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大人から学ぶ

大人から学ぶ

だれが子どもを教えるべきか

子どもは自分を教え導いてくれる大人を必要としています。その役割を果たすうえでだれよりもふさわしい立場にいるのは,親の皆さんです。親はその責任を果たさなければなりませんが,周りの大人もお子さんの良い手本になることができます。

なぜ大切?

多くの国の若者は,大人との交流を持たなくなっています。次の点を考えてみてください。

  • 1日の大半を過ごす学校では,生徒に比べると大人の割合が低いです。

  • 両親が共働きのため,家に帰ってもだれもいないことがあります。

  • アメリカで行なわれた調査によると,8歳から12歳までの子どもがマルチメディアに費やす時間は,1日平均6時間ほどです。 *

「子どもから離れない」(英語)という本はこう書いています。「若者は手本やアドバイス,指針を,親や先生など責任ある大人にではなく……友達に求めるようになっている」。

どうしたらよいか

子どもと一緒に過ごす

聖書の言葉: 「少年[または,子ども]をその行くべき道にしたがって育て上げよ。彼は年老いても,それから離れない」。(箴言 22:6

子どもは導きを求めて親に頼ろうとします。専門家によると,子どもは10代になってからも,友達より親のアドバイスを重視する傾向があります。心理学の教授ローレンス・スタインバーグは,「思春期の子どもを持つ親へ」(英語)という本の中でこう書いています。「子どもが大人へと成長していく過程で,子どもの態度や行動に大きな影響を与えているのは親である。若者は親が考えていることを知りたいと思っている。たとえすべての点に同意できないとしても,親が話すことに耳を傾ける」。

あなたに頼ろうとするお子さんの自然な欲求に応えましょう。お子さんと一緒に過ごしてください。自分の気持ちや価値観,経験を話してあげましょう。

周りの大人の助けを借りる

聖書の言葉: 「賢い者たちと共に歩んでいる者は賢くな[る]」。(箴言 13:20

お子さんのロールモデルになってくれそうな大人がいるなら,お子さんと一緒に過ごしてもらいましょう。もちろん,子育てを丸投げしてはいけませんが,信頼できる人に協力してもらいましょう。聖書に出てくるテモテは,大人になってからも使徒パウロとの交友からたくさんのことを学び,パウロもテモテとの交友から励みを得ました。(フィリピ 2:20,22

過去100年のうちに,核家族化が進み,家族や親族との絆が希薄になってきました。ご家庭でこうした状況が見られるなら,お子さんが大人たちと交流を持てるようにするのはいかがですか。こんな大人になってほしいと思うような人たちと一緒に過ごすなら,お子さんはきっと良い影響を受けるでしょう。

^ 9節 13歳から18歳までの若者の場合,1日平均9時間ほど費やしています。これらの統計には,学校の授業や宿題でインターネットを利用する時間は含まれていません。