12 私たちはエホバを愛しているので,エホバの名前が神聖なものとされることを心から願っています。(マタ 6:9)私たちは,サタンがエホバについて悪意のあるうそを広めていることをみんなに知ってほしいと思っています。(創 3:1-5。ヨブ 2:4。ヨハ 8:44)それで,伝道する時にはエホバについて熱意を込めて話します。エホバが愛にあふれた方であることや,エホバの統治が正しくて公平なこと,また,神の王国によって全ての苦しみがなくなり,人間が平和で幸せに暮らせるようになることなどです。(詩 37:10,11,29。ヨハ一 4:8)こうした点を伝える時,エホバの名前を神聖なものとすることができます。また,エホバの証人という名前にふさわしく行動できているという満足感を持つこともできます。どうしてですか。
13. エホバの証人と呼ばれることを誇りに思うのはどうしてですか。(イザヤ 43:10-12)
13 エホバは私たちのことを「証人」と呼んでいます。(イザヤ 43:10-12を読む。) 以前,統治体からの手紙に次のように書かれていました。「人が持つことのできる最大の誉れは,エホバの証人の一人とみなされることなのです」。 c どうしてそういえるのか,例えで考えてみましょう。あなたが何かのことで訴えられているとします。その訴えがうそであることを証明するために,どんな人を証人として選びたいと思いますか。きっと,あなたがよく知っていて,信頼でき,評判が良い人を選びたいと思うことでしょう。そのような人の証言は信用されます。エホバは私たちを証人として選んでくださいました。エホバは私たちのことをよく知っていて,エホバだけが本当の神であると私たちが証言できることを確信してくださっています。私たちは証人としてエホバについて語れることを光栄に思います。それで,機会がある時はいつでもエホバの名前を知らせ,エホバについて悪く言われていることが真実ではないということを伝えるようにします。そのようにして,エホバの証人という名前の通りに行動していることを示すことができます。(詩 83:18。ロマ 10:13-15)
終わりが来るまで伝道を続ける
14. どんな素晴らしいことが将来起きるかもしれませんか。
14 近い将来に起きる事柄について考えると,わくわくします。大患難が始まるまでにエホバの助けによってさらに多くの人が真理を受け入れる様子をぜひ見たいと思います。また,人間の歴史の中で一番暗い時期といえる大患難の間でさえ,サタンの側から離れてエホバに仕えるようになる人たちがいるかもしれないのです。本当に素晴らしいことではないでしょうか。(使徒 13:48)
15-16. これからもどんなことを行い続けますか。いつまでそうしますか。
15 それまでの間,私たちにはすべきことがあります。神の王国の良い知らせを世界中に伝える仕事です。これは二度と繰り返されることはありません。また,私たちはこれから起きることについて警告し続ける必要があります。この邪悪な体制の終わりがどんどん近づいていることを人々は知る必要があります。その終わりが来る時,私たちが伝えていたメッセージがエホバから来ていたことを全ての人が知ることになります。(エゼ 38:23)
16 では,私たちはどんなことを決意していますか。愛を力にして伝道することです。それは,良い知らせに対する愛,人々への愛,そして何よりもエホバとエホバの名前に対する愛です。終わりが近いことを意識しつつ,エホバが「伝道活動はこれで終わりです!」という時まで熱い心で伝道し続けましょう。
65番の歌 「これが道である」
「ものみの塔」(研究用)