聖書はどんな本ですか

聖書はどんな本ですか

聖書の答え

 聖書の基本情報

  •   が書いたか。聖書の著者は神です。神はそれを40人ほどの人に書かせました。例えば,モーセ,ダビデ王,マタイ,マルコ,ルカ,ヨハネ aなどです。神は聖書を書く人の頭にご自分の考えをいわば吹き込み,メッセージを記録させました。(テモテ第二 3:16

     例えで考えましょう。社長が秘書にメッセージを書かせるため,要点だけ伝えるかもしれません。それでも,そのメッセージは社長からのものです。同様に神は人間に聖書を書かせましたが,著者は神です。

  •   「聖」(バイブル)という言にはどんな意があるか。英語の「バイブル」という語は,「小さな書」という意味のギリシャ語ビブリアからきています。やがてビブリアという語は,小さな書が集まってできた聖書全体を表すようになりました。

  •   はいつ書かれたか。紀元前1513年に書き始められ,西暦98年ごろに書き終えられました。1600年以上かけて書かれたことになります。

  •   の原は残っているか。残っていないようです。聖書を書いた人たちは,当時入手できたパピルスや皮紙など腐敗する素材を使ったからです。でも,専門の写字生たちが細心の注意を払って聖書の写本を作ったので,ずっと後の時代の人たちも読めるようになりました。

  •   「旧」と「新」とは何か。一般に旧約聖書と呼ばれているのは,主にヘブライ語 bで書かれた部分です。ヘブライ語聖書とも呼ばれています。新約聖書と呼ばれているのは,ギリシャ語で書かれた部分で,ギリシャ語聖書としても知られています。この2つが合わさったものが聖書全巻です。 c

  •   はどんなジャンルの本か。聖書には,歴史,法律,預言,詩,格言,歌,手紙などが収められています。「 ジャンル別の書名リスト」をご覧ください。

 聖書には何が書かれているか

 最初の部分には,全能の神が天と地を造った様子が簡潔に書かれています。神は聖書を使って自己紹介しています。エホバという名前を伝え,ご自分の友になるよう呼び掛けています。(詩編 83:18

 聖書には,神についてのうそがどのように広められてきたか,また,神の評判がどのように回復されるかが説明されています。

 聖書には,神が人間と地球を造った目的が書かれています。神が将来,人間の苦しみの原因をどのように取り除くかも説明しています。

 生活に役立つアドバイスも書かれています。例えば次のようなものがあります。

  •   い人を保つ。「ですから,人からしてほしいと思うことは全て,人にもしなければなりません」。(マタイ 7:12

      自分にしてほしいと思う通りに,人に接する必要があります。

  •   ストレスを和らげる。「次の日のことを決して心配してはなりません。次の日は次の日で心配する事があります」。(マタイ 6:34

      起きるか起きないか分からないことを心配し過ぎるのではなく,その日その日の問題に取り組みます。

  •   せな結を送る。「夫の皆さんはそれぞれ,自分を愛するように妻を愛さなければなりません。一方,妻は夫を深く敬うべきです」。(エフェソス 5:33

      幸せな結婚生活を送るには,愛と敬意が欠かせません。

 聖書の内容は最初に書かれた時と同じか

 同じといえます。学者たちは,古代の聖書写本と今の聖書を注意深く比較し,聖書のもともとのメッセージが基本的に変わっていないことに気付きました。それもそのはずです。神が,ご自分のメッセージを読んで理解してほしいと思っているのであれば,そのメッセージが変わらないよう見届けてくれるはずではないでしょうか。 dイザヤ 40:8

 なぜ多くの聖書翻訳があるのか

 ほとんどの人は昔の聖書の言語を理解できません。でも聖書には,「あらゆる国や民族や言語」の人たちへの「良い知らせ」が書かれています。(啓示 14:6)そのような人たちが神からのメッセージを読んで正しく理解するには,自分たちの分かる言語に翻訳された聖書が必要です。

 聖書翻訳には,基本的に次の3つの方法があります。

  •   はできる限り字義通りに訳す方法です。

  •   えを伝える翻は原語の文章の意味を伝える言葉を使って訳す方法です。

  •   は楽しく読めるようにするために,文章を自由に言い替える方法です。でもそうすると,本文の本当の意味があいまいになることがあります。

 良い聖書翻訳とは,神からのメッセージを正確に伝えるため,原語の意味を踏まえつつ,分かりやすい言葉で訳したものです。 e

 聖書にどの書を含めるかを決めたのは誰か

 聖書の著者である神が,聖書に何を含めるべきかを決めました。神は,古代イスラエル国民を選んで,「[ご自分]の神聖な宣言を託」し,ヘブライ語聖書の管理を委ねました。(ローマ 3:2

 聖書に含められるべき書はほかにあるか

 ありません。聖書に含められるべき書はすでにそろっているからです。古代の幾つかの書が聖書に含められていない,と主張する人もいます。 f 聖書に何が含められるべきかについては,聖書そのものが基準を明らかにしています。(テモテ第二 1:13)その基準によれば,神の導きによって書かれた聖書の各書は,互いに完全に調和しているはずです。ある人たちが聖書に含められるべきだと主張する古代の全ての書がその基準を満たしているわけではありません。 g

 聖書の言葉の見つけ方

  ジャンル別の書リスト

a 聖書の全ての書名,筆者,書かれた場所については,「聖書の各書の一覧」をご覧ください。

b 聖書の一部は,ヘブライ語と近い関係にあるアラム語で書かれました。

c 多くの人は,「ヘブライ語聖書」,「ギリシャ語聖書」という表現を好んでいます。「旧約聖書」が時代遅れで「新約聖書」に取って代わられたという印象を与えないで済むからです。

e 多くの人は,「新世界訳聖書」を楽しく読んでいます。正確で読みやすいからです。「『新世界訳』は正確ですか」をご覧ください。

f これらの書は外典と呼ばれています。ブリタニカ百科事典(英語)には,「聖書文献において,[外典は]聖書の正典として受け入れられていない書を指す」とあります。これらの書は,聖書に含められるべき書の権威あるリストには含まれていません。

g さらに詳しくは,「外典福音書–イエスについての隠されていた真実?」をご覧ください。