研究記事28

43番の歌 目ざめて,しっかり立ち,力強い者となりなさい

真理を見分けていますか

真理を見分けていますか

「しっかり立つため,真のベルトを腰に巻[く]」。エフェソス 6:14

ポイント

エホバから学んだ真理と,サタンや反対者たちが広めている間違った情報をどうすれば見分けられるかを学びます。

1. あなたは真理についてどう感じていますか。

 エホバに仕える人たちは,聖書の真理を愛しています。私たちはその真理に基づいて信仰を持つようになりました。(ロマ 10:17)そして,エホバが「真理の柱また支え」としてクリスチャン会衆を設立したことを信じるようになりました。(テモ一 3:15)私たちは,「教え導いている人たち」が聖書の真理を説明したり,神の意志に沿って指示を与えたりする時,喜んで従います。(ヘブ 13:17

2. ヤコブ 5章19節によると,真理を学んだ後でもどうなってしまうことがありますか。

2 真理を受け入れ,神の組織が信頼できる導きを与えていることを認めるようになった後でも,真理からそれてしまうことがあり得ます。ヤコブ 5:19を読む。)サタンは何よりも,神の組織の指示や聖書に対する信頼を失わせようとしています。(エフェ 4:14

3. 真理にしっかり従うことが大切なのはどうしてですか。(エフェソス 6:13,14

3 エフェソス 6:13,14を読む。間もなく,悪魔サタンは全世界で間違った情報を大々的に広め,人々がエホバに逆らうように仕向けます。(啓 16:13,14)私たちは,サタンがますます必死になって私たちを惑わし,エホバから引き離そうとすることも予期しています。(啓 12:9)ですから,真理と間違った情報を見分けて,真理にしっかり従えるように自分を訓練することが大切です。(ロマ 6:17。ペテ一 1:22)大患難を生き残れるかどうかはそのことに懸かっているからです!

4. この記事ではどんなことを考えますか。

4 この記事ではまず,聖書に基づく真理を見分け,神が導く組織からの指示を受け入れるのに役立つ2つのことを考えます。そして,真理にしっかり従い続けるために必要な3つの点を学びます。

真理を見分けるために必要なこと

5. エホバを畏れることは,真理を見分ける上でどのように助けになりますか。

5 エホバを畏れること。エホバへの正しい畏れを抱いている人は,エホバを本当に愛しているので,悲しませるようなことは絶対にしたくないと思うものです。私たちはエホバから良いと認めてもらうために,正しいことと悪いこと,真実なことと間違っていることをしっかり見分けたいと思います。(格 2:3-6。ヘブ 5:14)また,エホバへの愛よりも人を恐れる気持ちが強くなってしまわないように気を付ける必要があります。人を喜ばせようとすると,エホバを悲しませてしまうことがよくあるからです。

6. イスラエルの部族の10人の長は,人を恐れたためにどのように真実をゆがめてしまいましたか。

6 神よりも人を恐れると,真実がはっきり見えなくなることがあります。1つの例を考えましょう。イスラエルの部族の12人の長は,エホバがイスラエル人に与えると約束した土地に偵察に行きました。そのうちの10人は,エホバへの愛よりカナン人を恐れる気持ちの方が強くなってしまいました。そして仲間のイスラエル人に,「あの人たちの所に攻めていくなんて無理だ。彼らは私たちより強い」と言いました。(民 13:27-31)人間的な観点で言えば,カナン人は確かにイスラエル人よりも強力でした。でも,イスラエル人には敵を征服することなどできないと言ったのは,エホバのことを考えていない発言でした。10人の長たちは,エホバがイスラエル人に何を望んでいるかに目を向けるべきでした。エホバが少し前に自分たちのためにしてくれたことについても,じっくり考えるべきでした。そうしたなら,強力なカナン人も全能者であるエホバに比べれば全く無力であることに気付けたはずです。一方,ヨシュアとカレブは,信仰の欠けた10人とは違い,エホバに喜んでもらいたいと思っていました。そしてみんなにこう言いました。「エホバが私たちのことを喜んでくださっているなら,私たちをその土地に連れて入り,その非常に肥沃な土地を与えてくださるはずです」。(民 14:6-9

7. どうすればエホバを畏れる気持ちを強めることができますか。(挿絵も参照。)

7 エホバを畏れる気持ちを強めるには,どんな決定をする時にも,どうすればエホバに喜んでもらえるかを考える必要があります。(詩 16:8)聖書を読む時,自分がその状況にいたらどんな決定をするだろうか,と考えてみてください。例えば,イスラエルの部族の長たちからのネガティブな報告を聞いているとします。あなただったら,その報告を信じて人を恐れる気持ちに負けてしまうでしょうか。それとも,エホバへの愛や,エホバに喜んでもらいたいという気持ちの方が上回るでしょうか。その世代のイスラエル人は,ヨシュアとカレブが語った真理を見分けることができませんでした。結果として,約束の地に入る機会を失ってしまいました。(民 14:10,22,23

あなただったら,どちらを信じたと思いますか。(7節を参照。)


8. どんな点で努力を続ける必要がありますか。どうしてですか。

8 であること。エホバは謙虚な人に真理を明らかにします。(マタ 11:25)私たちは真理を学んだ時,謙遜な態度で助けを受け入れました。(使徒 8:30,31)でも,謙虚な気持ちを忘れず,誇ることがないように引き続き気を付ける必要があります。誇り高くなると,自分の意見を聖書の教えやエホバの組織からの指示と同じくらい重視するようになってしまうかもしれません。

9. ずっと謙虚でいるためにどんなことができますか。

9 ずっと謙虚でいるには,偉大なエホバと比べて自分は小さな存在であるということを覚えている必要があります。(詩 8:3,4)また,もっと謙遜な人になって,教えられることを素直に受け入れられるよう助けてください,と祈ることができます。エホバは,私たちが自分の考えよりも,聖書や組織を通して学んでいるエホバの考えを優先できるよう助けてくれます。聖書を読む時,エホバが謙虚な人を愛し,誇り高くて高慢で傲慢な態度を憎むことに注目しましょう。人から注目されるような割り当てを受けたときには特に,謙虚な気持ちを忘れないようにすることが大切です。

どうすれば真理にしっかり従うことができるか

10. エホバは誰を通してご自分に仕える人たちに導きや指示を与えましたか。

10 エホバが導く組からの指を信する。古代イスラエルの時代,エホバはモーセやヨシュアを通して指示を与えました。(ヨシュ 1:16,17)イスラエル人がその2人をエホバ神から権威を与えられた存在として認めていた時,物事はうまくいきました。それからずっと後の時代にクリスチャン会衆が最初に設立された時,12使徒が指示を与えました。(使徒 8:14,15)やがて使徒たちに加えて,エルサレムの他の長老たちもその役割を果たすようになりました。そうした兄弟たちからの導きに従うことで,「会衆は信仰を強められ,日々,人数が増えて」いきました。(使徒 16:4,5)現代でも,エホバが導く組織からの指示に従うなら,物事はうまくいきます。でも責任を委ねられた人たちのことを認めようとしないなら,エホバはどう感じるでしょうか。その点を考えるため,イスラエル人が約束の地に入ろうとしていた時の出来事を振り返ってみましょう。

11. 古代イスラエルで,民を導くよう神から選ばれていたモーセに反逆した人たちはどうなりましたか。(挿絵も参照。)

11 イスラエル人が約束の地に向けて旅をしていた時,主立った人たちが,エホバから役割を与えられていたモーセに反抗するようになりました。そして「[モーセだけでなく]民全体,その全員が聖なる人で,エホバはその中にいるのだ」と言いました。(民 16:1-3)確かにエホバは「民全体」を聖なるものと見ていましたが,ご自分の民を導くようモーセを選んでいました。(民 16:28)反逆した人たちはモーセを批判しましたが,それは実際にはエホバを批判していることになりました。エホバが望んでいることではなく,自分たちが権力や目立った立場をさらに手に入れることばかり考えていました。エホバはその反逆を先導した人たちや,それに同調した大勢の人たちを処罰しました。(民 16:30-35,41,49)今でも,エホバの組織の指示や取り決めに従わない人たちがエホバに認められることはありません。

あなただったら,どちらの側に付いたと思いますか。(11節を参照。)


12. エホバの組織を信頼し続けることができるのはどうしてですか。

12 私たちはエホバの組織を信頼し続けることができます。特定の聖書の理解やさまざまな活動に調整が必要となったとき,統治体は進んで調整を加えます。(格 4:18)そうするのは,何よりもエホバに喜ばれることをしたいと思っているからです。そして,エホバに仕える人たちが大切にしている「型」ともいえる神の言葉に基づいて決定できるように最善を尽くしています。

13. 「健全な言葉の型」とは何ですか。それをどう見るべきですか。

13 「健な言の型に絶えず従[う]」。テモ二 1:13)「健全な言葉の型」とは,聖書に収められているクリスチャンの教えを指しています。(ヨハ 17:17)それは私たちの信仰の土台となっています。エホバの組織は,この型にしっかり付いて離れないようにと教えています。そうする限り私たちは守られます。

14. あるクリスチャンたちは「健全な言葉の型」からどのように離れてしまいましたか。

14 「健全な言葉の型」から離れると,どうなってしまうでしょうか。1世紀に起きたことを考えてみましょう。当時,エホバの日がすでに来ているといううわさが,一部のクリスチャンの間で広まっていたようです。そうしたことが書かれた手紙があったのかもしれず,それをパウロが書いたものだと考える人がいたのかもしれません。テサロニケのクリスチャンの中には,その事実を確認しないままうわさを信じて,ほかの人に広めた人たちまでいました。もしパウロと一緒にいた時に教えてもらったことを覚えていたなら,そうしたうわさにはだまされなかったはずです。パウロは,聞いたことを何でも信じたりしないようにと助言を与えました。(テサ二 2:1-5)そして,兄弟たちにとってその後の助けになるように,「テサロニケのクリスチャンへの第二の手紙」の結びにこう書きました。「私パウロのあいさつを自分の手でここに記します。どの手紙も,この筆跡で私からのものだと分かります」。(テサ二 3:17

15. もっともらしく思える間違った情報にだまされないために,どんなことができますか。(写真も参照。)

15 テサロニケのクリスチャンへのパウロの言葉からどんなことを学べるでしょうか。動揺させられるようなうわさや聖書の教えに沿わないことを聞いたとき,よく考えて判断することが大切です。以前,旧ソ連の兄弟たちの間で,世界本部から来ているように見せ掛けた手紙が出回ったことがありました。その手紙は反対者たちが偽造したもので,兄弟たちに独立した別の組織をつくるよう促す内容でした。それは本物らしく見えましたが,エホバを愛する兄弟たちはだまされませんでした。手紙の内容がそれまで教えられてきたことに沿っていないことに気付いたからです。今でも,真理に反対する人たちは,インターネットやソーシャルメディアを使って私たちを混乱させ,分裂させようとすることがあります。それで,「すぐに動揺して分別を失ったり」しないようにしましょう。見聞きすることがこれまで学んだ真理に沿っているかを考えるなら,自分を守ることができます。(テサ二 2:2。ヨハ一 4:1

もっともらしく思えても,間違った情報にだまされないでください。(15節を参照。) a


16. ローマ 16章17,18節によると,誰かが真理からそれていく場合,私たちはどうすべきですか。

16 エホバに揺るぎない愛を示す人たちと一にいるようにする。エホバは,私たちが思いを一つにしてご自分を崇拝することを願っています。私たちが一つになるには,真理にしっかり従う必要があります。エホバは,真理からそれて会衆の中に分裂をつくり出す人を「避ける」ようにと警告しています。そうしないなら,私たちも真理から離れてしまいかねないからです。ローマ 16:17,18を読む。)

17. 真理を見分け,それに固く付くなら,どんな良いことがありますか。

17 真理を見分け,それに固く付くなら,エホバとの絆を守り,強い信仰を持ち続けることができます。(エフェ 4:15,16)サタンの間違った教えや情報にだまされることはありません。また,大患難の間もエホバは私たちを守ってくださいます。それで,真理から決して離れないようにしましょう。「そうすれば,平和の神が共にいてくださいます」。(フィリ 4:8,9

32番の歌 堅く立って,動かされるな!

a や挿: 何十年か前の旧ソ連の兄弟たちの様子を再現したもの。兄弟たちは世界本部から来たように思える手紙を受け取ったが,それは実際には反対者からのものだった。今でも反対者たちはインターネットを使って,エホバの組織について誤解を与えるような情報を広めることがある。