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暮らしの安全が脅かされる

暮らしの安全が脅かされる

「現代は,かつてなく……技術,科学,金融の各資源の恩恵を受けています。……その一方で,この世代は,世界を[政治,経済,環境の]システム崩壊の寸前に追いやる最初の世代になるかもしれません」。(「グローバルリスク報告書」2018年版5ページ,世界経済フォーラム)

大勢の知識人が,地球と人類の未来を心配しているのはなぜでしょうか。私たちが直面している問題の幾つかを考えてみましょう。

  • サイバー犯 オーストラリアン紙(英語)にはこう書かれています。「インターネット空間はますます危険な場所になっている。そこは子供への性犯罪,いじめ,ネット荒らし,ハッキングの温床である」。また,「世界中で急増している犯罪に,成り済ましがある。……ネット上では,人は残酷で冷酷になりがちである」。

  • オックスファム・インターナショナルの最近のリポートによると,世界で最も裕福な8人の資産は,所得が低い36億人(世界人口の半分)の総資産に相当します。「われわれの破綻した経済では,裕福な人たちはどんどん裕福になり,貧しい人たちはさらに貧しくなっている。その大多数は女性である」。経済格差が大きくなれば,抗議デモや暴動につながりかねないと心配する人たちもいます。

  • と弾 国連難民機関の2018年の報告には「かつてない規模で難民が増えている」とあります。6800万以上の人たちが紛争や弾圧で住まいを追われています。「ほぼ2秒に1人が避難を余儀なくされて」います。

  • 「グローバルリスク報告書」2018年版によると,「生物多様性は……大量絶滅のペースで失われつつあり……大気汚染と海洋汚染は,人間の健康をますます脅か」しています。また,昆虫の個体数が激減している地域もあります。植物の受粉は昆虫に依存しているため,科学者たちは「生態系のハルマゲドン」が近いという危機感を持っています。サンゴ礁もダメージを受けています。過去30年で世界のサンゴ礁のおよそ半分が死滅したとみられています。

世界から危険と不安をなくすことはできるのでしょうか。そのためには教育が大切だと感じる人もいます。どのような教育が効果的でしょうか。こうした点について考えましょう。